12月 03 2011

かもがわ漢方研究会のご報告

Published by at 14:07:57 under 会の活動,漢方

先週のかもがわ漢方研究会のご報告です。なんと、もう第9回になるんですね。11月27日(土)は、京都が一年で一番混雑するタイミングで、会場に車で来られた方にはご迷惑をおかけしました。

参加者の方々もちょっと遅れつつ、30人以上の参加がありました。 講師の久永先生は筑波大の先生で、今年3月の第6回研究会に来て頂く予定だったのですが、大震災のために来られなくなってしまいました。今回お迎えできてとてもうれしかったのですが、震災の爪痕は今なお深く、研究室の復旧工事もなかなか進んでおられないとか。壁が落ちて床が抜けて研究室がまともに使えないのだそうです。そんな中、京都までお越しいただいてたいへん恐縮です。

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精神疾患に対する漢方の適応についてお話いただきました。西洋薬ですでに標準治療が確立しているもの(統合失調症、感情障害など)に関してはやはり西洋薬で標準治療をするべきで、漢方はあくまでも補助的につかうべきであるというたいへんクリアカットなお話でした。また、西洋薬でまだ標準治療が確立していない場合(全般性不安障害、身体表現性障害など)には 漢方を取材として使用してもよいであろう、ということです。

漢方医学では、傷寒論の時代(約2000年前) には、精神症状が脳に起因するという発想がなかったため、心因性の胸部症状があっても、単に胸部症状として診断治療をするというスタンスになります。

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それから、向精神薬投与時の麻痺性イレウスにはしばしば承気湯が効果的だそうです。精神科の患者さんのイレウスに関してはしばしばコンサルトをいただきますが、私もこれでひどい目にあったことがあります。精神科の先生方がこの種の薬の腸管運動の影響についてよくご認識いただくことは、重篤なイレウスを引き起こさないために重要ではないかと思いました。

向精神薬による巨大結腸症においては、病理学的にアウエルバッハ神経叢の萎縮・神経細胞の減少や空胞変性が認められるのだそうです。 一度そのような器質的変化をきたせば、なかなか元には戻らないことが推測できます。

後半は高齢になった屠蘇散の調合実習でした。まず、薬学部の伊藤先生が生薬の説明をしてくださって、作り方の解説を聞いたあとに、思い思いの調合をはじめます。屠蘇散はあまり、細かく決まった処方があるわけではなく、だいたいこんな感じといういくつかの生薬を好みで配合していきます。

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前もって作っておいていただいた2種類の市販のお屠蘇の試飲もあり、 なかなか「気分の良い」実習でした。ツムラの屠蘇散を作成する機械が壊れてしまい、もうツムラでは屠蘇散を作るのを嵌めてしまったそうです。お屠蘇を正月に飲む風習もなくなりつつあり、商業的にも厳しいのでしょうか。。。

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同じ「屠蘇散」として売られていても、味は何だか全然違いました。しかもこの屠蘇散は食品扱いなので薬ではありません。薬にしか使えない生薬は入れられないのだそうです。

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