5月 01 2011

郡山の校庭の表土除去について

Published by at 16:14:35 under 放射線について

福島県郡山市が、放射線対策として独自に小中学校の校庭などの表土を取り除くことを決定し、作業を行いました。その結果、表土を除く前の放射線量は1時間あたり3.2マイクロシーベルトもあったのに、それが0.6マイクロシーベルトに減ったといいます。素晴らしいと思います。

実は、福島県郡山市は私が幼稚園から小学校5年生までを過ごした土地です。他人ごとではありません。私の通った幼稚園や小学校の名前を報道で見つけることはできませんでしたが、子どもたちの被爆量を少しでも減らすために市が独自に動いたことは本当に良いことだと思います。そもそも国が動いてくれないなら、地方自治体が動かないと仕方がありません。

一方で、文部科学大臣の高木氏は、「事実関係を確認したいと」か、ほかの地域にある学校での表土除去の必要性について「その都度放射線量を計測して、基準以下であれば必要はない」と述べて横槍を入れています。
基準値以下であったとしても、自分の郷土の子どもたちの被爆量を少しでも減らそうとする人たちの気持ちを考えたらそんなことは言えないと思います。

文部科学省が屋外活動制限の可否を判断するのに「年20ミリシーベルト」と、一般人の年間許容限度の20倍という高さの被ばく線量を目安としたことで、内閣官房参与:小佐古敏荘氏の抗議の辞任にも発展しています。

年間20ミリシーベルトは私の感覚でもべらぼうな値です。前にも書いたとおり、我々放射線業務を行う医師でさえ、業務で年間1ミリシーベルトを超えることはほとんどありません。さらに、我々はすでに成人しており、線量を管理され、採血により白血球数を測定し、業務としてお金をもらって自分の判断で放射線を取り扱っています。子どもたちは放射線の感受性も強いですし、線量を管理されているわけでもなく、自分の判断で放射線を浴びているわけでもありません。子どもの健康は大人が守る義務があります。

福島県の小中学校などでの屋外活動を制限する放射線量として「年間の積算放射線量20ミリシーベルト」との目安を基に「屋外で毎時3・8マイクロシーベルト」と決められたのはあまりに緩すぎると思います。なぜなら、これも外部被曝量だけの話なので、実際には呼吸による被曝、食物からの被曝を考慮すると、2倍程度の被曝になると考えられるからです。

郡山市が率先して表土の除去に踏み切ったこと、私は誇らしく思います。ただ、表土の捨てるところがなく、校庭の一角に集めて凝固剤で固めてブルーシートをかけたという点でひとこと。

表土は国会議事堂に持ち込んではいかがでしょうか。皆さん安全だとおっしゃっていますので。

2 responses so far

コメント(2) “郡山の校庭の表土除去について”

  1. 松原on 05 5月 2011 at 0:10:58

    初めまして。栃木県在住の女性医師です。
    ご意見に賛同します。
    福島では、学校校庭の表土除去を独自に始め、想像以上の成果を上げましたね。いろいろな抵抗の中、実行したこと、本当に頑張っていると思います。自治体の意識も高いのでしょう。
    私の住んでいる地域では、今まで地表近くの放射線量は全く検査されておらず、ごくつい最近、福島県との県境の那須でようやく校庭の放射線量測定を始めたばかりです。さらに連休明けには、全県下の学校、保育園で放射線量を測定していく方向へということですが、どうなることでしょうか。測定機器も足りないようですし、、、

    これまでに、新聞誌上発表されている栃木県内の数地点での空間線量は、いずれも高度20m付近での値なので、かなり低くでていると思われ、実際の被曝を考えるときには参考にしにくいです。
    3月20日過ぎに、県庁に地表近くの放射線量の測定の必要性を提案しましたが、納得して頂けなかったようでした。個人で意見を主張することの困難さを痛感しました。きっと、先生方のような、なんらかのグループで発言、提案すれば、違った結果が得られたかもしれません。
    一医師として、またこどもの母として、子供達の活動の空間での放射線量測定を一番必要だった3月中に始められなかった事を本当に残念に思い
    ます。
    チェルノブイリのことや、他の原発事故、原爆実験による被害から学べる放射能汚染による健康被害に関するいろいろな情報をわかりやすく発信していくことも医師の務めなのかもしれません。

  2. adminon 07 5月 2011 at 22:03:27

    コメントありがとうございます。
    京都という遠く離れたところで色々言っていますが、はっきり言って当事者とは言いがたいのでちょっと心苦しく思っていました。

    空間線量は高度20メートルで測定しているのですか。実際は福島原発から飛んできた放射性物質を含むチリが放射線を発しているので、今となっては土の表面や草木の表面に付着していると聞いています。従って表土の除去や雑草をむしるなどという作業で庭の放射線量を削減できるわけですよね。

    栃木県庁の方は郡山の話を聞いておられないんでしょうか?ちょっとの努力で子どもの被曝量を減らせるということを。

    子どもたちは(うちの子もそうですが)、しゃがんだり水たまりに入ったり草や石を拾ったりダンゴムシを手のひらにのせたり、砂でプリンを作ったりして過ごすものです。一番放射線の感受性の高い人間が一番放射線量の高い地表近くで生活しているということをもっと考えていただきたいですね。

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