2月 25 2011

便潜血の意義

Published by at 23:19:45 under 消化管

大腸癌の検診としては、まず便潜血というものが侵襲も少なく簡単にできます。ただ問題は、簡単にできるからかえって安易に考えられているところがあるのではないかということです。

実は、便潜血が陽性だという結果をもらっても、かなりの人が精密検査すなわち大腸ファイバーを受けないのです。「自分は痔があるからそのせいだ」と思い込んでしまうのです。

確かに大腸癌の患者数より痔の患者数のほうがはるかに多いのですが、オーバーラップしていることもしばしばあります。すなわち、大腸癌と痔と両方を患っている人もいるということです。

しかし、人はどうしても悪い情報を自分の都合の良い方向へ歪めて受け取ってしまいがちなので、便潜血陽性という事態に大腸癌かもしれないというよりは痔だからという納得の仕方をしてしまうのだと思います。

かなりの進行癌の方で、よくよく話を聞いてみると数年前から会社の検診で便潜血陽性を指摘されていたにもかかわらず放置していた、などということもあります。一度カメラをして痔以外に何もないことを確認すれば良いのに、「大腸のカメラはものすごくしんどい」などというネガティブな話を人から聞いてしまうと、しんどい検査は受けたくないと考えてしまうようです。

今日、私の共同研究者のドクターと話していたのですが、アメリカではそういう検診後の精査に関する基準がはっきりしているそうです。一方で日本は検診の基準はなんとなく曖昧です。

少なくとも50才以上で便潜血陽性であれば大腸ファイバーを一度はやっておいたほうがよさそうです(家族歴があればもっと早くから実施する)。大腸癌は日本でもかなり増えてきましたし、早期に見つかれば治癒も十分可能なのでがん検診の意義は大きいと思います。

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