2月 06 2011

消化器病学会近畿支部教育講演会

Published by at 20:19:31 under 学会活動

昨日は大阪で消化器病学会近畿支部教育講演会に参加してきました。「消化器病」学会なので基本的には内科のドクターが多いのだと思いますが、消化器病学会専門医取得の要件として外科学会専門医、というのもありますので外科系のドクターもそこそこいると思われます。

子どもたちを保育園に預けた後大急ぎで家の掃除をして布団カバーを全部入れ替えて(土曜日にすることにしています)、京阪電車に飛び乗って出かけました。ほんと、保育園様様です。

大阪に出かけるのは何年ぶり?といった感じなので、ちょっとゆっくりランチを食べて、13時30分からの教育講演会に参加しました。

粒子線の話や、NSAIDs潰瘍、クローン病、肝移植、膵胆道癌の講演でした。朝からバタバタして走りまわってランチをしっかり目に食べた後だったので、午後からの講演は申し訳ありませんが少々眠かったです。しかし、途中で覚醒してクリアな脳になりました。

粒子線治療は線量分布が優れていて切れ味が良く陽子線よりも若干深部までとどくこと、生物学的効果にも優れていてDNA損傷効果が高いという特徴があります。日本では30カ所余りの施設で治療が行われていて、中には民間の施設もあるそうです。

NSAIDsというのは非ステロイド消炎鎮痛薬のことです。最近は虚血性心疾患や脳梗塞などで低容量アスピリン内服中の方も多く、胃潰瘍のみならずカプセル内視鏡で小腸粘膜障害が認められる機会が増えているのだそうです。

クローン病は時々外科としても手術の対象になることがあります。狭窄や内瘻などのためです。ただ、いろいろな薬も出てきているので症例によってはmildな薬から強い薬にボトムアップしていくのではなく、強い薬で積極的に加療して維持療法に持っていくというトップダウン方式もとりうるのではないかというお話でした。炎症が長期間続けばそれだけ線維化も進行します。

肝移植の話をされたのは、実は私が1年目の研修医の時に指導医であった先生でした。昔から肝臓を切る仕事をされていたわけですが、その時は主に肝臓癌の切除でした。指導医の先生は今はさらに移植のほうに進まれ、私はすっかり肝臓から離れてしまいました。同じ消化器系とはいえ、私は消化管のほうが好きなんですね。

膵癌については現時点ではGemcitabineに上乗せ効果があるのはErlotinibという薬だけで(しかも日本では現時点で保険適用ではない)、なかなかGemcitabineを超える薬が出てこないという話でした。膵臓も消化器ですが消化管ではないので普段扱うことがなく、こうして時々勉強しておかないとまったく取り残されてしまいます。また、演者の先生がかなりの野心家であるという雰囲気がひしひしと伝わってきて面白かったです。

まあ、こういう教育集会で女性のドクターが演者になっていることはほとんどありません。今回座長はひとりおられましたが、消化器外科領域では演者も座長もまだひとりも見たことがありません。

消化器病学会では2011年2月1日現在、会員数は31599人でそのうち女性3585人、専門医は17147人で女性は1636人ということです。ちなみに消化器外科学会では男女別の統計を取っていないので内訳は不明とのことですが、2008年に日本外科学会女性外科医支援委員会が行ったアンケート調査によると、日本消化器外科学会の女性医師会員の割合は4%です。多少増えている可能性はありますが20人に1人くらいという私の印象は正しいと思われます。

私はまだまだ勉強不足ですが、いずれはこういう所で皆様に講演する機会をいただけるよう精進したいと思います。まだまだ発展途上です。

帰宅すると18時30分で、すでに夫が子どもたちを保育園に迎えに行って夕食を食べさせ始めているところでした。小さい子どもがいるとこういうお勉強の機会を作るのも実に大変です。「消化器外科」学会はこの春から教育集会がe-learningになりますが、こういう傾向は他の学会にも拡大していくのでしょうか。

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