4月 10 2010

外科学会 ~女性医師支援にもマニフェストと事業仕分けを!~

Published by at 22:09:35 under 女性医師のキャリア,学会活動

本日、名古屋で開催された日本外科学会総会に参加してきました。
このHPでもご紹介したとおり、

「女性外科医の勤務継続とキャリアアップのために何が必要か?」
という特別企画シンポジウムで演題が通っていたので、発表してきました。

まずは福島みずほ内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画担当)からのビデオレターが紹介されました。発言の内容はともかく、消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画担当大臣、というのもよくもこれだけいろいろくっつけたものだと感心するくらい長い名前の大臣です。しかも、買い物も、食事の準備をするのも、少子化も、男女共同参画も、女性の仕事だと決められているようなそんな印象を与える職名ですね。

私はこれからの女性医師支援については
マニフェストと事業仕分けが必要だと思っています。
もはや問題点は出尽くした感があり、個人の体験談(私はこうやって頑張ってきた!)や精神主義的な論点(好きな仕事なら頑張れば何とかなる!)はなるべく排除して女性医師支援を何のために、何を目標としてするのかを明らかにするような議論をするべきであると考えています。

女性医師が勤務を継続する必要があるとして、そのゴール地点をどこに持っていくかで必要な施策は変わってくると思います。
ただ勤務を続けるだけなら週3日でいいとか、9時17時で帰ってよいとか、オンコール・当直免除とか保育所の設備とかそんなところで解決しそうです。ただし、それでは女性医師の役割は男性医師の補助的な役割に終始しそうな気がします。

女性医師はサブでいいのか?
男性であれ女性であれサブでいいと思える人が医師を目指してきたとは私には到底思えません。
「自律性」をもって仕事ができることをやりがいとする人がほとんどだと思います。

女性医師が医療の世界でイニシアチブをとれるような真の男女共同参画社会を目指すのであれば、女性医師が管理職や指導的立場に立てるような施策が必要です。

私の発表が制限時間をオーバーしてしまい、最後の言いたいところを司会の先生にさえぎられてしまったのは少し残念でしたが、なんとか最後のスライドまで出して終了しました。

女性医師支援に関して目標を明確に定め、そのために必要な事業をきちんと仕分けをして実行し、一定の期間でその効果について総括しなければならないと考えています。

そういう踏み込んだ議論をしたくて乗り込んだのですが、あまり実のある議論にはならなかったように思います。厚生労働省の方に質問が集中し、その結果その方の発言時間が長くなりがちでした。それがトレーニングを受けているのではないかと思うくらい、うまい枕詞などを駆使して上手に話をされる(矛先をかわす?)ので、医者の側のリテラシーの欠如が露呈した感がありました。

フロアから、評議員の選挙などで女性が選ばれないのは男女差別があるからとは言えないのではないかという指摘がありました。典型的な男性の無自覚な言い分であり、男女共同参画の基本理念をご理解されていないようです。もともと男性を中心に形成された世界に女性が進出する場合、女性が不利であるのは当然であるので、少なくとも最初は施策として女性を優遇するのはやむを得ないことであり、逆差別とはいえません。社会学からはそのように説明されます。

このかたは、労働基準法などを遵守していたら外科医としての研修ができないし、人が寝ている間にも研修、勉強すべしというようなことも発言されていました。おっしゃることはごもっともなのですが、こういう方がおそらく部下の育児休暇取得を阻むような存在になっているのだろうと推察しました。

また、一度現場を離れて健診業務などを経て復帰したという女性医師の発言で、女性医師の夫はたいてい医者で生活には困らないのだから、給料はそんなに高くなくてもよいからポストを確保して働けるようにしてくれたらいい、という発言がありましたが、こういう意見は危険です。わざわざ自分たちの存在意義や評価を過小にアピールする必要はありません。我々女性医師を安く買いたたいて、人手不足の医療現場にとにかく送り込もう、とする人たちにとっては好都合です。補助的な仕事しかしないのだから安い給料でいいだろう、という理屈に与してはなりません。配偶者である夫が医師としてそこそこの給料をもらっていることと、自分自身の労働に対する対価の多寡は何の関係もありません。この方も真の男女共同参画の理念をご理解していないと推察されます。

さあ、女性医師支援にもマニフェストと事業仕分けを!
今風でなかなかキャッチーだと思いますがいかがでしょうか。

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