5月 26 2008

歩いてきた褥創患者さん

Published by at 22:23:31 under 少子高齢社会,褥創

本日は海外出張中の後輩の代診で久々に褥創回診をしてきました。

新しく褥創ができてしまった方。

入院時にすでに褥創をお持ちの方。

せっかく治った褥創が再発してしまった方。

いろいろです。しかし、褥創ができるような状況に一度陥ってしまえば、そこから抜け出すのは困難で、褥創がなかなか治らなかったり、ひとりの患者さんに何ヶ所もできてしまったり、せっかく治ったところが急に再発したりすることもしょっちゅうです。

寝たきりになることが最大のリスクです。しかし歩いて外来にやってくる褥創患者さんを診たこともあります。歩けるのになぜ?と思って話を聞くと、アルコール依存症で栄養障害がある方でした。三度の食事よりもビールが好きだとか。栄養状態が悪く、ビタミン不足や肝機能低下によるタンパク合成障害、神経障害による感覚障害などがバックにあるのだと考えられます。

今までに何百人と褥創患者を診ていますが、歩いて外来にやってきた褥創患者さんはふたりだけで、そのふたりともアルコール依存症に伴う低栄養状態の方でした。定期的に通院していただきながら自分でもラップ療法ができるように指導しました。もちろん食事についても細かく指導しました。そうしないと、治るものも治りませんし、何回でも再発しますから。

それから、褥創にはラップ療法に加えて穴あきポリ袋+オムツを当てるという方法もあり、浸出液が多い場合に有効です。あまり医療品という感じがしませんね。ラップも穴あきポリ袋も医療品というより台所用品ですね。

褥創の処置も創部の評価とデブリドメン(壊死組織を外科的に切除する)以外は、介護の一環として処置をしていただくほうがきめ細かく処置ができると思います(特に仙骨部の処置はおむつ交換と同時に行うのが効率的ですよね)。もちろん医師の定期的な管理の下に行うべきですが。

これからも褥創患者さんは増えていくと思います。適切に、かつ効率よく対応していかなければいくらでも医療費を押し上げます。あまり一般には問題にされることのない「褥創」ですが、高齢社会の大きな問題としてもっと広く認識していただきたいと考えています。

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