8月 30 2009

マイケル・ジャクソンとプロポフォール

Published by at 23:28:35 under 未分類

急死したマイケル・ジャクソン氏の誕生日の8月29日、メキシコでファンがヒット曲「スリラー」のダンスを一斉に踊って記録に挑戦したそうです。ギネスに挑戦、ということなんでしょうが、1万人以上の人が集まってダンスなんかして、インフルエンザは大丈夫なんでしょうか・・・

それはそうと、マイケル・ジャクソン氏の死因について、アメリカ・ロサンゼルス郡検視局は投与された麻酔薬「プロポフォール」の急性中毒とほかの睡眠薬の影響によるものであると発表しています。

マイケル・ジャクソン氏は不眠症に悩んでいて、死亡前、専属の医師から3種類の睡眠薬を投与されていました。それでも眠れないということでプロポフォールを投与されたというのです。

プロポフォールって・・・

主として全身麻酔に使う薬剤です。麻酔科のドクターであれば、全身麻酔の導入の際や持続投与による維持に日常的に使う薬です。

(脂肪製剤なので白い牛乳のような液体です。大豆油や卵黄レシチンを含むので大豆・卵アレルギーの人には基本的には投与できません。)

しかし、私のような外科医にとってはめったに使う薬ではありません。患者さんを鎮静させる必要がある場合、たとえばICUで人工呼吸器で管理しなければならない時や、心房細動(血栓ができやすい不整脈の一種)に対して電流を流して除細動を行うときなどに使うものです。どちらかというと外科医にとっては自分ではあまり使いたくない、というか使うような状態を避けたい薬剤です。

まして、不眠を訴える患者さんに投与してよいはずがありません。

患者さんの要求にどこまでこたえるか、というのは実際には難しい問題です。頼まれるとなかなか断りにくい時もあります。しかし、患者さんの要求とはいえ、医学的に問題のあることにははっきりNoと言うべきでしょう。

まあ、マイケル・ジャクソン氏の主治医は、大物のクライアントを失いたくなかったのでしょうが・・・

No responses yet

Trackback URI | Comments RSS

コメントを残す