4月 24 2009
医師の当直勤務
22日、奈良県立奈良病院の産婦人科医2人が、夜間や休日の当直は時間外の過重労働に当たり、割増賃金を払わないのは労働基準法に違反するとして、県に2004、05年分の未払い賃金計約9200万円を請求した訴訟の判決が奈良地裁でありました。
裁判長は「当直で分娩など通常業務を行っている」と認定し、県に割増賃金計1540万円の支払いを命じました。
医師の勤務実態についてはじめて違法性を指摘した司法判断ということでニュースになりました。
労働基準法によると、待ち時間などが中心の当直は、通常勤務と区別され、割増賃金の対象外とされます。県 は当直1回につき2万円の手当のみを支給していました。
医師の当直とは、宿直(夜勤)、日直(休日勤)の総称で、労働基準監督署の基準では、医師の場合、病室の定時巡回など軽度で短時間の業務と定義されています。
しかし、病院によっては一晩中まともに眠ることができない当直などざらです。私も、当直の晩に何度も何度もPHSで起こされてほとんどうつらうつらしか眠れず、明け方に呼ばれたときは心臓の音がバクバクと響くのを自分で感じてかなりのストレスを自覚したことがあります。
それでも翌朝から普通に勤務があるので、へろへろでした。飲酒状態で働くのもよくないですが、そんな疲労こんばいした状態の医師の判断力もかなり低下しているのではないかと思います。
(睡眠不足はアルコール摂取に匹敵するほど判断力が鈍くなるものだと言われています)
医師の勤務形態に一石を投じる判決だったといえるでしょう。へろへろのまま働いても問題が生じなければ良いのですが、そんな判断力の低下した状態で診察をして医療過誤や医療ミスなどをひきおこすわけにはいきません。
法定労働時間を遵守すると医療は回りませんよね。
周りの先生方はいろいろお忙しいようです・・・
行き過ぎた根性論や精神主義はよろしくないと思います。