11月 23 2008

医療崩壊

Published by at 22:21:41 under 会の活動,医療過誤とは

本日のメインイベントは医療崩壊についての講演でした。京都大学においてこのテーマが語られるのは初めてのことではないかと思います。

一般の方や医師、看護師などの医療関係者の間の認識のずれが浮き彫りになりました。

特に「医療ミス」の定義については医療者側からと患者(の家族)側からみると全く思いが異なります。

医療者が言う医療ミスとは極端にいえば「薬を取り違えた」「手術する左右を間違えた」「薬の量をひとケタ間違えた」ということになります。これらは明らかにミスで申し開きができないものです。

一方、ある患者さんを見たときに複数のアプローチが考えられる場合があります。

虫垂炎とすぐに診断してすぐに手術をする、虫垂炎と診断はするが手術の必要はまだないと考えて入院の上抗生剤などの投与で経過を見る、虫垂炎の可能性があることを患者に伝え、内服の抗生剤を処方して自宅で様子を見るよう伝える、など腹痛の程度(これは医師の触診などによる)や検査所見をどう読むかによって患者さんを診た時点で判断することになります。

様子を見ていても結果的に手術が必要になった場合、これが判断ミスなのかといわれるとそれは医師の想定内であり、ミスではないだろうというのが医師の言い分になります。

しかし、最初の時点で手術が必要と判断してほしいというのが一般の方の気持ちのようです。また、「様子を見た」ために処置が遅れて結果的に重症になってしまったり、極端なことを言えば亡くなってしまったりした場合は医療ミスではないかと考えてしまいます。

そして現在は訴訟という形でしか患者側は真相究明や怒りの感情のやり場がないのが問題ではないかという議論になりました。

こういうイベントをこれからも開催したいと思います。病気じゃない時にも医者の話を聞いてみたい!という人は結構多いのではないかと考えているのですがいかがでしょう?

3 responses so far

コメント(3) “医療崩壊”

  1. EXILEon 25 11月 2008 at 13:31:25

    二日間お疲れ様でした。特に二日目は申し訳ないです。
    医療ミスについての認識の差は特に興味深かったですね。僕としても、先生方が医療ミスについてどう考えておられるのか興味がありました。
    セカンドオピニオンなんてものがありますが、病院から紹介されてまた病院へ行くのはなんか抵抗があるのではないですかねえ。この会みたいに和やか雰囲気も少しは必要ではないでしょうか。
    といっても、ボランティアで医師にこのような活動を定期的にしろ、といわれてもちょっと苦しいですよね・・・
    あ、生涯医療教育学の単位を僕にください笑

  2. adminon 25 11月 2008 at 15:26:16

    生涯医療教育学!その実情はベールの中です(笑)

  3. ある院長on 19 12月 2008 at 15:35:14

    11月祭を思い出して、ご案内します。
    12月23日に「医療崩壊阻止! 医師・医学生署名をすすめる会」の代表呼びかけ人が一同に会して交流集会をします。
    三井ガーデンホテル京都四条 11:00a.m.~12:30

    この問題で、積極的に発言しておられる本田 宏医師のブログに紹介されています。こういう機会はなかなかないので、是非ご参加下さい。
    http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/honda/200812/508907.html

    なお、その1時間後には、「崩壊の危機にある医療・介護の再生シンポジウム」が23日午後1時半(開場12時半)から、下京区の京都産業会館8階シルクホールで行われます。終了は16:30の予定。

    近藤克則氏(日本福祉大学社会福祉学部教授、大学院社会福祉学研究科長)が講演をします。臨床医でありながら、「健康格差社会」や「医療費抑制の時代を超えて」の著書で、非常に注目されている医師です。
    パネリストは本田宏氏(済生会栗橋病院副院長)、邉見公雄氏(全国自治体病院協議会会長)、服部万里子氏(立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科教授)、吉中丈志氏(全日本民主医療機関連合会理事)。コーディネーターに藤末衛氏(全日本民主医療機関連合会副会長)を迎え、根本的な転換をめざして「医療・介護再生プラン」を提案し、見直しを求めていきます。
    こちらも是非ご参加下さい。

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