Archive for 12月, 2011

12月 20 2011

水疱瘡の顛末

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子どもの水疱瘡ですが、痂皮化あるいは発疹が消失し、ほぼ終息しつつあります。結局1日微熱が出たくらいで、元気なまま過ぎました。明日から保育園にも登園可能かと思います。結局週明けの月曜日には両親に来てもらい、本日火曜日にはベビーシッターを一日雇用し、昼食は出前の鍋焼きうどんをとって、しのぎました。子どもがひとり家にいる場合は、もう一人を保育園に別途お迎えに行かなければなりません。最近平日のお迎えはベビーシッターか母に任せて自分ではお迎えに行かなくなっていますが、さすがにベビーシッターを二人雇う余裕はなく、今日は自分でお迎えに行くことにしました。また、下の子の病気で上の子も寂しい思いをしていることもあり、その辺も気を遣ってやらなければなりません。

明日の水曜日午前中は9時から外勤の予定でした。

水疱瘡後に登園するにあたっては「治ったという証明書」が必要になります。困ったことにかかりつけ医が火曜日に夜診をやっていないので、今日中に証明書なるものを取得するために外勤先の病院に電話して、夕方以降に受診させるので証明書を発行してもらいたいと問い合わせをしました。すると、小児科をしていないので無理だという返事でした。

私は外科として外来に出ていますが、子どもが毛虫に刺されたとかとても外科疾患とは思えないような症例も診ているのに、なんということかと思いました。医者なら小児科医でなくとも、水疱瘡の水疱が痂皮化したか水疱がなくなったかどうかくらい見たらわかるだろうと思います。しかも、そこに出勤するために段取りをしている非常勤とはいえ職員の私にそういうことを言うということは、私に来なくてもいいと言っているようなものです。労働意欲が一気になくなりました。

水曜日の朝いちばんでかかりつけ医を受診して子どもを保育園に連れ行ってから出勤するとなると早くても9時30分は過ぎ、遅刻します。でも、別に私が行かなくてもいいんだったらどうでもいいような気がしてしまいました。先方に確認すると、代診を立ててもらってもいいし、少し遅れて出勤でもどちらでも構わないと言われました。代診を大学院生に打診するとあっさり見つけてくれたので、頼むことにしました。

いつもの私だったらベビーシッターを雇用してでもなんとか仕事に行こうと努力するのですが、今回の対応には気持ちが折れました。外勤というのはお金のために行くものですから、そんなにこだわらなくてもいいし、先方もそんなに期待していないということがよくわかったので、明日は下の子とゆっくりかかりつけ医を受診して保育園にゆっくり行くことにします。

それにしても、私も夫も医者で、周囲には医者があふれているというのに、こんなていたらくです。同僚の先生に一筆書いてもらうことも考えましたが、なんとなくフェアでない気がして、やめました。正規に受診したうえで書いてもらわないとまずいように思います。しかし、この形骸化した手続きに意味を見出すことができず、腹立たしい限りです。

そもそもすべての水泡が痂皮化するまで登園できないといいますが、いまどき創傷治癒において痂皮化なんて全くいいことがないので、私はなるべく痂皮化しないように創傷被覆材をがんばって貼りまくりました。子どもにはその意味が通用しないようで、ほとんどはがされてしまいましたが。。。痂皮化したらあとも残るし、傷を乾かさないのが基本だと思うので、デュオアクティブETやプラスモイストなどを貼っていました。ほとんど痂皮化せずに治ったのですが、一番肝心な顔にひとつ痂皮を作ってしまい、悲しい思いをしています。

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12月 18 2011

女性医師インタビュー:教授版

女性医師インタビューも佳境に入ってきました。厚生科研費も今年度で終了、女性医師に関する質的研究もそろそろ終盤です。

今まで、中堅どころのドクター、すなわち私の同年代のインタビューが続いていましたが、今回は東京の大学で教授をされている先生にわざわざ京都までおこしいただくことができました。臨床における専門は病理、現在は医学教育に携わっておられます。

せっかく遠方からお越しいただいたので、昼食をご一緒しました。とても面白い話をたくさんおうかがいしてたいへん盛り上がったところでインタビューに突入です。

さすがに教授として管理する立場にある方だけあって、私たちの悩んでいるところを突き抜けてしまっているところがさすがだと思いました。強烈なメッセージは「現在の評価基準が上司からの視点しかないが、同僚やco-workerなどからの評価も基準に加えるべきで、特に教育を評価に加える際には学生からの視点も重要である。現在は教育に対する評価が正当に行われていない。」「評価はその人の能力に対してなされるべきであって、長時間働けるということに対して評価されるのは間違っている。」「女性医師は家事をするべきではない。そんな暇があれば仕事をするか子どもと関わる時間にあてるべき。」「医者になって最初の数年は雑用であれ何であれ文句を言わずがむしゃらに働くべき。伸びる時期は医者になって最初の数年しかない。」「自分を鍛えてくれる師匠を選びなさい。」ということです。

明確でもっともな指摘です。

私も若いころ一生懸命働いたつもりだったけれど、もっとできることがあったのではないかと反省しています。もっとも、私もこの質的研究を行う過程でずいぶん認識が変わりましたし、環境整備も自分で進めてきました。とにかく決められた時間に職場に到達するだけでやれやれどっこいしょ、みたいな時期から比べると少しましになりました。自分で買い物に行って夕食の準備をして、子どもたちの送り迎えも自分で行って、と何もかも自分でやろうとすることはやめました。家事はかなりの割合を外注していますし、子どもたちの保育園への送迎をベビーシッターさんなどにお願いすることも多くなりました。

何よりも大事なのは、自分で自分の仕事をある程度コントロールできるポジションにつくための努力を怠らないことかな、と感じました。今回インタビューさせていただいた先生も男性社会でいろいろ苦労しておられるようですが、教授という立場だからできること、言えることもあるのではないかと思ったからです。そして、特に女性の場合、ぼた餅的にそういうポジションがふってくるとは思えませんので、導いてくれる師の存在と背中をポンと押すきっかけ、何らかの戦略が必要なのだと思います。

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12月 17 2011

大迷惑な水疱瘡

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昨日、夕方突然子どもたちの保育園から電話がかかってきて、2歳の下の子に赤い発疹が出てきたという連絡をもらいました。最近、保育園で水疱瘡が流行しているので注意してくださいという話を聞いていたのですが、私は、下の子が1歳になるやいなや水疱瘡のワクチンを接種させていたので思わず「うちは予防注射をしているんですけど」と言ってしまいました。水疱瘡のワクチンは任意接種なのですが、私はスケジュールとにらめっこして粛々と接種を済ませたはずだったのです。

帰宅した子どもの体幹部を見ると、なるほど数個の赤い発疹がありました。まだ水疱形成はなく、ちょっと虫に刺されたくらいの程度で、熱もなく機嫌もよく食欲も旺盛でした。ダニか何かにあちこち噛まれたことにできないだろうか、などという馬鹿なことを考えていました。

今朝起きてみるとやはり発疹の数は増加していて、 一部は中心が水疱化していて、これを虫刺されと言うわけにはいかないとさすがに厳しい現実に直面してがっくりしました。

本人は熱もなくいたって元気で、 機嫌もよく、むしろ一人で保育園に連れていった上の子(こちらは10ヶ月の時に水疱瘡に罹患済み)のほうが不機嫌だったくらいです。いつもふたりで登園するので、ひとりで行くのが寂しかったのでしょう。

とりあえずかかりつけ医に連れて行きました。水疱瘡なのは百も承知(ワクチンが効かなかったという厳しい現実を認めざるを得ず・・・)、診断をつけてもらうまでもないのですが、世の中には必要な手続きというものがあります。 保育園に登園するためには全身の発疹が痂皮化したことを後日一筆証明してもらう必要がありますので、水疱瘡の診断を自分たち以外の医者につけてもらわなければならないのです。

調べてみると、水疱瘡のワクチンは8~9割で予防効果があるとのことです。逆に言えば1~2割は予防接種をしても水疱瘡にかかってしまうということで、うちの子はその1~2割の方に入ってしまったわけです。ただ、予防接種をしていると軽く済むことが多いというので、こうなったからには早く治ってもらうしかありません。

しかし、少なくとも月曜日と火曜日の出勤をどうするか考えなければなりません。病児保育は水疱瘡の子は入れないので、私か夫が家で見るか、母に来てもらうか、ベビーシッターに頼むかという選択肢しかありません。こういうことを考えて、水疱瘡のワクチンを接種させておいたはずなのですが、免疫が成立しなかったのは返す返すも残念と言うか悔しいと言うか腹立たしい限りです。・・・・・・・・・・いやいや、はっきり言えば何にこの怒りをぶつければ良いのか、と声を大にしたいくらいです。

あまりに腹立たしいのでいろいろ考えたのですが、何故に水疱瘡だと登園停止になるのか(学校の場合は出席停止)ということです。熱があるとか食欲が無いとかぐったりしているとか言うのであればやむをえないと思いますが、発疹があるというだけで集団生活が不可になるのはなぜか?集団発生を防ぐためでしょうか。学校の場合、学級閉鎖とか学校閉鎖がありますが、保育園の場合は基本的に閉鎖されることはありません。基本的に罹患していない子どもだけで粛々と保育園生活は進められます。

そもそも、感染を防ぐためにワクチン接種を勧奨するなどの対策をしているわけでもなく、水疱瘡が流行しているので気をつけてくださいと言われても、何に気をつけていいかまったくわかりません。「子どもはいつか水疱瘡にかかるもの」という前提なのであれば、水疱瘡の子どもでも状態さえ良ければ登園することに支障はないのではないか、という理屈になります。咳をしたり鼻を垂らしたりといった上気道症状をきたしている子どもとかわらないのではないかと。

暴論?失礼しました。

今回、下の子の水疱瘡に関してはワクチンの効果はなかったことは認めざるを得ません(元気なのはワクチンのおかげ?)が、集団感染を予防するにはやはりワクチン接種が一番よい手段だと思います。

なんでみんな接種しないでのんきに水疱瘡なんかにかかるのか、そしてかからせて平気なのか、preventableな疾患を予防しないで手をこまねいているというのが 私には全く理解できません。8~9割の効果しかないとしても、もっとたくさんに人が接種したら、免疫が弱い人たちに感染させて迷惑をかけることもないと思うんですけどね。少なくとも、合併症リスクの高いと言われる1歳未満児が保育園にはいるわけですから、年長の子どもたちがワクチンを接種しておくのは集団生活を送るものとしてのある種の責任だと思いますし、保育園や行政がそれを勧奨することは重要ではないでしょうか。

そもそもワクチンの接種の費用が確か5000円で、2歳以下だと外来医療費が一医療機関200円なので、ワクチンを接種することにあまり経済的メリットがないように見えます。しかし、自己負担が200円というだけで総医療費はたいてい5000円を超えているはずですし、子どもが保育園に行けないことで親が仕事を休まなければならない経済的損失などを考えると医療経済的にはどうか、ということを大局的に考えるべきは親ではなく行政ではないかと思います。場合によっては水疱瘡のワクチン接種に対する助成があってもよいのではないかと思います。あるいは医療費控除として認めるとか。

・・・・・・・・・・・・・大迷惑な水疱瘡に振り回されている週末です。

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12月 09 2011

内視鏡外科学会

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大阪国際会議場で開催された内視鏡外科学会に行ってきました。朝7時45分からのセッションで発表することになっていたので、早朝5時起きで京阪電車に揺られて行きました。朝の電車の寒いこと、寒いこと。ちょうど冷え込みがきつくなった朝のことで、節電のためか暖房が効かず、寒い思いをしました。

私は「ポートの細径化と低侵襲性」というワークショップで発表することになっていました。通常、私の施設では12mmのカメラポート、5mm×2ポート+12mm× 2ポートで大腸癌手術をしています。近年、さらなる低侵襲化を求めて、いくつかの方向性が模索されています。

そのひとつの流れとして、ポートの径をさらに細くしてより低侵襲な(患者さんにやさしい 、という言い方で表現されることが多いです)手術を目指せるか、というテーマでディスカッションするというのが今回のセッションの目的です。

ただ、低侵襲であるということの証明は意外と難しいのです。傷が小さくて整容性に優れているということは感覚的にわかると思いますが、12mmの傷と5mmの傷が3mmと5mmになることでどの程度全身に与える侵襲を軽減できるか、と考えてみると、やっぱり微妙な気がします。

また、その侵襲の程度を比較するとして、どういう項目を測定すれば比較できるか、というのも難しいところです。採血をして、炎症反応が何日継続するかとか、疼痛がどの程度であるかとか、、、炎症反応も、縫合不全でもない限り、通常の腹腔鏡手術においても数日でほぼ正常値に戻りますし、あまり差が出ないのではないかと思います。疼痛も術後鎮痛の方法が異なればまた違ってくるでしょう。硬膜外麻酔をするかどうか、経静脈的にフェンタニルを投与するか、またその濃度、組成をどう設定するかで違ってくるのではないかと思います。いろいろ条件をそろえて比較しなければ、客観的なデータが得られないのではないかということです。

また、ポートの径が細くなっても、結局標本摘出のために1箇所は創を広げることになります。結局その傷の大きさが一番大きく、最大の侵襲箇所となることには変わりありません。

最近、世の中には単孔式の手術も増えてきました。臍のところの1箇所の特殊なポートから数本の鉗子を入れられるようにして、傷ひとつで腹腔鏡の手術をしてしまうのです。低侵襲化のひとつの流れですが、この手術方法だと狭いところから何本も鉗子を入れて操作をするので、 手術はやりにくくなると言われています。

また、NOTES(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)という新たな分野が誕生しています。胃、大腸、膣などから腹腔内にアクセスして行う手術で、体壁に創を残さずに手術を行う技術です。

結局は手術のQualityを維持しつつ(あるいは向上させつつ)低侵襲化できれば良いのでしょうが、その両立はなかなか難しいところです。

それにしてもどんどん新しい道具や手術方法が出現して、私自身、どこまでついていけるかなと思います。患者さんや、内視鏡外科医以外の人々が どこまでこういう我々のこだわりを理解し、期待しているのか、していないのか、我々は考えておく必要があります。

職人としてのこだわりと、研究者としての向上心と、医師としてどれだけ国民の健康に寄与するかというところのバランスを失わないようにしたいと考えています。

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12月 03 2011

かもがわ漢方研究会のご報告

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先週のかもがわ漢方研究会のご報告です。なんと、もう第9回になるんですね。11月27日(土)は、京都が一年で一番混雑するタイミングで、会場に車で来られた方にはご迷惑をおかけしました。

参加者の方々もちょっと遅れつつ、30人以上の参加がありました。 講師の久永先生は筑波大の先生で、今年3月の第6回研究会に来て頂く予定だったのですが、大震災のために来られなくなってしまいました。今回お迎えできてとてもうれしかったのですが、震災の爪痕は今なお深く、研究室の復旧工事もなかなか進んでおられないとか。壁が落ちて床が抜けて研究室がまともに使えないのだそうです。そんな中、京都までお越しいただいてたいへん恐縮です。

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精神疾患に対する漢方の適応についてお話いただきました。西洋薬ですでに標準治療が確立しているもの(統合失調症、感情障害など)に関してはやはり西洋薬で標準治療をするべきで、漢方はあくまでも補助的につかうべきであるというたいへんクリアカットなお話でした。また、西洋薬でまだ標準治療が確立していない場合(全般性不安障害、身体表現性障害など)には 漢方を取材として使用してもよいであろう、ということです。

漢方医学では、傷寒論の時代(約2000年前) には、精神症状が脳に起因するという発想がなかったため、心因性の胸部症状があっても、単に胸部症状として診断治療をするというスタンスになります。

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それから、向精神薬投与時の麻痺性イレウスにはしばしば承気湯が効果的だそうです。精神科の患者さんのイレウスに関してはしばしばコンサルトをいただきますが、私もこれでひどい目にあったことがあります。精神科の先生方がこの種の薬の腸管運動の影響についてよくご認識いただくことは、重篤なイレウスを引き起こさないために重要ではないかと思いました。

向精神薬による巨大結腸症においては、病理学的にアウエルバッハ神経叢の萎縮・神経細胞の減少や空胞変性が認められるのだそうです。 一度そのような器質的変化をきたせば、なかなか元には戻らないことが推測できます。

後半は高齢になった屠蘇散の調合実習でした。まず、薬学部の伊藤先生が生薬の説明をしてくださって、作り方の解説を聞いたあとに、思い思いの調合をはじめます。屠蘇散はあまり、細かく決まった処方があるわけではなく、だいたいこんな感じといういくつかの生薬を好みで配合していきます。

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前もって作っておいていただいた2種類の市販のお屠蘇の試飲もあり、 なかなか「気分の良い」実習でした。ツムラの屠蘇散を作成する機械が壊れてしまい、もうツムラでは屠蘇散を作るのを嵌めてしまったそうです。お屠蘇を正月に飲む風習もなくなりつつあり、商業的にも厳しいのでしょうか。。。

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同じ「屠蘇散」として売られていても、味は何だか全然違いました。しかもこの屠蘇散は食品扱いなので薬ではありません。薬にしか使えない生薬は入れられないのだそうです。

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