Archive for 12月, 2010

12月 29 2010

プログラム変更のお知らせ

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1月28日のシンポジウムですが、当日病院長が東京に出張することになってしまいました。

講演はどうなるのか、といえば何とか東京から帰って来ていただけるとのことですが、講演の順番を後にくり下げる必要が出てきました。ポスターは全部印刷して年明け早々に発送の段取りをしていましたが、プログラムの変更を余儀なくされました。ただ、講演の順番の変更だけなのでこのまま発送しようと思います。(研究費がもったいないので。。。。)

雪などで東海道新幹線の遅れが出ないかなど心配はつきませんが仕方がありません。皆様ご理解のほどお願い申し上げます。

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12月 26 2010

低温熱傷

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NHKの番組で着ることができる毛布というのが紹介されていたので、ついAmzonで購入してしまいました。我が家は小さい子どもがいて危ないので石油ファンヒーターやガスストーブなど効率よく暖かくなるものを使用していません。エアコンと部分的な電気マットだけなので、夜、事務作業をしているととても寒いからです。

フリースのガウンのようなもので、腰から下に関しては電気毛布になっているという構造です。

温かいには温かいのですが、これはヘタをすると低温熱傷になると思いました。温度の感覚が落ちている人(高齢者など)には全く勧められません。こまめに姿勢を変えないと臀部の椅子との接触面が熱いです。

どんな暖房器具にも多かれ少なかれ熱傷のリスクはあるので仕方のないことですが、低温熱傷の恐ろしさは本人が熱いと感じなくても生じることと、低温でこんがりと熱が加わっているためか思いのほか深い熱傷(Ⅲ度熱傷)になるところでしょう。いわゆる携帯式の使い捨てカイロの貼るタイプのものでも低温熱傷がときどき起こります。

治療といえば適切なデブリドメン(壊死組織を除去する)をして適切な創傷被覆材を貼付することですが、しばしば追加のデブリドメンを必要とするので患者さんに最初に十分説明しておかないと、ヤブ医者のように思われるリスクがあります。

私は熱傷とか褥創の治療をするのがとか割と好きなので、デブリも全く苦になりません。必要に応じてさくさく切らせていただきます。デブリのコツは出血するちょっと手前でやめるということです。昔は褥創でも出血するまでデブリするように指導された記憶がありますが、入院中ならともかく帰宅後に出血を見れば患者さんはやはりいい気持ちがしません。入院中であっても、以前褥創のデブリをしていて、予想外の動脈性出血をきたし刺通結紮や電気メスでの焼灼を要したことがあります。

少々残った壊死組織程度であれば自己融解します。(もちろん、必要に応じて電気メスなどの準備をしてでも積極的にデブリを行うこともあります。 )

適切な湿潤療法を行えばかなり広範囲の熱傷でも植皮が必要になることはほとんどないと思います。ただ、熱傷に治癒に際しては深さが重要で、Ⅱ度熱傷では毛根から上皮再生が始まるために早期に治癒しますが、Ⅲ度熱傷では毛根が残っていないので肉芽収縮と周囲の皮膚からの皮膚再生しか治癒が得られないのです。

電気毛布も、貼るタイプの携帯式カイロも、着る毛布も、手軽で温かい便利な暖房器具ではありますが、低温熱傷には皆様十分にお気をつけください。私も自分のおしりの処置はできないので、温度管理に十分気をつけて着る毛布を活用して夜間の活動を行うことにします。

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12月 24 2010

子どもと出勤

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上の子と手をつないで歩けるようになったので、最近は保育園にふたりで歩いて行くようになりました(下の子は父親と先に出勤)。

時間的なことを言えば自転車でサーっと行ってしまうのが効率的なのでしょうが、仕事上、自転車絡みの子どもの怪我を診察することが多く、 なかなか自転車で2人乗り、3人乗りをする気がしません。

「赤は危ないで。」(交差点で信号を見て)

「ここ行く~。」(銀行のスロープを登り、階段を降りる)

「クリスマスツリーやで。みんなのやで。」(店先に飾ってあるクリスマスツリーを見て)

「鴨さんいっぱいやで。」(疎水に鴨がたくさん浮いているのを見て)

「葉っぱの赤ちゃんやで。」(道路の割れ目に小さい目を見つけて)

「あな~。」(道路に小さな穴をみつけて)

毎朝毎朝同じパターンですが、よくしゃべるので面白いです。

「鴨さんなにしてると思う?」と聞くと、

「えーと~、水飲んだはると思うで。」とか、「おにぎり作ってはるで(?!)」とか、それなりに切り替えしてきます。

片言の日本語ではなくかなり流暢に京都弁を話すので、言語習得の過程が面白いです。2歳になって1ヶ月くらいするとそれまでは単語しか話さなかったのに突然3語文を話しだして以降、全く日本語に不自由しなくなりました。

それでも、子どものこだわりには大人には理解出来ないこともあります。いい天気なのに長靴を履きたがり、先日は「赤ずきんがいいの~」と言って赤いレインコートを着て出かけることになりました。

あまり長い時間一緒にいられないので、短い時間でも楽しく話をしながら出勤したい・・・ところですが、慌ただしい朝に、いざ出かけるときになって「自分でボタンするの~」とか「自分で靴下はくの~」とか言い出されるとげんなりしてしまいます。 まだ大人のように上手にできないのに自分でやろうとするので、時間がかかって仕方がありません。手伝おうとすると怒るので待つしかありません。また、なかなかできないと「できない!」と自分で怒って泣き出します。

育児に時間的な効率を求めるのは難しいと思います。仕事とは全く違う時間の流れ方を受容しなければなりません。そのへんの精神修養が出来ていないのでストレスも感じますが、ある日突然ペラペラとしゃべりだしたように突然時間軸が進むこともあるので、成長を楽しみつつ過ごしているところです。

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12月 20 2010

1月28日シンポジウム

1月28日、京大病院臨床第一講堂で公開シンポジウムを開催します。

医療人のワーク・ライフ・バランスと病院のホスピタリティと名づけてみました。

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医療人、というのは聞き慣れないかもしれませんが私の造語ではなく、少なくとも文部科学省が「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」を募集するくらいですから公に使って良い単語なのだと思います。医療に関わる仕事をしている人、という感じに捉えて良いかと思います。

ホスピタリティといえばおもてなし、ということになろうかと思いますが、病院でのおもてなしといえば接遇も大事でしょうがそれなりの医療の質を担保することも必要かと考えています。

シンポジウムも3回目となり、女性医師、勤務医全体の話、そして医療人全体の話と拡大してきました。また、この問題は医療に携わる側の問題というだけではなく、提供する医療やサービスにも関わる重要な問題であるということ、広く社会的な問題であると認識していただきたいという考えでおります。

医学研究科長にごあいさつをいただき、京大病院長にご講演いただくという目標を達成できますので、京都大学の医学部・医学研究科、附属病院のひとつの方向性が示せるかなと思っております。

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12月 12 2010

iのある生活

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iPadを購入しました。周りにはまだあまり持っている人はいません。世間的に言われているほどすごいものなのかどうか見てみたいと思いました。

正直言えばMacBookAirが出てしまったので、ちょっとそのすごさが半減してしまったような気もしますが、M-learning (mobile-learning)のツールとして興味があり、その可能性について考えているところです。

機動性についてはそれなりにかさばるので、もう少し薄くなるといいかなと思います。画面サイズとしては新聞を読んだり、論文を呼んだりするのにこれ以上小さくすると不便になると思います。

アメリカ製の白衣のポケットにはこのiPadが入るという噂を聞いたので、一応買ってみました。正確にはアメリカのブランドでベトナム製でしたが、確かにポケットに入ります。ただ、本当にきちきちなのと、ちょうど太もも辺りに当たるので歩きにくいかもしれませんし、机などにぶつけるかもしれません。

また、ケースですがハードケースに入れていしまうとなかなか出し入れが面倒です。私は大サイズのジップロックに入れて持ち運んでいます。あまりにカッコ悪くて評判は悪いのですが、防水性もあり、やろうと思えばお風呂にも持って入れます。

医療系のアプリで満足できるものは今のところありません。解剖のアトラスは高いのでまだ買っていません。安いアプリはやはり安かろう悪かろうでした。手術解剖のアトラスを3Dで見ることができるようになれば勉強になると思っています。今のところそういうものを見つけることができません。なければ自分で作らなければならないのでしょうか。

動画などを入れておいても良いかもしれません。手技の手順など、細切れの時間を利用して勉強するにはいいかなと考えています。そう、まとまった時間の取りにくい女性医師の教育・研修ツールに良いのではないかと思ったのです。

ただ、問題は病院で無線LANが使えないことです。学内でも無線LANが使えるところは限定されているのですが、病院地区はまだ全くダメです。

ツールがどんなに進化しても、インフラがついてこないとダメですね。私は3Gが付いていないiPadを購入したので無線LAN環境がないとiPadの便利さが著しく減るように思います。海外ではもっと無線LANが発達しているんではないでしょうか。特に大学などでは。

結局e-mobileのモバイルWiFiルーターを買ってしまいました。ただ、これがまだうまくつながらないのでまだまだ私のモバイル環境は完成していません。

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12月 08 2010

ランチタイムカンファランス報告

本日、京大病院臨床研修センターで「ランチタイムカンファランス~女性医師のキャリアプランを考える~」を開催しました。この企画は元々秋田大学で行われたイベントの話を聞いて、私が京大病院でもやってみたいと臨床研修センターに企画を持ち込んだものです。

医学部生、大学院生、病院勤務の医員・助教など合計22名が参加してなかなか盛況な会になりました。当NPO法人もお菓子の差し入れをしました。

最初はなかなか人が集まらないだろうし、何か話題提供でもしようと私が15分くらいのプレゼンをしました。改正男女雇用機会均等法や改正育児・介護休業法について少し紹介し、京大病院で実施した2回のアンケート調査の報告などをしました。

また、全く私見ですが、最初の5年が重要なので、この時期は仕事に専念したほうがよいだろうと、できればこの時期の妊娠は避けたほうが良いのではないかということもあえて言い添えておきました。少なくとも男性とは違った戦略を持つべきで、そのへんが伝わっていればいいのですが。


そうこうするうちに人が集まり、残りの時間は3つのグループに分かれて意見交換をしました。医学生やこれから研修を始めるというような人にはまだイメージがつかめないようでしたが、先輩女性医師がどのようなところに悩んでいるか、挫折や壁などについて雰囲気は分かってもらえたのではないかと思います。育児と仕事の両立に日々悩む先輩医師たちも、意見交換できました。

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(研修医がシミュレーターなどを使ってトレーニングするための部屋なので、シミュレーション用の人形が 何体か置かれています。壁側のベッドに寝ているのも人形です。ちょっと変な光景ですが。)

12時から13時までの予定でしたが、どのグループもかなり盛り上がった会になりました。女性はおしゃべりだとよく言われますが、ほとんど初対面でアルコールもなしにもかかわらず、かなり盛り上がっていました。このコミュニケーション能力の高さは必ずや臨床でも生かされるものと思います。

残念に思うのは、各診療科があまり協力的ではなかったということです。先輩女性医師の派遣を各診療科に文書で依頼したのですが、私が直接教授秘書室に行ってお願いするなど個人的に依頼した診療科以外からは来ていただけませんでした。ひとつひとつ実績を積み上げてお願いしていくしかないのかな、と思っています。

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12月 01 2010

救急外来受診・・・寸前でした

保育園に持っていくものにはすべて名前を書かなければならないのですが、紙オムツにも1枚1枚書かなければなりません。もちろん布オムツの手間を考えればそんなことは大した問題ではありませんが、保育園の個人用の引き出しに切らさないよう用意しておく必要があります。

一昨日の夕食後、少し時間があったのでマジックペンで紙オムツに子どもの名前を書いていました。 その後台所の片付けをしていると、我が家の1歳児がマジックペンを持ってそのへんに落書きをしているのが視界に入りました。油性ペンなので落書きも問題なのですが、さらに大きな問題はキャップが外れているということです。

マジックペン自体はすぐに取り上げたので落書きの被害は微々たるものでしたが、キャップが行方不明!大騒ぎで家中を探し回りました。

小一時間探しても見つからないので、これはどこかでレントゲンを撮ってもらう必要があるという結論に達しつつ、それでも何とか見つからないかと気ばかり焦ってしまいました。当の本人はケラケラ笑いながら元気に家中を闊歩しています。少なくとも気道閉塞はなく、飲み込んだとすれば消化管のどこかにあるはずです。

キャップはプラスチック製であり、尖っていたり腐食したりするものではありません。便に出てくるまで経過観察が基本かなと思いましたが、腸管について考えてみると、1歳児の腸管、特に小腸から大腸に入るところのバウヒン弁を通過可能なのかどうなのか・・・久しく小児の腸管を見ていないので太さの感覚がどうも思い出せず、救急病院を受診したほうがいいのではないかと思いつきました。さっそく電話をかけました。「1才の子どもがマジックペンのキャップを飲み込んだかもしれないんです。」おそらく救急の事務が電話対応してくれましたが、「出るまで待つしかないと思います。小さいのでレントゲンを撮れるかどうかもわかりませんし。」

こちらも自分の不注意のせいと思うと頭が混乱してきました。「プラスチックなんですけど、レントゲンに写ります?それに、子どもの腸管を通過できる大きさなんでしょうか。1歳児のバウヒン弁とか通りますかね?」

バウヒン弁にきのこの傘がはまり込んで腸閉塞になったという症例を知り合いのドクターから聞いたことがあります。きのこがはまるならキャップもはまるかもしれません。バウヒン弁、バウヒン弁と連呼している私に夫が一言、「食道にはまっているってこともあるんじゃない」。

食道にはまっていれば違和感が強くてそんなに機嫌よく遊んでもいられないでしょうが、可能性はあります。上部消化管に停滞している間にカメラで取ったほうがいいのかも、 小腸なんかで詰まったら開腹手術だし、、、さらに色々な雑念が頭をよぎります。

「お待ちいただかなければならないと思いますが、今から来て下さい」

もう寝る時間ですが、そんなことも言っていられません。タクシーを電話で呼び出して、 出かける準備をしました。夫が子どもたちの服を入れているかごをゴソゴソと探しています。

「あった。」

子どもの毛糸の帽子の中にキャップが入っていました。子どもの手の届くところではないのでなぜそんなところに入っているのか経緯はいまだに謎ですが、おそらくはキャップがないと思い込んで焦った私が無意識に床に落ちていた帽子を片付けてしまったのだと思われます(中にキャップが入っているのに気づかずに)。

タクシーと病院を両方キャンセルして一件落着です。親たちが必死で捜し物をしているのに、子どもたちは元気に遊びまわっていました。私はへなへなと脱力してしまいました。

自分が消化管異物に対してあまりにも無知であったことを反省しました。しかも、食道の次はバウヒン弁に行く前に幽門で引っかって胃内に停滞しますね。つまり、引っかかる場所としては食道の生理的狭窄部か幽門かバウヒン弁の3つを考慮すべきでした。

私が研修医の時に救急外来をやっていて、「子どもが玉砂利を鼻の穴に突っ込んだかもしれない」というケースがありました。レントゲンを撮っても映っていなかったので「突っ込んでいなかった」事を示して安心してお帰りいただくことができましたが、「かもしれない」という不確実性な事態に自分が駆りだされることに内心少々苛立ちを感じていました。何じゃそりゃ、それくらい親が見張っているべきではないかと。

今から思えばそれは極めて難しい注文でした。子どもは想定外の行動をとるので玉砂利を鼻の穴に突っ込んだり、マジックペンのキャップを飲み込んだりする可能性があるということです。親の注意力にも限界があり、診察する側としてはそれを受容しなければならないと思い至りました。年を経て、経験しなければ気がつかないこともあるものです。

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