7月 03 2010
第4回かもがわ漢方研究会報告
本日、第4回かもがわ漢方研究会を開催しました。大雨にもかかわらず、20名程度の参加があり、なかなか盛会でした。
秋田大学より皮膚科の蓮沼直子先生をお招きしてご講演をいただきました。いかゆみを伴う皮膚疾患、抗癌剤投与時の副作用であるhand-foot syndromeに対する処方例につき詳しくご説明をいただきました。
分子標的薬スニチニブによるhand-foot syndromeに対し、桂枝茯苓丸と柴苓湯の処方が効果的であったという症例を提示されました。
スニチニブを私が患者さんに処方することはありませんが、他の抗癌剤でもhand-foot syndromeを起こすことはありますので、応用可能かもしれません。
次に休憩を挟んで京大薬学部の伊藤美千穂先生より桂枝茯苓丸や補中益気湯に含まれる生薬の解説をしていただきました。クリアな説明は分かりやすくて参加された先生方にも公表だったようです。また、フィールドワークで桂皮の産地であるベトナムを訪問された時の写真をたくさん見せていただいて、生薬のトレーサビリティを果たした気分になりました。途中で桂枝茯苓丸と補中益気湯の試飲もしました。
生薬は農産物なのでどうしても質の均一性などが問題になります。個人的には栽培時の農薬なども気になるのですが、漢方薬に含まれる生薬がどこでどのように生産されているのかというのはなかなか確認することができません。 伊藤先生に質問したところ、質の均一性を担保するために、あちこちの産地から取れた材料を混ぜてしまうのでトレーサビリティはなかなか厳しいようです。
また、ツムラのエキス剤がほとんど1包7.5グラムになっている理由が判明しました。生薬のエキス成分が厚生労働省で定められた量になるようにした上で、何とか飲みやすい味にするために乳糖を加えてちょうど7.5グラムにしているのだそうです。従って、どうしてもまずくて飲めない、7.5グラムではまだ乳糖が足りない処方についてはさらに加えて全体を9グラムにしているものもあるそうです。
次回は11月頃を予定しています。屠蘇散を作ろうかという企画もあります。企画が盛り沢山で時間がかなりタイトになるのですが、ディスカッションの時間もとっていきたいと思います。
