10月
30
2009
知り合いのドクターがインフルエンザにかかりました。 一昨日会って話をしたのでその時点で感染力があったとすれば私もかかる可能性があります。
インフルエンザワクチンの効果があらわれるまで約2週間くらいかかるそうですから、新型インフルエンザワクチンを26日(月)に接種したばかりの私もまだ免疫ができていないことになります。
インフルエンザの潜伏期間は1~2日、最長で7日くらいですから、私の場合来週中ごろまで発症しなければまず大丈夫だと思います。そのころにはぼちぼちワクチンの効果も出てくるでしょう。
それにしても、日本での新型インフルエンザのワクチン接種開始もせめて全体に2週間早ければよかったのに、と思います。いつもの年は1月とか2月にインフルエンザが流行するのでワクチンを10月末か11月中に接種するようになっています。本格的な流行の前に接種しておくのがよいのです。
新型インフルエンザはもはや大流行しており、そろそろピークに達するのではないかと見る向きもあります。先に流行した北海道で患者が減少しつつあります。
年齢別発生頻度をみると、20代以上から極端に発病率が低くなっているので、20代以上は何らかの免疫をH1N1ウイルスに対して持っているという仮説もあります。私も今までインフルエンザにかかったりワクチンを接種したりしてきましたので、インフルエンザにはある程度免疫を持っていると達観して日々淡々と過ごそうと思います。
10月
29
2009
インフルエンザが子どもたちの間で大流行し、基礎疾患のない元気な子供の死亡例も出ています。あっという間に症状が進行して亡くなってしまって抗ウィルス剤の投与も間に合わなかった例もあります。
この時期、子どもはしょっちゅう風邪をひきますから風邪の初期症状だけでわざわざ病院を受診するなんてことになると医療機関はパンクします(すでに休日診療所などはパンクしつつあるようです)。
子どもは基礎疾患がなくても大人並の体力がないことと、集団生活をしていて大人同士よりも子ども同士の接触が濃密だから新型インフルエンザが大流行しているのでしょうか。
ところで、厚生労働省は23日、医療従事者約2万人を対象にした新型インフルエンザワクチンの副作用調査で、4人に一時的な歩行困難など入院相当の異常が見られたと発表しています。
医療従事者はほぼ健康な成人とみなしていいと思うので、これから妊婦や小児、基礎疾患のある患者にワクチンの接種をしていくと少なくとも0.02%の確率で(あるいはそれ以上に)そこそこ重い副反応が出る可能性があるということです。
医療従事者はある意味「新型インフルエンザの臨床試験」の役割を果たしたかもしれません。
私は今週新型インフルエンザワクチンを接種しましたが、特に変わったことはなかったように思います。なんかけだるいような気がしましたが、ただの寝不足かもしれませんし、よくわかりませんでした。
また、インフルエンザワクチンは鶏卵を材料に作られるので卵アレルギーの人はワクチンを接種することができない、または程度によって厳重な監視の下で摂取することになろうかと思います。卵アレルギーの子どもはときどきおり、食べ物のアレルギーでは一番多いと思います。
生たまごやプリンや茶わん蒸しなどもろに卵という料理が食べられなくとも、加工品に少し含まれている程度の卵が問題なく食べられているようならインフルエンザワクチンもまず問題ないという先生もおられます(食べもののアレルギーにもランクというかレベルがあるようで)。小児科のアレルギーやワクチンに詳しい医師に相談して、子どもにワクチン接種するかどうか判断するのがよいでしょう。
副作用とワクチンの効果というリスクと利益を天秤にかけるとき、科学的に理論的に考えて判断することが重要です。副作用を生理的に嫌うあまりインフルエンザに罹患した時のリスクを軽視するのもよくありません(結構こういう人が多いと思うのですが)。日本はインフルエンザ治療薬は十分にあるのに予防のためのワクチンが不足しているという変な国です。疾病予防という概念が国民(あるいは政府?)の健康観から失われているのではないかと危惧しています。
10月
27
2009
昨日、京都大学女性研究者支援センターにおける就労形態WG会議に出席してきました。私は就労形態WGの推進員をしております。
京都大学でも男女共同参画推進アクション・プランというのを打ち上げて男女共同参画を進めるぞ!という意気込みを示しています。ただ、どれだけ実効性が伴うのかはまだわかりませんので、今後ウォッチしていこうと思います。
今まで、男女共同参画というと女性教職員の支援、特に育児支援のような感じでしたが、この高齢社会を反映して、「介護」も重要な問題になってきています。
親の介護をするために休学ないし退学を考えている学生すらいるというのです。もちろん教職員でも介護と仕事の両立に悩む人はいるでしょう。
完全に研究や就業をオフにしてしまうのではなく、部分休業のような形で細々とでも継続していき、いずれ再開する可能性を残せるような体制作りが必要です。
ただ、京都大学独自に決められることと、文科省などとの調整が必要なことがあります。また、せっかく体制ができても、広報が不十分だと利用してもらえませんので、広報も重要です。
私が日々実感するのは、京都大学の教職員といえども、さまざまな雇用形態の人がいるということです。利用できる休暇や支援内容、サービスなどにも差があります。自分がどういう立場で雇用されているかということを知るために就業規則などを見るのも大事だと思うのですが、なかなかそこまで細かくチェックしている人は少ないと思います。
・・・会議に出席したために午後の業務まで時間がなくなり、昼食を食べ損ねてしまいました。実は私も部分休業で短時間勤務をしていますので、限られた時間内で仕事をなんとかこなそうと日々努力しています。
10月
22
2009
新型インフルエンザワクチン接種に関して、厚労省案で「優先接種対象となる医療従事者」の範囲を「新型インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者」から他の職種(受付・事務職など)にまで対象を拡大した結果、接種希望人数が予定ワクチン量より大幅に上回っています。
もちろん医者であっても直接インフルエンザ患者に接する可能性が低いこともあります。むしろ受付係のほうがリスクは高いかもしれません。 でも事務員はほとんど患者と接しません。。
京都府でも予定ワクチン配付量の2倍以上の希望があるそうです。そもそも、厚労省は医療従事者の定義とその数の見積もりをまともにやっていなかったんじゃないでしょうか。
厚労省はハイリスク患者や妊婦への接種が遅れることを危惧し、ワクチン優先接種対象として想定している医療従事者を絞り込むことを指示しました。
つまり、医療従事者の中でも妊婦や基礎疾患を有する者より優先度が高い、限定された者に対してのみワクチンを接種するべきであるということです。
既に医療従事者向け接種が開始になっていますから、医療現場の混乱は避けられません。厚労省自体が混乱しています。
また、10月20日に医療従事者対象のワクチン接種は1回とすることが決定されました。それにともない、当初医療従事者への2回目の接種に充てられる予定となっていた10月20日出荷分のワクチンが、次のカテゴリーである妊婦・基礎疾患を有する患者への接種へ回されることとなりました。
京大病院でも来週から接種が始まります。割り当ては約1000人分だそうです。ちなみに京大病院には医者だけで600人以上います。 どれくらいの人が希望するかはわかりませんが、コメディカルも含めると足りないのではないでしょうか。
直接インフルエンザ患者に接触しない診療科の医師であっても、アルバイト先や家族やそのほかさまざまなところからインフルエンザをもらってくる可能性があります。ハイリスク患者を受け持っていて、たまたま運悪くうつしてしまう可能性もあります。医者はちょっと風邪をひいたくらいでは休めませんから、風邪と思っているうちにインフルエンザウィルスをばらまいてしまうかもしれません。
一歳未満の子供の親、というのもいずれは接種の対象になりますから、その理屈でいけばハイリスク患者を受け持っている医師だって接種の対象になってしかるべきだと思うのですが・・・
限られた医療材料をどう効果的に使うか?これは大きな問題です。今まで日本では医療は際限なく与えられるべきものと根拠なく考えられていました。薬にもお金にも設備にもマンパワーにも限りがあるということを日本人はもっと認識すべきです。
今回のワクチン騒動はその一端だと思います。
10月
20
2009
医療従事者向けに新型インフルエンザのワクチン接種が始まりました。私はまだです。京大病院で季節性のインフルエンザの希望者を募っていたので応募しておきましたが、新型についてはまだ連絡がありません。
さて、本日私の知り合いの麻酔科医(京都市内他院勤務)が季節性と新型の両方のワクチンを早速接種してきたというのでインタビューしてみました。
「どう?」
「左と右と両方刺されたから2回痛かった。体がだるいような張るような感じもする。気のせいかもしれないけど。」
「どっちのワクチンをどっち側に注射したの?」
「新型が右」
「他の人たちに先んじて注射した気分は?」
「ちょっと得した感じ」
そのドクターは麻酔科医なので直接インフルエンザ患者を診療するわけではないのですが、やはり日常的に病院に出入りするということで一般の人よりはインフルエンザ患者に接触する可能性が高いということと、 麻酔科医が数日インフルエンザで勤務できない状態になると病院の手術にも影響が出るかもしれないということ(ただでさえ人手不足です)、患者さんに感染させてはならない(術後は免疫が一時的に低下しますし)ことなどからやはり接種対象者ということになるのでしょう。
今、かなり新型インフルエンザが流行しています。寒くなるとさらに季節性インフルエンザも流行するでしょう。
10月
19
2009
とうとうこちらにも影響が出てきました。政権交代により、来るのではないかと思っていた研究予算の縮小!
平成22年度科学研究費補助金の新規募集課題のうち、「新学術領域研究(研究課題提案型)」及び「若手研究(S)」の新規募集課題の公募が停止になったという通知が来ました。
あちこちにしわ寄せが来るものです。税収が減る中、予算をどんどん増やすわけにはいかないというのはわからなくもないですが、研究費が削られるのはちょっと厳しいです。
10月
15
2009
第2回かもがわ漢方研究会の詳細をお知らせします。
対象は医師及び今後漢方を研究対象にしてみたいという研究者(文系・理系問わず)ということでお願いします。
日時 平成21年 11月14日 (土) 14:00~15:30
場所 芝蘭会館別館
司会 京都大学医学部附属病院 消化管外科 大越香江
講演 (14:00~15:00)
『 外 科 医 と 漢 方 』
朝日大学歯学部附属村上記念病院外科 門川 佳央
① 漢方について、今なぜ漢方か?
② 消化管手術後の漢方治療
③ 術後補助化学療法と漢方治療
④ 当院での内痔核治療におけるALTA(ジオン注)と乙字湯の併用療法
フリーディスカッション (15:00~15:30)
“今後の漢方研究の展望 ―漢方EBM確立を目指して―”
「漢方に興味はあるけれど、実際に処方するきっかけがない。」「漢方が本当に効くのか実のところ疑わしく思っている。」そんな医師の方々に漢方の扉を叩いていただく機会にしたいと思っています。
今回、実際の処方や診療についてのざっくばらんな講演に加えて(私の後輩であり、「京都の医療を考える若手医師の会」のメンバーでもある門川医師が話をしてくれますので、かなりくだけた分かりやすい内容になると思っています)今後の漢方研究の展望についてディスカッションをしたいと考えています。
漢方薬のエビデンスを求める医師に加えて、様々な視点から漢方に関する共同研究をしてみたいという他分野の研究者の方々にもぜひご参加いただきたく思います。参加ご希望の方はinfo@kyoto-wakateishi.comまでご連絡ください。
10月
11
2009
手術は全身麻酔のときとそうでないときがあります。
全身麻酔でなければ、脊椎麻酔や局所麻酔のように患者さんの意識が保たれた状態で手術をすることになります。我々は「患者さんがawake(起きている)」という言い方をします。
患者さんがawakeだと、 耳が聞こえているのでこちらも話をするのに気を遣います。
「あっ。」「しまった。」「まずい。」
などというセリフはご法度です。患者さんが不安に思います。でも、こういうセリフは無意識に口から出るものですからなかなかコントロールするのは難しいです。
また、全身麻酔の手術の場合、手術時間が長いということもありますが、途中で雑談めいた会話をすることがあります。もちろん重要な局面ではみんな緊張感がみなぎっているので無口になり、必要最小限のことしか話しませんが、山場を過ぎると空気が少し柔らかくなります。リラックスした会話をすることになります。
(不謹慎と思わないでいただきたいのですが、人間が本当に集中できる時間は限られており、緊張とリラックスを繰り返しつつ集中力を保つのだと思います)
患者さんがawakeだとそういうリラックスした会話がしにくいので、黙々と手術をすることになります。また、指導医が下級医に指導するのも気を遣います。露骨にダメ出しできないからです。
虫垂炎の手術も腰椎麻酔ですることが多いので、患者さんはawakeです(小児や腹膜炎がひどいときは最初から全身麻酔ですが)。小さな切開で手術をするので、虫垂がなかなか見つからないときがあります。そんなとき、心の中で「どこだ、どこだ」と思いながら黙々と探します。不安とか、焦りといった心の声を外に出せないのは医者にとって少しストレスです。
でも、そんな声を聞かされる患者さんはもっとストレスだと思うので、医者はなるべく自分のネガティブな気持をコントロールしなければなりません。
10月
07
2009
近所のスーパーで新鮮なアジを見つけたので家でムニエルにでもしようと買うことにしました。
私は魚をさばくことができないので、スーパーの鮮魚係の人に頼んで三枚におろしてもらいました。
外科医なのに変ですね、と医者でない人からはよく言われます。外科医なら素晴らしいメスさばきならぬ包丁さばきで魚を扱えるのではないかと思われるようですが、まったくそんなことはありません。最近の若い人(?)の例にもれず、魚をさばくことができません。
鮮魚係の人に三枚におろしてもらったアジの切り身は思いのほか小さくなってしまいました。もっと魚を食べる機会を増やすためには自分で魚を処理できたほうがよいと思うのですが・・・
10月
03
2009
家人の昨日からの高熱が遷延しているので付き添って救急外来に行ってきました。今まで自分が救急外来で診る立場であることが多かったわけですが、いざ受診するほうになると全く視点が異なります。
自分が救急外来をしていると、
「何故、この時間にあえてやってくるのか?」
と思うような場面がしばしばあります。
2か月前から腰が痛い・・・これはちょっと論外か。
2日前から水虫がかゆい・・・これも救急とは言い難い。
夜中に子どもがインスタントラーメンをこぼしてやけどした・・・なぜこんな時間に子どもが起きている?
今朝からお腹が痛くて、夕方になっても治らない、心配になったので受診した・・・腹痛の程度によっては救急かな。
夕方になると心配になる
これは確かにそうです。結局今回私どもも夕方になって受診するという申し訳ないこと(事情を知っているものとして)をしてしまいました。
検査や処置、ときによっては手術が必要になるような場合、やはりマンパワーの問題で夕方よりは朝か昼のほうがスムーズに事を運びやすいからです。
すみません、すみません。それなのに夕方に救急外来を受診してしまいました。昨日の朝からの発熱ですから、受診は昨日の日中、今日の日中、あるいは明日の朝まで様子を見て、という3つのタイミングが考えられるわけです。
(インフルエンザだと発熱後少なくとも12時間は経たないと検査をしてもわからないので昨日受診していたとしてもあまり意味がなかったかもしれませんが)
結局インフルエンザではありませんでした。
医者でも自分や家族のことになると判断が鈍るものです。私もまだまだ修行が足りません。誰か私を叱ってください。