Archive for 7月, 2009

7月 31 2009

乳癌検診無料受診券配布

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京都市は子宮頸癌・乳癌検診に関する支援として下記の事業を実施します。

(1)子宮頸癌・乳癌検診の無料受診券の配布

平成20年4月1日~21年3月31日に以下の年齢になった京都市内在住者対象に、市の癌検診で利用できる受診券を郵送します。

【子宮頸癌】20・25・30・35・40歳

【乳癌検診】40・45・50・55・60歳

(2)乳癌検診の実施機関の拡大

東山保健所と巡回検診車で実施していた乳癌検診が10月1日より指定の医療機関で受診可能になります。

(1)については、厚生労働省のHPによれば、
国の平成21年度補正予算において、未来への投資につながる子育て支援の一環として、一定年齢の方を対象に、女性特有のがん検診(子宮がん検診、乳がん検診)の「がん検診無料クーポン」と、がんについてわかりやすく解説した「検診手帳」が配布されることになりました。
ということなので、京都市独自の事業ではないのですが・・・

(それにしても子育て支援の一環として子宮癌検診と乳癌検診の無料券がもらえるというのがちょっとよくわかりません)

さて、楽しみなのはこの無料券を利用して何割くらいの人が受診するかということです。

無料になると受診率はどれくらい増えるのかたいへん興味深いです。さらに京都市においては集団検診に加えて個別検診が始まるわけで、自分の都合の良い時に都合のよい医療機関で乳癌検診を受診できることになります。

さらに楽しみなのは、平成21年度の補正予算でこの事業が行われるのですから、22年度以降はどうなるのだろうということです。

こうなると職域検診の位置づけは難しくなりますね。いつもは職域検診を受診している人も、この無料券をもらったら市の検診を受けるのでしょうか。

・・・・実は私のもとにも子宮頸癌検診の無料券が届きました。指定の医療機関で受診できるようです。

私の受診行動がどうなるか、といえば・・

今年はすでに受診してしまっていたので、年が明けて時間があれば受診しようかな、という感じです。

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7月 28 2009

多様な正社員

今日テレビをふと見ると、癌患者さんはそれまで勤めていた仕事を継続することが困難になるというテーマの番組をやっていました。

雇用形態を正社員から契約社員に変更せざるをえなくなったり、あからさまな退職勧告を受けたりすることがあるというのです。

入院して抗癌剤治療や手術を受けて退院した後も、しばらく家で静養したり外来に定期的に通わなくてはならなかったりすることで、なかなかそれまでと同じような勤務ができないためです。もちろん、体の調子も病気になる前よりは不安定だということもあるでしょう。

そういう人のバックアップ体制が小規模の企業ではなかなか難しいということです。週に5日ではなく、3日勤務にするとか、1日8時間ではなく6時間とか時短制を導入するとかそういう勤め方をする正社員というものを想定していないのです。

経済情勢が厳しいご時世ですから企業としてはフルタイム「使える」社員を望むという経済的な事情に加えて、私には周りの「想像力の欠如」があるのではないかと思います。短い時間しか働けない人のバックアップをすることに不満を持つ同僚がいるでしょうから。やむを得ないところもあるでしょうが・・・

どこかで聞いたような話です。

女性医師が勤務を継続しがたい現状とよく似ています。

時短とか、週3日勤務などの勤務形態をとる社員に対し、給与面でフルタイムの社員と差をつけつつも、あくまでも正社員として扱うということは重要ではないでしょうか。

健康保険・厚生年金などの福利厚生を確保し、またいずれはフルタイムに戻れる可能性を残すというような多様な正社員のあり方を提案することは女性だけを利するものではないということです。

いつ自分が病気になったり怪我をしたり、妊娠したり出産したりするか、あるいは育児や看護や介護の必要が出てくるか、誰にもわかりません。「ワーク」という経済的・社会的基盤を維持しつつ「ライフ」という自分を中心とした個人的な部分も守っていけるような社会になってほしいと思います。

雇用の問題(法律の問題?)でもあり、人の心(想像力とか共感というもの)の問題でもあります。

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7月 23 2009

インフルエンザの影響

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最近忘れられている感がありますが、新型インフルエンザは静かに浸透しています。

京都府内で累計170例、 京都市内で75例です。

1日に何例も報告されるようになると人間の感覚は麻痺していくものです。最初の1例が報告されたときはあんなに大騒ぎをしたのに。

京都大学でも3例目の発生が確認されました。

京都市立病院では発熱外来で医師や看護師が診療に従事するために一般救急患者の受け入れを一時休止したことと、一般患者が受診を敬遠したため、病院の5月の診療収入が、4月と比べて1億円近くも減ったそうです。平成23年度からの地方独立行政法人への移行と累積赤字の平成22年度までの解消という病院改革に影響を及ぼしかねません。

冬のオーストラリアでは新型インフルエンザ感染者は1万4千人を超え、死者は41人となっています。日本の人口の集中度を考えると、オーストラリアよりもひどい状態になる可能性は否定できません。今年の冬にむけて備えに備えておく必要があるでしょう。

さっさと選挙を終えて、自民党でも民主党でもどちらでもよいのでちゃんとしたインフルエンザ対策を進めていただきたいものです。

次の厚生労働大臣は医者をやったことがある人のほうが良いのではないかと思います。とりあえずこの冬を乗り切るまでは。

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7月 22 2009

症例報告の論文

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去年6月13日に投稿した乳癌の症例に関する論文がようやくacceptされることになりました。1年以上かかってようやくです。

Natureだ、Cellだというような雑誌に投稿するようなものではなく、ささやかな症例報告だったのですが、

(1)学会発表(2007年6月)

(2)論文投稿(2008年6月)

(3)revise(査読者による査読後書き直し)

(4)再投稿(2008年10月)

(5)・・・9か月ほど音沙汰なく

(6)accept(2009年7月)

で、最初の学会発表からは2年、初投稿から1年以上経過しました。

昨日編集担当者から突如メールがあって、参考文献について48時間以内に確認して訂正があれば訂正せよと言ってきたのであわてました。しかも英語だったのでそういう解釈でよいのか?一抹の不安も感じました。

なぜか論文の最終チェックというのは「48時間以内に」と指定されることが多いのでそのたびに焦ります。

48時間メールを見ない可能性もありますし、外国からのメールだと時差の関係でこちらが夜寝ている間にメールが来ていて、朝見てみるとすでに半日近く経過しているなどということもあります。

ともかく昨夜のうちにそのメールを見つけた私はあわてて英文校正をいつもお願いするnativeの研究者に相談して今朝のうちに解決しました。

小さな症例報告ですが、英語が苦手な私には英文で書くというだけでかなりの労力を要しました。ようやく日の目を見そうでうれしいです。

一例報告の論文は科学的ではないという人もいますが、珍しい疾患やまれな経過を経た症例を拾い上げて報告していくことは必要なことだと思っています。一生医者をしていても出会うか出会わないかというような珍しい症例を診た時、やはり頼るのは過去の報告です。そして同様の症例が何例か蓄積されていくことで今後の医学が進歩していくのだと思います。

教科書やガイドラインには載っていないような処置・判断を迫られるとき、一人の医師やその周囲の同僚・指導医の知識や経験・技術では対応しきれないことがあるのはやむを得ないのではないでしょうか。

緊急事態ではなかなか難しいですが、時間的余裕があれば過去の症例報告を調べることで治療の参考になるかもしれません。情報の共有のためには情報を発信しなければならないと信じています。

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7月 16 2009

祇園祭とインフルエンザ

Published by under 京の行事,感染対策

京都は祇園祭です。今日は16日で宵山、あす17日は山鉾巡行と多くの人出でにぎわうでしょう。

さて、京都市の新型インフルエンザは昨日時点で43例目が確認され、京都府全体では100例を超えました。

今後は発熱外来受診ではなく、直接かかりつけなどの医療機関に電話した上で受診できることになります。
発熱患者が受診を待つ場所を仕切りで分けたり、診療時間を別に設定したりするることで一般患者との接触を減らすような対応をしていくことになるそうです。

疫病退散を願う御霊会に始まった祇園祭ですが、新型インフルエンザのほうはなかなか退散してくれないようです。季節性インフルエンザのほうは夏の暑さとともに(?)発生しなくなってきたようですが、新型インフルエンザは静かに着々と増えています。

爆発的に増加しないので逆に不気味です。
今のところ死亡例が出ていないのでマスコミも静かですが、一例でも国内死亡症例が出ればまた大騒ぎになるのではないでしょうか。

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7月 15 2009

妊婦と女性のボディーイメージについて

Published by under 妊娠・出産・育児

最近、妊娠中の女性がマタニティヌードの写真を撮るのがはやっているという特集をTV番組で見かけました。

女性歌手が自分のマタニティヌードをアルバムのジャケットに使ったのがきっかけということでした。

私は古い人間なのか、「わざわざヌードにならなくても」と思ってしまいますが、妊娠中の写真を残しておくこと自体は記念になってよいかなと思います。少子化の今日、一生のうちの妊娠期間、特にお腹が大きい期間というのはごくごく限られた時間です。

別に隠すことでもないし、そういうスタイルを楽しむ心の余裕があったほうがお腹の子どものためにもよいでしょう。ただでさえお腹が重くて動きにくかったり、腰痛になったり、痔ができたり下肢静脈瘤になったりいろいろなトラブルを抱えやすい時期です。

生まれてきた子どもに、その子がお腹にいた時の母親の写真を見せながらその時の話(苦労話?)をするのは楽しいことかもしれません。

妊婦服も、わざわざお腹の目立たないデザインにしなくてもよいのに、と思ってしまいます(お腹が目立ちません、というのを売りにしているものも結構あるようですので)。

女性のボディーイメージに関する価値観が、どうも「痩せている」状態を良しとするほうに偏っているのではないかと思います。だからこそ痩せすぎのモデルがもてはやされて問題になったり、健康に悪そうなダイエット法が流行したり、栄養不足になる若い女性がいたりするのではないでしょうか。妊娠しても、体重はなるべく増えないほうがいいし、出産後はすみやかにダイエットして細身の体に戻したくなる・・・テレビで産後の女優が復帰するときはいかに「子どもを産んだとは思えない」状態に「すみやかに」戻っているかが強調されます。

最近の低出生体重児の増加は妊娠可能な年齢の女性が誤ったダイエットなどのために痩せすぎ、低栄養状態にあることも一因と言われています。妊娠が判明する前の妊娠初期の低栄養状態も胎児の発育にはよくないのです。

必要な栄養素を取らなければ、肌や髪は美しくなくなるし、骨粗鬆症になって「病的な老化」につながっていく可能性もあります。

私も自分の腹筋が見えるとうれしくなる人種なので自省を込めて申しますが、健康体重と美容体重の差はもう少し小さいほうがよいと思います。

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7月 13 2009

改正臓器移植法

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本日、改正臓器移植法(A案)が参議院本会議で可決し、成立しました。
「脳死は一般的に人の死」と位置付け、臓器提供の年齢制限を撤廃、本人が生前に拒否表明していなければ家族の同意で可能になります。また、今までできなかった15歳未満の子どもからの臓器提供ができるようになりました。

もともとの臓器移植法では臓器提供の場合だけ脳死を人の死とし、提供には本人の事前の意思表示と家族同意が必要で、意思表示できるのは15歳以上と規定していました。

今回、脳死を一般に人の死と位置付け、本人が拒否の意思表示をしていなければ家族同意で提供でき、年齢制限を撤廃したことで臓器提供数の増加を見込んでいます。

つまり、脳死判定までの条件が緩和されることになりました。

死の定義も含んだ法案が政局のどさくさに成立したような感じがします。移植を待つ患者さんやその家族にすれば待ち望んだ法改正だとは思いますが・・・死の判定について医療現場が混乱する可能性はないのかなどもう少し審議があってもよかったのではないでしょうか。

実際に小児の臓器提供も可能になったものの、自分の子どもが脳死判定を受けた際に「では臓器を提供します」と割り切れる親がどれほどいるのかは疑問です。日本人の死生観と脳死や臓器提供はなかなかなじまないかもしれません。

一方、自分の子どものためなら何でもしたいという親の気持ちもわかります。今回の法改正により道が開けたので小児の臓器移植の可能性はゼロではなくなりました。数はそう増えないとは思いますが、もし納得して臓器を提供するドナー(の親)が現われるなら、移植という医療もありかな、と私は最近では思うようになりました。

私自身は今のところ家族も自分もほぼ健康で臓器の提供を受ける予定がないせいか、ドナーになりたいという意思をどうしても持てずにいます。はなはだ身勝手ではありますが・・・

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7月 09 2009

京大でも新型インフルエンザ

Published by under 京都大学,感染対策

京都大学の学生がインフルエンザに感染したことが初めて確認されました。

今のところ京都大学では休校などの措置は取られていません。そうこうするうちに夏季休暇に入るのではないかと思いますが・・・
京都教育大学では2名の学生が新型インフルエンザに感染したことが判明し、全学休校措置になっています。

京都での新型インフルエンザはじわじわと増加し、昨日時点での累計で京都市内18例、京都府内全域で32例が診断確定しています。多いのか少ないのか・・・

今年の秋冬の新型インフルエンザの動向が気になるところです。インフルエンザの治療薬、ワクチン、簡易検査キットなどの供給は十分に可能なのか、発熱外来など受診システムは今までと同様でよいのかなど今のうちに考えておかなければならないことが沢山あります。

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7月 05 2009

同級生の活躍

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昨日、山科医師会・洛和会音羽病院・洛和会音羽記念病院病診連携交流会に出席してきました。

私は京都府医師会には入っていますが山科医師会とは直接の関係はありません。

実は私の大学の同級生が凱旋講演をするという連絡がメーリングリストでまわってきたので、これはぜひ応援に行かねばと出かけてきたのです。テーマは「家庭医療」ということでした。

北海道家庭医療学センター理事長という我々同級生の中では出世頭です。昔から理想高い人でしたが、今も北海道の地で理想的な家庭医をめざして奮闘しているようです。

専門化が進み、臓器別に疾患を診ることが多くなっている今日にあって、あえて臓器を超えて幅広く全人的に患者を診ていくという診療形態はそれ自体がプロフェッショナルであり、そのための研修を積む必要があります。

私などは専門外のことは全く手に負えません。当該科の医師を紹介するしかありません。最近の専門医志向もあり、あえてリスクを冒して自分が診るのは怖いという気持ちもあります。

医師不足の北海道という土地柄もあるでしょう。「家庭医」も地域の事情や医療システムによってその役割は異なってしかるべきです。

最近経済・経営的な視点でものを考えることが多くなっている私にとっては「経営的にはどうなのか」「医師自身の生活はちゃんと成り立つのか」というのが少し心配になるくらいまじめに取り組んでいるようでした。

道は違っても、同級生が様々な分野で活躍しているのは心強いですし、何かあれば応援しあうのが同級生のあるべき姿だと思います。

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7月 03 2009

結核の予防とがんを考えるつどい

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9月10日に京都アスニーで開催される「結核の予防とがんを考えるつどい」という催しで乳癌についての講話をすることになっています。

一般の方々を対象に話をするということが今までなかったので、どのような内容でどんな話しかたをすればためになったと思ってもらえるのか模索中です。もたもたとスライドを作成中です。

一般の方々が対象なので、みんなきっちり乳癌検診を受診しましょうね、ということに尽きると思います。しかもそのような話をわざわざ聞きに来られるような意識の高い方々はすでにまじめに乳癌検診を受診されているような気もしますし・・・

そう、啓蒙活動にはその辺に限界があるのです。興味のない人は我々の啓蒙活動の場に顔を出さず、興味のある人だけが集まってくるので、本当に啓蒙したい人にはなかなか啓蒙できないというジレンマがあります。

ピンクリボン活動にも限界があると思っています。東京タワーや京都タワーをピンクにライトアップすることが、いったいどれくらいの人の乳癌検診を受診するきっかけになったのか、いつも知りたいと考えています。

あるいは若い人の乳癌をテーマにした映画やドキュメンタリー番組がタイアップして20代、30代の女性を対象にしたマンモグラフィ検診をしているそうですが、それは医学的に乳癌の死亡率を下げられるという根拠のあるものではないでしょう。

もともと若年者には乳癌の罹患率が低いことに加え、高濃度乳房の人が多いので高齢者と比較して画像上病変を検出することは難しいのです。無症状の若年者に検診マンモグラフィを推奨する医学的根拠はありません。そういうことをきちんと説明した上で納得づくで受診してもらっているのならよいのですが。

(もちろん症状のある人は乳腺外来をすぐに受診するべきですし、無症状の若年性乳癌が皆無であるというわけではありません)

変に恐怖心をあおって不必要な検査を勧めるのではなく、科学的根拠に基づいて効率的な癌検診を提供していくのが我々の責務であると考えています。

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