Archive for 3月, 2009

3月 31 2009

女性医師支援に関するアンケート調査

京大病院における女性医師支援についてのアンケート調査が終了し、地道にちまちまと集計をしているところです。

アンケート対象は京大病院に勤務する(雇用されている)医師(歯科医師含む)132名で、41通回収(うち2通が白紙)、有効回答数39通なので有効回答率29.5%といったところです。

3割くらいかな、と予想していたので予想通りです。でも、本音を言うともう少し返送してほしかったかなあという気もします。

今回の結果の概要は4月6日のGCOE研究成果報告会で報告します。

次回は全医師を対象にしたいと考えているのですが、もっと回答率が低くなるでしょうし、規模は大きくなるし、実現可能なのか、やる意味はあるのか悩ましいところです。

そういえば、2月20日のパネルディスカッションの概要が「京大病院広報」という京大病院の広報誌で紹介されます。少しは私どもの活動が皆さんの目に留まるとうれしいのですが。

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3月 25 2009

妊婦健診の助成拡充

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昨年7月に京都市の妊婦健診の助成回数がそれまでの1回から5回に増えましたが、今年の4月1日から京都府内のすべての市町村で公費負担回数が14回になります

これは国の平成20年度二次補正予算により、平成21年度から2年間14回の公費負担の財源確保がなされることによるものです。平成23年度以降はどうなるんでしょうね。

完全に無料になるわけではありませんし、妊婦さんや胎児の状況によって検査項目が追加されればそれは自己負担になるのですが・・・まずは歓迎すべきことといえるでしょう。

基本的な妊婦健康審査(問診・診察、体重測定、血圧測定、尿検査、保健指導)は単価が3220円。これは第1回から第14回まで同額です。

血算・・・前期、中期、後期に各1回(単価220円)

血液学的検査判断料・・・同上(単価1250円)

血液採取(静脈)・・・同上(単価110円)

血糖・・・前期、後期に各1回(単価110円)

生化学判断料・・・同上(単価1440円)

ABO血液型・・・前期に1回(単価210円)

Rh血液型・・・同上(単価210円)

不規則抗体・・・同上(単価340円)

梅毒血清反応検査・・・同上(単価470円)

B型肝炎抗原検査・・・同上(単価290円)

C型肝炎抗体検査・・・同上(単価1200円)

風疹ウィルス抗体検査・・・同上(単価800円)

免疫学的検査判断料・・・同上(単価1440円)

B型溶血性連鎖球菌検査・・・同上(単価3100円)

超音波検査・・・前期2回、中期、後期各1回(単価5300円)

HIV抗体検査・・・前期1回(単価1300円)

子宮頚癌検診・・・同上 (単価3360円)

ということで、計86840円になります。

超音波検査は毎回することが多い(妊婦健診の楽しみといえばおなかのベビーの様子を見ること、ですから)ようなので、 4回を超える分は自己負担になるでしょう。

ちなみに、前期は妊娠8、12、16、20週と4週間ごとに、中期は24、26、28,30,32,34週と2週間ごとに、後期は36、37、38、39週と1週間ごとの受診になります。

そういえば40週は全額自己負担になることになりますね。40週0日が出産予定日ですから予定日を超えるとちょっともの入りです。

これだけで少子化が食い止められるとは全く考えていませんが、これからの日本を支えていく世代に投資をするという方向は正しいと思います。

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3月 24 2009

論文投稿

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直腸癌の症例報告の論文を投稿中です。

最近はネット経由で投稿(submit)して、メールで採用不採用の返事がきます。編集局で編集者(editor)がチェックしただけで1、2週間で断られるときもあり、査読者(reviewer)に回されて採用不採用が決定することもあります。以前半年くらい待たされて不採用だった論文もあります・・・待たされた分余計悔しいです。

採用される前に、必ずeditorやreviewerより不具合を指摘されますので、これが加筆修正程度でOKなのか、根本的に実験や解析をやり直さなければならないかで、再投稿するか、別の雑誌に投稿しなおすか検討することになります。

さて、今回の論文は11月に投稿して約4ヶ月。ようやくreview(査読)が終わり、minor revise(少し書き直し)で返ってきました。

やれやれと言ったところです。本当は消化器外科学会専門医の申請に間に合うようにしたかったのですが、今年は間に合いそうもありません。

とりあえず、reviewerのコメントに従って加筆修正をしています。reviewに4か月もかかったのに、reviseは6週間で返すようにという厳しい注文です。しばらく英文を書いていなかったので七転八倒しながら絞り出すようにして書いています。

そもそも私の執筆スタイルというのは床に参考文献をまき散らし、転がったり奇声を上げたりしながら こたつのテーブルでパソコンに向かいながらなのでたいへん格好の悪いものです。最近家にいる時間が短いのでなかなか進みません。

何とか期限までに書き直して提出して日の目を見るようにしたいです。

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3月 23 2009

健康とスポーツ

昨日の東京マラソンでタレントの松村邦洋氏がレース中に倒れて一時心肺停止状態になったとニュースになっています。

急性心筋梗塞による心室細動が原因であると発表されました。すぐに処置を受けることができたこともあり、一命は取り留めたということです。回復を祈念いたします。

しかし、身長164センチで体重は128キロという体型でフルマラソンを走るというのはかなり危険なチャレンジと言わざるを得ないのではないでしょうか。

私より背が低いのに私の体重の倍以上とは・・・私が私をもう一人担いで走るようなものです。考えただけで恐ろしいです。それを一つの心臓でまかなうんですから、心臓が悲鳴をあげても不思議ではありません。

やはり、ウォーキング程度の負荷で減量し(それも水中など膝に負担のかからない形のほうがよいのではないかと思います) てからチャレンジしたほうがよかったと思います。

番組収録のためということで無理をされたのでしょうが、企画段階で危険な内容だったと思います。ドクターの診察はあったのかなど気になるところです。

いずれにせよ、私はスポーツは健康増進につながる範囲で行うべきだと考えています。一部のトップ選手を除いては、ほどほどに行うのがよいでしょう。 普通の人はフルマラソンなんて走らなくてもよろしいのではないでしょうか。

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3月 18 2009

女子教育

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私は今まで幼・小・中・高・予備校・大学とずっと共学の学校で過ごしてきました。特に予備校は理系だったし、大学も医学部だったので男子学生のほうがはるかに多い環境でした。

男女は同じように教育を受けるべきだし、共学が当たり前だと思っていました。努力すれば女子も男子に負けないだけの学力をつけることができ、進路も好きなように選べるのだと教えられてきました。

確かに途中まではそうでした。自分さえ頑張れば何とかなる、そう信じてきましたが、最近自分一人が頑張ってもどうしようもないことがあることに気付き始めました。

しかし、医学部の女子学生を見るにつけて、かつての私と同じように思っているのではないかと感じます。夢のない話ですが、遅かれ早かれ多くが女性であるがゆえの壁にぶち当たる可能性があります。

そこで、女性は女性なりの戦略を考えなければならないのではないかということを提言していこうと思います。現在の男性と同じ土俵に上がって同じ評価基準で評価されることが果たして幸せなことなのかどうなのか。

新しい評価基準、評価される対象を探索していく必要があることを認識し、そしてある程度その知識と技術を若いうちに(学部学生のうちに)身につけておくような機会を提供していけたらと思います。

たとえば研究や実験で短いサイクルでもある程度の結果を出せるようなテーマやジャンルを選択すること、方法論、技術などを習得することなどがその対策として挙げられます。

女子学生が女性医師となって社会に出て行ってからも「評価されること」が大きなモチベーションとなっていくのではないでしょうか。あるときは男性と同じ土俵に立ち、またある時は別の土俵に立って男性を引きずり込んで勝負するなど、そういう処世術を卒前教育の間に身につけるのがよいと考えています。

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3月 16 2009

シンポジウム第二弾

シンポジウム第二弾の企画が動き出しました。

5月30日土曜日午後

ということで日程も決まりました。

講演の先生や詳細が決まり次第また広報していきます。

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3月 14 2009

女性医師支援は必要か

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女性医師支援についての活動をしています。

なぜ女性医師支援が必要なのか、という素朴な疑問があります。別に無理に女性医師が働く必要はないではないかという意見があってもおかしくありません。医師として働く以上、責任をもって支援などなくても働け、という極論があっても不思議ではありません。

実際、女性医師が男性医師とまったく対等に同じだけ働くことは可能です。同じだけ働けば同じ給料をもらえます。ポストに余裕があれば、対等の役職も得られます。ポストの数に限りがある場合、男性医師と女性医師が同じ卒後年数で同等の能力と見られれば男性医師が上のポストに就くことはありますが・・・

まあ、一般企業などに比べれば平等な職種といえそうです。

しかしながら、妊娠、出産を経て育児をしながらの復帰となると状況は一変します。これは同じ女性医師でもこの過程を経験するかしないかで全く事情が異なります。ものの見方も変わります。

妊娠、出産は女性にしかできないことですし、無理をして赤ちゃんに悪影響が出るようなことがあってはならないのですから、この期間に休暇をとったり勤務時間を短くしてもらったり夜間の勤務を免除してもらったりすることに異論のある人は少ないと思いますが・・・

育児期間はどうなんでしょう?

日本の社会構造が男性は家の外で働いて収入を得、女性は家の中で家事や育児に従事するという形態になって、それがあたかも「標準的」であるかのように世の中が動いています。高度成長期には確かに男性が猛烈に働くためには妻に家事育児に専念するのが効率がよく、この分業化が進行しました。しかしそれ以前は男性も育児や子どもの教育に積極的にかかわってきた時代があったのです。

もう男性も猛烈に働かなくてもいいんじゃないでしょうか?日本もそういう時代を過ぎたように思いますがいかがでしょう?男性も女性も、自分の健康や家族を大事にして生活できるような社会を目指す時期ではないかと考えています。

男性が当たり前のように育児休暇をとる、育児休暇とまではいかなくても、子どもを健診や予防接種に連れて行くために保育休暇を取る、子どもが病気のときは看護休暇をとる、子どもを風呂に入れて寝かしつけなければならないので6時に帰宅する、妻が火曜日にカンファランスで遅くなるから夫は火曜日はノー残業で帰宅する、あるいは時間外のカンファランスはそもそも廃止されて存在しない、そういう社会になっていれば、

女性医師支援などは全く必要ないのです。

支援がなければ仕事を続けられない女性医師の存在自体、育児の負担が女性の双肩にかかっていることの表れだと思います。この社会構造が変わらない以上、女性医師支援という形をとらざるを得ないでしょう。

女性医師支援など不要である。

逆説的ですが、私も声を大にしてそう言いたいです。

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3月 13 2009

救急車

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先日先輩のドクターが怒りながら登場しました。

ランチを食べながら2階の窓から下を眺めていたら、救急車が走っていくのを見かけたのだけれど、周囲の車は全然よけようともしなかった!けしからん!

ということだったようです。あまり急ぎではなかったことを願う(変な願いですが)ばかりですが、周囲の車の無配慮はいただけません。実際にはあまりないと思いますが、時には一分一秒を争う患者さんもいます。

もちろん、救急車で病院を受診する人の中には、腰が痛くて歩けないというだけで別に救急でもなんでもない患者さんもいます。足をドアにぶつけて爪がはがれただけで救急車を呼ぶ人もいます。

でも、ほんとうにアップアップで数分の差で命が助かったり助からなかったり、後遺症が残ったり軽くて済んだりすることもあります。

最近救急車を軽々しく考えている人が多いのではないでしょうか?だから軽々しく救急車を要請する人も多いし、走っている救急車をよけようともしないのではないでしょうか。

昨日私も同じような光景を見ました。赤信号で止まっている交差点で後ろから来た救急車を先に行かせようと四苦八苦している(大きいからなかなかよけるのが大変)市バスを邪魔するように 交差点に進入する乗用車!

実際に目撃すると腹が立つものです。

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3月 12 2009

女性医師の就業率について

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女性医師の就業率がどれくらいか調査した資料があります。卒後6~9年といえば、24歳か25歳で卒業する人が大多数と思われますので30~34歳くらいになります。この年代は出産、育児のために就業率が低下するいわゆるM字型カーブの底の部分になっています。ちなみに、先進国でこのようなM字型の就業率のカーブを示すのは日本くらいなものです。

このときに女性医師でも就業率が低下して8割を少し切るくらいになります。一般女性に関する調査では6割を切っていますから、2割くらい女性医師のほうが就業率が高いということになります。手に職がある、ということとキャリア志向の高さからか、雇用形態はともかく結構頑張って働き続けていると言えましょうか。

病院勤務を続けていくのはなかなか体力的にも厳しい(病院といえば20床以上のベッドがあるということで基本的に入院患者を受け持つことになる)ので、医師は診療所勤務に少しずつシフトしていきます。女性医師についてはその速度が男性医師よりも早いのです。

病院勤務がなぜ体力的に厳しいかといえば、

日常の業務に加えて、当直、オンコールなどがあることです。

当直・・・病院に泊まって入院患者や救急の外来患者に対応します。
当直明けも平日ならそのまま朝から通常勤務があり、長期間連続勤務が普通。まったく眠っていなくても手術予定があれば手術をし、外来担当なら外来に出ることになります。病院・科にもよりますが、だいたい月に数回。

オンコール・・・病院から電話がかかってくるまでは自宅または病院近辺で普段通り生活します。自分の科の救急患者がくれば当直医が相談のため電話をかけてくるので電話で指示し、手術や処置が必要であれば病院にかけつけて診療に当たります。
オンコールは職務規定上決められているところはほとんどなく、医師のボランティアのようです。したがって待機手当が出る病院もほとんどなく、電話で呼び出されて診療して初めて時間外手当がつきます。病院・科によりますが数日に1回くらいの割合で当たります。

その他・・・自分が主治医をしている患者さんの状態の変化に応じて看護師が指示を仰ぐために電話をかけてくることがあります。基本的に患者さんを受け持っている以上、24時間365日です。

私の知り合いのドクターは帰宅途中に電車が一部地下に入って携帯電話の電波が届かなくなったタイミングに病院から電話がかかっていたことがありました。地上に出てから留守番電話に気づいて病院に電話したのですが、少しタイムラグが生じたために電話が通じなかったと文句を言われたと憤慨していました。

育児中の女性医師がそういう勤務形態で働くのは難しいと思われます。男性医師だってたいへんです。

今や新しく医師になる3人に1人は女性医師で、その2割が30代前半に戦線離脱し、残りの8割もどんどん病院から離れていくとすれば、病院勤務医不足の一因になりえるのではないでしょうか。

医師不足ということで医学部の定員を増やしても、女子の割合が現状のまま、または増加するのであれば、 労働力として幾分目減りすることを念頭に置く必要があります。この時代に女子の定員を減らすことは社会的に許されないでしょうから、女性医師の就業率の低下を減らせるような体制を医療界全体で目指していくべきだと思います。また、就業率そのものだけではなく、非常勤ではなく常勤で働けるように、また希望者はなるべく病院勤務を継続できるような就業形態の見直しもしていかなければなりません。

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3月 11 2009

東大と京大

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昨日、京都大学でも合格発表がありました。若い人たちの輝かしい未来がうらやましくもあります。

京都大学出身者として敢えて言えば、京大の存在価値ってなんでしょうね?

しばしば東大・京大と並び称されることがありますが、私の感覚では京大の地位は年々沈下しつつあるように思います。

東京大学は、日本の首都にあるのですから、権力の中枢に近く、大学も、学生自身も社会的に意識が高く活動的であると感じています。

私が大学生であった〇〇年前も、今も、そもそも京大生はあまり勉強しません。大学に入るためにかなりのエネルギーを消耗し、その反動からか学生時代には、どの講義が単位が楽に取れるかという基準で講義を選択します。

単位を取りやすいという講師の最初の講義に数百人という学生が殺到し、抽選などで登録がすむと日々の講義は出席者数人などという英語の講義もありました。「勉強をするだけ損」「講義に出る時間がもったいない」そんな風潮でした。

だから、去年の11月祭でも 「単位より大切ななにかを求めて」などというなさけない統一テーマを選んだりするのです。

今から思えばもったいない話です。確かに退屈な講義もたくさんあるのは事実ですが、面白い話もありました。学生の時間のある時にしか「興味本位に」講義を聞く機会はなかなかないということにずっとずっと後になってからしか気づかないのです。

私は外科医として5年間働いた後、医学研究科の大学院生になってから、本来必要のない学部1回・2回生向けの国際政治の講義を聴きにいってレポートまで書きました。医者の仕事には全く関係ない内容でも社会人の教養として興味深いものだったと思います。

昨年5月、東京大学医学部4回生の主催で医療崩壊に関するシンポジウムが開催されました。5月祭という大学祭の一環だそうです。なかなかパネリストもそうそうたるメンバーです。ひるがえって、京大の医学部生は11月祭にいったい何をしたか?

何もしませんでした、と言わざるを得ないでしょう。

本を読む、(退屈でも)講義に出て新しい知識を求める、単位はきっちり取得する、先輩の話を聞く(ここでいう先輩とは1、2年上のいいかげんなことを吹き込む先輩ではなく、社会に出て活動している人のこと)、 自分たちが社会からどのように見られているか、どのような行動を期待されているかを考えて行動する・・・

自分の反省も込めて、ですがこれからの京大生に期待します。

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