Archive for 2月, 2009

2月 27 2009

女性研究者支援についてのシンポジウムと女性医師支援

今日は京都大学女性研究者支援センターシンポジウムのパネリストとして招聘(?!)されましたので参加してきました。

医師が「研究者」のカテゴリーに入るのかは難しいところですが、大学に所属している以上学会活動や論文執筆は重要な業務だと思います。私もマウスやら細胞やらを扱って学位論文を書いた以上一応研究者のはしくれといえるかもしれません。

内閣府男女共同参画局局長の坂東氏、名古屋大学大学院工学研究科教授の黒田氏、京都大学大学院医学研究科教授でグローバルCOE「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点」リーダーの落合氏の講演の後、パネル討論会になりました。

正直、自己紹介プラスアルファくらいであまり発言するチャンスはありませんでした。残念。

内閣府の坂東局長の話では子育て期の女性のみ支援するのではなく、男女、様々な年代層にわたるすべての人のワークライフバランスを推進させるとべきであるということが、私の女性医師支援は単に女性医師を支援するだけのものではないという考えに近いと思われました。また、今後は女性医師の活躍の促進も重要課題であると話しておられました。

黒田教授のお話では、名古屋大学では無認可保育所をあえてつくり(時間帯などを自由に設定できる)、いわゆる「小1の壁」を乗り越えるために学内学童保育施設の新設(小学校から大学への送迎付!)などの対策を行っているということでした。しかし、黒田教授ご自身は、本来そういうことは地域で行われるべきことで、大学で閉じてしまうのはよろしくないというお考えのようです。

私の考えでは、現状では大学で閉じていてもやむを得ないと思います。理想を言えばあらゆる人にこういうサービスが解放されるべきでしょうが、現状では無理です。何年先になれば実現するのかの見通しすらありません。研究職、専門職にある人がある程度優遇されないと女性の研究職や専門職の人が実力を発揮できないままキャリアを中断していかなければなりません。

(そもそも保育が「福祉」で扱われている現状に私は違和感を感じています・・・・京都では保育所の申し込みは福祉事務所で行うことになっています)

落合教授はご自身が結婚や妊娠、出産というライフイベントと研究生活を重ね、いろいろ悩み多かった時代のお話をされました。また、専業主婦というものがごく近代に入ってから一般的になってきたもので、近代以前は日本の女性の就業率は世界的に見ても大変高いものであったということを説明されました。

私もそもそも政府や行政の施策が夫婦(会社員の夫に専業主婦)、子ども二人という世帯を標準世帯として考えているところに違和感を感じています。年金や健康保険が夫婦や世帯単位になっているのも納得がいきません(行政が手間を省くためとしか思えない)。

女性の就業率は日本では諸外国に比べれば低いとはいえ、30~34歳代(子育て世代)ですら50%を超えているわけですから、専業主婦は果たしてどれくらいの割合なのか?

専業主婦が悪いというわけではなく(私自身専業主婦の母親に育てられていますし)、さまざまな生き方をサポートしてくれる社会であってほしいと思います。

今のところ、女性であることは医者として生きていくには激しくマイナスであると言わざるをえません。もちろん、出産や育児を経験することで患者さんや患者さんの家族の立場に立ったり、子どもを持つ親の気持ちがわかるようになったりという内面的な成長は得られると思いますが、医者の社会でそれが評価の対象になるわけではありません。

価値観のシフトをしなければ医者としての向上心、上昇志向を昇華できません。医者としての技術、知識の向上というものを妊娠・出産・育児期間に停滞させることをどう自分の中で折り合いをつけるか、あるいはその停滞をどこまで縮小させられるのか、周囲の負担をどう軽減するか、その停滞中の女性医師が診察する患者さんの気持ちはどうなのか・・・・そのへんが女性医師支援についての目標になりそうです。

(今まで女性医師支援について、患者さん側からの視点を持ち出した人はあまりいないように思いますがいかがでしょう)

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2月 26 2009

花粉症

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花粉症のため、今日とうとう耳鼻科にかかりました。鼻閉は軽度で我慢できる範囲なのですが、昨晩のどがかゆくてイライラしてなかなか寝付けなかったのです。

いつも、抗ヒスタミン剤とステロイドの点鼻薬を処方してもらいます。目もかゆいので眼薬も出してもらいました。

今年は何気なく小青竜湯もお願いして出してもらいました。 効き目がこれだけでは不十分かもしれないので、そのときは抗ヒスタミン剤を合わせて飲んでくださいと言われました。

日本では一人の医師が西洋薬と漢方薬を同時に処方することができます。中国では漢方の医者と西洋医学の医者は別々だということです。

気をつけなければならない組み合わせというものは確かにありますが、基本的に同時に西洋薬と漢方薬を処方することは間違いではありません。これからさらにその相加(相乗?)効果について検討が必要になっていくと思われます。

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2月 25 2009

パネルディスカッションの反省会

本日はパネルディスカッションの反省会をしました。京都新聞の取材の方も来られてなかなか興味深い話になりました。

・女性医師のモチベーションを高めるには?

・そもそもモチベーションがない人のモチベーションをわざわざ高める必要があるのか。頑張りたい人が頑張れる体制をひとまず用意するべきでは。

・ 私のプレゼンで女性医師が出産後に病院勤務を続けにくいのは当直やオンコールの勤務がしにくいこと、患者さんの時間外の変化に対応しにくいことなどを挙げたけれども、岡山大学病院ではそういうDutyをなしにしてしまっている。システムとしては現行のシステムを少し変えるだけで可能な話ではある。

・女性医師の側からすればよいが、患者さんからすると女性医師を避けたくなる理由になりはしないか。夜も休日も診てほしいに決まっている。実際に休日に出勤することを当たり前のように思っている患者さんは存在するし、そういう患者さんの意識の改革も必要ではないか。

・女性医師は補助的な仕事しかできないままであり、昇進など望めなくなるのではないか。

・京大病院では助教以上のスタッフに占める女性の割合は10%に満たなかったがこれはもう少し増加していく可能性はあるのか。

・しかし、女性スタッフの割合に目標値を設定してしまうと質の低い管理職が誕生する可能性もあり、かえって問題かもしれない。

・そんな理由もあるのか、今のところ京大では女性スタッフの割合を設定するようなことはしていない。

・小さい子どもがいると18時以降は働きにくい。時々なら対応できるが、食事や入浴や就寝の時間を考え、親子関係のためにも18時がギリギリのところである。それなのに、普段の診療では18時からカンファランス(患者さんの手術や治療方針などを決定するためのスタッフ会議)が毎週あるなど、時間外に働くことが前提になっている。

・京大には病児保育はあるが通常の院内保育所がない。順番が逆のような気がする。

などなど、当日よりさらに盛り上がりました。

本当の男女平等は難しいものです。次はさらに論理的な議論ができるような会を開きたいと思います。

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2月 24 2009

女性医師に関する調査

京大病院で女性医師を対象にしたアンケート調査を計画してその内容について倫理委員会で審査してもらっていたのですが、昨日付で申請が認められたという連絡を本日もらいました。

やっと調査研究が始動します。

どれくらいの回収率になるか少々心配です。結構忙しくてスルーしてしまう人が多いのではないかと思うからです。

何とか今年度中に実行に移したいと考えています。よろしくお願いします。

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2月 23 2009

Kampo(漢方)勉強会

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今度、医師対象のKampo(漢方)勉強会を開催することになりました。

4月京大近辺で開催予定、 ということしか決まっていませんが、少人数でこまごましたことを聞くことができる会にしたいと考えています。

風邪のときにどんな漢方をどんなふうに処方するか。

花粉症に効く漢方は?便秘の時は?

更年期障害などの不定愁訴に対して 良い漢方はあるか?

などなど身近な疾患、でもなかなか西洋医学の薬で対応しにくい疾患群について実際処方をされている医師を講師に招いて開催しようと思っています。

ご希望の医師の方はご連絡ください。

info@kyoto-wakateishi.com

また、日程等の調整は致しますが、希望者の方がすべて参加可能な日程が組めるかどうかはわかりませんのでご了承ください。 継続して勉強会は開催していく予定ですので第一回がもし難しくても第二回、第三回にご参加いただければと思います。

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2月 21 2009

小児アトピーの講演会

本日は京都小児科医会の学術講演会にお邪魔してきました。まったく小児科とは関係ありませんが、医師会の会報でも特に参加資格の指定がなかったのでホイホイ出かけていきました。

効果がある治療法として現在確立しているのは

(1)カルシニューリン抑制性外用薬(タクロリムス)

(2)ステロイド外用剤の長期間欠維持療法

おそらく効果があるであろうという治療法は

(1)保湿剤・・・当たり前すぎて(?)意外ときっちりした論文がないそうです

(2)プロバイオティクス(妊娠後期と生後早期)による発症予防・・・発症してからは効かないらしいです。乳酸菌を大量にとる、というものです。

効果がはっきりしないのは

アレルゲン回避・・・ダニ対策や食事制限など

・・・・もちろん食事によって悪化するものも中にはあるので、それはきちんと調べてから食事制限をするべきで、根拠なく制限するのはよくない。妊娠中・授乳中の食事制限もアトピー性皮膚炎の予防には意味がない・・・・

ということでした。

アトピー性皮膚炎はバリア機能が低下しているので保湿などのケアとステロイド外用によって湿疹をなくすようにしなければなりません。

湿疹のざらざらの部分に黄色ブドウ球菌がいますので、石鹸を使い揉むように洗います。

石鹸により皮膚が中性環境になるとよくないのでよく洗い流す必要があります。

保湿剤やステロイドの軟膏はすりこまずに、乗せるようにうす皮一枚覆うような感じで塗るのが重要なのだそうです。これは目から鱗の話でした。

アトピー性皮膚炎の部分はバリア機能が低下しているので薬を乗せてやるだけですぐに吸収されやすいのでわざわざ擦り込む必要がないのと、分厚くなっている部分の天井に塗るためにそっと塗るのが良いのです。

ステロイドは怖い、という人がたくさんいるので私たちも困る時があるのですが、ものは使いようです。もちろん内服で連用していればそれなりの副作用がありますので注意が必要ですが、正しく外用薬を使っている限りは副作用もそれほど気にする必要はなさそうです。

2~4週間連続塗布して皮疹をなくした後に週2~3日の間欠塗布をします。

皮膚がきれいになったように見えても炎症細胞が残っているのでステロイドを中断すると再発したように見えます。その辺がステロイドが怖がられる一因かもしれません。

ステロイドを怖がって皮疹がひどいままに長期に長引かせておくと皮膚が黒くなります。ステロイドで皮膚が黒くなるというのは嘘です。

大変面白かったので、これからも他科の疾患でも面白そうなのがあったら出かけて行こうと思います。しかも講演会が無料だったので大変お得感がありました。

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2月 20 2009

パネルディスカッション

パネルディスカッションが無事に終了しました。

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ポインターがなかったり、マイクの調子が悪かったりとトラブルはちょこちょことありましたがなんとか予定通り(長引いてすみませんでした)終了してほっとしています。

京大病院の医師に加えて市内の病院の医師、京大の他研究科の教職員、学生、他大学の医師・研究者、医師会の方、行政関係者、一般企業の方、一般の方など多方面よりお越しいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

私の力量不足でディスカッションの時間を十分に取ることができず、少々心残りです。

私より本パネルディスカッションの意義、問題提起をさせていただいた後、京大病院産婦人科の高尾先生より具体的で説得的なご報告、ご提案をいただきました。ご自身の経験談は大変心に迫るものがありました。

京大病院病児保育室の責任者である小児科の足立先生より当院の病児保育の現状について報告していただきました。足立先生は他のセミナーなどが立て込んでいて18時30分~19時しか会場にいられないというお話だったので実は綱渡りの進行でしたが無事にお話しいただいただくことができました。

そのあと、岡山大学病院のキャリアセンター代表の片岡先生より、岡山大学で行われている様々の女性医師支援に関する取り組みをご説明いただきました。私も先日岡山大学病院におうかがいしていろいろと見学させていただいた中でも、特に院内保育所があることと岡山県内の病院で女性医師支援の取り組みをされているところとネットワークを構築されているところに心惹かれました。その旨をよくご説明していただいたと思います。

ついで、株式会社ワコール人材開発部長小林様より一般企業としてどのように女性社員の育成、勤務継続の取り組みをされているかをご紹介いただきました。意欲のある人にはどんどん頑張ってもらうようにしたいということで、特に女性だから支援するというわけではないというお話でした。われわれも支援されて当然だと思うのではなく、頑張って実績を上げていかなければなりません。

最後に、文学研究科の伊藤教授より、こういう問題については男性は概して鈍感であるので機会あるごとに伝える努力をしていかなければならないというお話をうかがいました。確かに、今回院内の男性医師の参加は残念ながらごくわずかでした。

その後、質疑応答にうつりました。

女性医師の中にも意欲のない人もいるが、どうすればよいのかという問題提起や、 逆に子どものために仕事を休まなければならない時など必要以上に罪悪感を感じすぎるのではないかというご指摘、また、海外にも拠点を持つワコールでは海外の女性に対する対策などは日本と違うのかなどという質問が出ました。

私もいろいろ意見を述べたい気もしていたのですが、今回はコーディネーターとして整理係にあえて徹することにしました。

皆様ありがとうございました。

また第二弾を楽しみにしていてください。

 

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2月 18 2009

お酒と頭部打撲の思い出

Published by under 外傷,救急

夜間当直をしていると、お酒がらみの頭部打撲の患者さんを診ることがあります。
酔っぱらってふらふら歩いていて転んだ。酔っぱらってご機嫌でろれつが回らない。

・・・・・出血は大したことはないけれど、内服薬を確認したら抗凝固剤(血が固まりにくくなる薬)を飲んでいるということなので早速CTをとると、 案の定頭蓋骨の内側に少量の血腫を発見。脳外科に連絡し入院してもらいました。

体の外側の出血より、見えないところの出血が怖いという研修医時代のチューベン(オーベンとチューベンの中間医、つまり指導医と研修医の中間くらいの医者)の教えが身にしみついております。

酔っぱらって路面電車に飛び移ろうとして失敗して線路に後頭部を打撲し、裂傷からかなりの出血を認める。

・・・・・あ~それはまたチャレンジングなことで。CTで一応頭蓋内に出血がないことを確認して縫合処置。首から上は血流が豊富なので外傷も派手に出血してびっくりしますが、逆に治りも早いものです。

酔っぱらって「先生美人だね~」などとセクハラ発言を連発するのに適当に返事しつつ縫合。数十針の大手術(?)となりましたがご本人は美人医師の処置にご満悦でした。

仕事帰りに車を運転中、逆走してきた高級外車と正面衝突。相手の運転手は飲酒運転で、反対車線を走っていたパトカーに飲酒運転がばれるのが怖くて逆走してきたという恐ろしい話。小型の国産車で外車と正面衝突して負けてしまった(相手はほとんど怪我がない)そうです。

・・・・・全身の打撲で足や腰や胸骨や顎などの骨折に加えて腹部の打撲による腹腔内出血が見つかり、整形外科を経て外科に。頭部打撲の影響かまた別の原因か翌々日脳梗塞が発覚し、踏んだり蹴ったりの気の毒な患者さんでした。

よくよく考えると、夜間の救急は酔っぱらいがらみの外傷が多かったような気がします(3例目の患者さんは被害者ですけど相手が飲酒運転)。印象に残っているだけなのかもしれませんが・・・ただ、酔っている患者さんは受け答えがおかしくても、酔っぱらっておかしいのか、頭を打っておかしいのかなかなか判断しにくいので要注意です。

日本は酒のみに寛容なのでしょう。私もお酒は好きですが機会飲酒ですから飲まなくても別にストレスはありません。

先日外国で酔態をさらした大臣がおられましたが、本人も気をつけるべきですが(自分が酔った時どんな状態なのかは知っておいたほうが良い)、わざわざ酔っぱらっている時に記者会見をさせなくても・・・記者さんたちも周りの人たちも不親切だなあとふと思いました。

アルコール摂取も適量であれば健康に良いと言われますから、へべれけにならない程度に正しく美しくたしなむのが良いと思います。

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2月 15 2009

京都新聞

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今日の京都新聞に20日のパネルディスカッションの予告が載りました。

京都大学医学部「附」属病院のはずが京大「付」属病院になっているのが大変気になりました。

新聞社の方によると、「附」は新聞表記の統一ルールでは原則使用しない文字なのだそうです。はじめて知りました。普段新聞を何も取っていないので今日だけコンビニに買いに行ってみました。

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2月 13 2009

2月20日パネルディスカッション

 20日のパネルディスカッションまで1週間になりました。

準備中ですが、参加申し込みが増えるにつれて緊張してきました。先日は京都新聞の方が取材に来られました。

現時点で参加を申し込んでくださった方々はどちらかというとドクターより他分野の研究者や一般の方のほうが多いような感じです。 院内のドクターは申し込みなしで直接来るのか?仕事が忙しくて来られないのか?当日ふたをあけるまでのお楽しみです。

保育室の申し込みも9名と女性研究者支援センターの保育室としてはかなり多人数となりました。今までの行事ではもう少しこじんまりとした人数だったそうです。

さて、臨床第1講堂は場所が分かりにくいのでご案内します。

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タクシーで京大病院まで、と言うと普通は外来の玄関につけてくれますが、臨床第1講堂までは少し距離があります。「医学部正門前」か「京大病院の近衛通からの入口(北門)」とご注文いただくのがよろしいかと思います。

この北門から入ると左前方に臨床第1講堂の一部が見えています。

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022.jpg 看板に近づくとこんな感じです。

0212.jpg 臨床第1講堂の全貌が見えてきました。

あるいは、東大路から直接入る門もあります。東山近衛の交差点から50mくらい南に下がったところです。市バスで来られる方は「近衛通」というバス停で降りていただいて東大路を少し南に下がるとすぐにわかります。

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門から中をのぞくと正面に臨床第1講堂がすでに見えています。

020.jpg 臨床第1講堂の入り口はこんな感じです。

一見入りにくそうですが、どうってことはありません。

もしわかりにくいということであれば、京大病院075-751-3111に問い合わせてください。

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