Archive for 11月, 2008

11月 11 2008

いらんこと言い

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政治家のあまりにも現場のドクターの心情を無視した発言を見つけましたのでひとこと。昨日のニュースから。

妊婦受け入れ拒否の問題で、病院間の言い分が異なる件に言及して、厚生労働大臣と経済産業大臣の話です。

舛添厚生労働大臣はコミュニケーションがうまくいかない現状を、IT技術を駆使して解決できないかと、二階経済産業大臣と急遽、会談しました。

「お医者さん同士のコミュニケーションがうまくいっていない。IT技術を活用した形で、両省で協力しながら国民のためになる仕事をしたい」(舛添要一厚労相)

「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思いますよ。忙しいだの、人が足りないだのというのは言い訳にすぎない」(二階俊博経産相)

2人の大臣はIT技術者にアイデアを出してもらい、大学病院で実験を行うことで一致したとのことですが・・・

この二階経済産業大臣はこの瞬間すべての医師を敵に回すつもりで発言したとしか思えないKY(いわゆる空気が読めない)ですね。政治家のモラルを常日頃云々されるのでたまには他人のモラルを云々してみたかったのかもしれません。こういう人間が日本の政治を動かしている限り、われわれの生活が良くなるはずはありません。そもそも何故経済産業大臣がしゃしゃり出てくる必要があるのか全く理解できません。

人間は時として楽なほうへ流されやすいものなのに、この厳しいご時世にあえて産科に踏みとどまって奮闘しているドクターたちにどんな顔をしてこのようなことが言えるのでしょうか。私は科を決定するときに外科と産婦人科とで悩んだ人間ですので産科の先生の惨状が他人事には思えません。

確かにモラルも大事ですが、継続的に人間の精神力に頼らなければならないシステムは早晩崩壊します。人間はミスを犯す存在であり、トラブルから逃れようと本能的に行動するのはやむを得ないと認めたうえで、それでも問題なく機能するようなシステムを作ることが人間の知恵というものではないでしょうか。

二階氏のような人のことを京都では「いらんこと言い」と申します。
 

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11月 09 2008

タクシー全面禁煙化要望書提出

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昨日、京都府医師会、府薬剤師会、NPO法人「京都禁煙推進研究会」など5団体はタクシー車内の全面禁煙化を求める要望書を京都乗用自動車協会会長に提出しました。

以前より京都府医師会のメーリングリストなどではこの話で何度も盛り上がっていたのでようやく、といった感じですが、これを機会にぜひタクシーの運転手さんたちには禁煙にチャレンジしていただきたいと思います。

今日はわざわざ禁煙のタクシーを指定して呼んだのに、私が出て行くまでの間、運転手さんが車の外でたばこを吸いながら待っていたのには愕然としました。

定義上車内で吸わなければ禁煙車ということでOKなのかもしれませんが、こちらはわざわざ禁煙車両を指定しているので匂いすらかぎたくない人種であることは理解していただきたいと思いました。

運転手さん自身の健康も能動喫煙・受動喫煙によりむしばまれます。 肺癌、肺気腫、喘息などの患者さんの中にはタクシーの運転手さんが多くおられます。

筑紫哲也さんが最近肺癌で亡くなりましたが、ヘビースモーカーで知られていました。私は、声を出す職業の人にしてはプロ意識に欠けると前々より思っていました。自分は癌にならないと根拠なく考えていたと自分でも告白されていましたが、喫煙者はみなそのような気持ちなのでしょうか。

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11月 05 2008

学会・研究会の託児設備

最近、学会や研究会に託児所を設定しているところが増えてきました。
麻酔科、小児科の学会は女性のドクターの割合が多いので当然のように託児スペースを用意しています。
外科系の学会でも最近は増えてきました。
外科学会
消化器外科学会
乳癌学会
業者から保育士などのスタッフを派遣してもらって一時的な託児所を設けるのだと思います。

乳癌学会は外科医のみならず、病理医、形成外科医、放射線科医などの参加も多く、ドクター以外にも看護師などのコメディカルの参加も多いので需要は結構あるのではないかと思います。実際、昼休みに子どもを連れている人を見たことがあります。
来月の乳癌検診学会総会のHPを見ていると特に託児スペースについての言及がなかったので問い合わせてみました。今後検討はするけれども今年は設定する予定はないという返事でした。
来年1月の大腸癌研究会のHPを見ているとやはり託児スペースの有無について記載がなかったので事務局に問い合わせたところ、これまでは全くこういう問い合わせがなかったが業者と打ち合わせて設定することにしたというお返事でした。
大腸癌研究会より乳癌検診学会のほうが需要が多いような気がしますが・・・

ただ、子どもにとっては初めてのところで預けられるのがストレスになる場合もあるようです。

いずれにしても、「求めよ、さらば与えられん」でしょうか。学会に出席予定の子育て中の皆さん、託児スペースがない場合も是非要望を出してください。業者はノウハウやスタッフを持っています。
小さいうちからアカデミックな雰囲気に触れるのも悪くないかもしれません。

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11月 01 2008

乳児湿疹

赤ちゃんの頬に湿疹ができて赤くなることがあります。ほっぺが赤くなるだけでなく、ひどくなってかゆがってかきむしるとびらんになったり、浸出液が出てカピカピになるようなひどい状態になります。

生後2週間くらいから数ヶ月くらいまでの間はさまざまな原因により湿疹を生じやすいのですが、それらを総称して乳児湿疹と呼んでいます。

(1)乳児期の脂漏性湿疹

(2)乳児期のアトピー性皮膚炎

(3)接触性皮膚炎

(4)食物アレルギー

などがあります。原因が特定できれば対処のしようがありますが、原因がわからない場合、基本的にはステロイドの外用と抗ヒスタミン剤の内服などで対応することになります。

ただ、乳児の顔に強いステロイド剤を塗ったり長期間連用したりするのはよくありませんので、皮膚科のドクターと相談しながら様子を見ながら他の外用薬と交代で塗るなど工夫が必要です。赤ちゃんに塗る場合はキンダベートという一番弱いタイプのステロイド剤が処方されることが多いようです。ステロイドはこわいという固定概念にとらわれて、根拠がよくわからない民間療法にすがってしまうのは考えものです。

もちろん、赤ちゃんが顔を掻かないように気をつけてあげなければなりませんし、爪をこまめに切ったり必要に応じてミトンをはめたりすることも大事です。顔に触れるようなもの(赤ちゃんの服の襟元、よだれかけ、シーツ、枕代わりにしているタオル)などはすべりのよい布にしておいたほうがよいでしょう。抱っこする人は赤ちゃんが顔をこすりつけないようにし、身に着けるものも皮膚にひっかからないようなものを選びましょう。ざらざらの生地の服は避け、洗いざらしの綿の服などがよいと思います。

入浴時は、石鹸は刺激の少ないものにして(固形の純石鹸がよいようです)、よくあわ立ててやわやわと手で洗ってあげると刺激が少ないです。

ちなみに、以前アンチエイジング学会の講習会で、大人でも洗顔の際は石鹸をよくあわ立てて手で顔や体をやさしく洗うのがよいと聞きました。布などは使わないほうがよいそうです。顔などごしごしこすると摩擦による機械的刺激で色素沈着(シミ)などになるというお話でした。皮膚のバリア機能を壊さないようにするのが重要です。

最近、抗ヒスタミン剤も子どもに服用させるときは注意が必要だといわれています。特に、催眠性のある(眠くなるタイプ)抗ヒスタミン剤は脳への移行により学習能力や認知機能を低下させたり、痙攣を誘発する可能性もあります。なるべく催眠性の少ない薬剤を選ばなければなりません。

かゆがってかきむしって皮膚がぼろぼろになったり、そこから感染したり、かゆいあまりに熟睡できなかったりイライラしたりするのも発育によくないと思いますので、ひどいときは皮膚科か小児科のドクターに診ていただいて適切な処方をしてもらう必要があります。

これから寒くなって皮膚が乾燥すると老若男女を問わず皮膚のトラブルが出やすくなりますから保湿を心がけるようにしましょう。特に入浴直後が重要といわれております。

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