Archive for the '救急' Category

12月 01 2010

救急外来受診・・・寸前でした

保育園に持っていくものにはすべて名前を書かなければならないのですが、紙オムツにも1枚1枚書かなければなりません。もちろん布オムツの手間を考えればそんなことは大した問題ではありませんが、保育園の個人用の引き出しに切らさないよう用意しておく必要があります。

一昨日の夕食後、少し時間があったのでマジックペンで紙オムツに子どもの名前を書いていました。 その後台所の片付けをしていると、我が家の1歳児がマジックペンを持ってそのへんに落書きをしているのが視界に入りました。油性ペンなので落書きも問題なのですが、さらに大きな問題はキャップが外れているということです。

マジックペン自体はすぐに取り上げたので落書きの被害は微々たるものでしたが、キャップが行方不明!大騒ぎで家中を探し回りました。

小一時間探しても見つからないので、これはどこかでレントゲンを撮ってもらう必要があるという結論に達しつつ、それでも何とか見つからないかと気ばかり焦ってしまいました。当の本人はケラケラ笑いながら元気に家中を闊歩しています。少なくとも気道閉塞はなく、飲み込んだとすれば消化管のどこかにあるはずです。

キャップはプラスチック製であり、尖っていたり腐食したりするものではありません。便に出てくるまで経過観察が基本かなと思いましたが、腸管について考えてみると、1歳児の腸管、特に小腸から大腸に入るところのバウヒン弁を通過可能なのかどうなのか・・・久しく小児の腸管を見ていないので太さの感覚がどうも思い出せず、救急病院を受診したほうがいいのではないかと思いつきました。さっそく電話をかけました。「1才の子どもがマジックペンのキャップを飲み込んだかもしれないんです。」おそらく救急の事務が電話対応してくれましたが、「出るまで待つしかないと思います。小さいのでレントゲンを撮れるかどうかもわかりませんし。」

こちらも自分の不注意のせいと思うと頭が混乱してきました。「プラスチックなんですけど、レントゲンに写ります?それに、子どもの腸管を通過できる大きさなんでしょうか。1歳児のバウヒン弁とか通りますかね?」

バウヒン弁にきのこの傘がはまり込んで腸閉塞になったという症例を知り合いのドクターから聞いたことがあります。きのこがはまるならキャップもはまるかもしれません。バウヒン弁、バウヒン弁と連呼している私に夫が一言、「食道にはまっているってこともあるんじゃない」。

食道にはまっていれば違和感が強くてそんなに機嫌よく遊んでもいられないでしょうが、可能性はあります。上部消化管に停滞している間にカメラで取ったほうがいいのかも、 小腸なんかで詰まったら開腹手術だし、、、さらに色々な雑念が頭をよぎります。

「お待ちいただかなければならないと思いますが、今から来て下さい」

もう寝る時間ですが、そんなことも言っていられません。タクシーを電話で呼び出して、 出かける準備をしました。夫が子どもたちの服を入れているかごをゴソゴソと探しています。

「あった。」

子どもの毛糸の帽子の中にキャップが入っていました。子どもの手の届くところではないのでなぜそんなところに入っているのか経緯はいまだに謎ですが、おそらくはキャップがないと思い込んで焦った私が無意識に床に落ちていた帽子を片付けてしまったのだと思われます(中にキャップが入っているのに気づかずに)。

タクシーと病院を両方キャンセルして一件落着です。親たちが必死で捜し物をしているのに、子どもたちは元気に遊びまわっていました。私はへなへなと脱力してしまいました。

自分が消化管異物に対してあまりにも無知であったことを反省しました。しかも、食道の次はバウヒン弁に行く前に幽門で引っかって胃内に停滞しますね。つまり、引っかかる場所としては食道の生理的狭窄部か幽門かバウヒン弁の3つを考慮すべきでした。

私が研修医の時に救急外来をやっていて、「子どもが玉砂利を鼻の穴に突っ込んだかもしれない」というケースがありました。レントゲンを撮っても映っていなかったので「突っ込んでいなかった」事を示して安心してお帰りいただくことができましたが、「かもしれない」という不確実性な事態に自分が駆りだされることに内心少々苛立ちを感じていました。何じゃそりゃ、それくらい親が見張っているべきではないかと。

今から思えばそれは極めて難しい注文でした。子どもは想定外の行動をとるので玉砂利を鼻の穴に突っ込んだり、マジックペンのキャップを飲み込んだりする可能性があるということです。親の注意力にも限界があり、診察する側としてはそれを受容しなければならないと思い至りました。年を経て、経験しなければ気がつかないこともあるものです。

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9月 16 2010

魚骨の思い出

Published by under 医者の生活,救急

今朝、アンチョビの小骨が上顎の粘膜に刺さるという恐ろしい目にあいました。カタクチイワシの骨なのでとても細くて短く、しかも上顎の粘膜で前歯のすぐ裏あたり(医者のくせに解剖学的な位置を医学的に正しく述べることができません)に刺さったので自分では全く見えません。私の配偶者が、マンモグラフィ読影用の大きなルーペで覗きながら四苦八苦しながら攝子でとってくれました。朝の忙しい時間に大事件でした。

数年前、何ヶ月も予約でいっぱいの有名な料理屋さんにやっと予約が取れて友人と出かけたのですが、ぐじの若狭焼を食べていて喉に骨が刺さってしまったことがあります。途中で何度もご飯を丸飲みするという素人のようなこともしてしまいました。本当はやってはいけないんですが、何とか取れないかとわらにもすがる思いでした。とてもとても貴重な機会だったのに、 喉に骨が刺さってからは全く食べた気がしませんでした。

友人も外科医であったため、この魚骨をどうしようかという話になり相談しました。最終的には耳鼻科でとってもらわなければなりませんが、もう夜で、救急外来に飛び込むしかありません。翌朝まで待てるか、待ったらやはり周囲の組織が腫れてきてあまりよくないのでは、、、

とりあえず舌圧子(お医者さんが喉を見るときに舌を押さえる木や金属のへら)と懐中電灯でのぞいて見てもらいました。 「見えるところに骨はないよ」

自覚的にもかなり奥の方でした。これは耳鼻科でファイバーで見てもらうべきか。

研究室に喉頭鏡があるかも、ということで探すとブタの実験用の喉頭鏡(滅菌済み)がありました。喉頭鏡は全身麻酔をかけるときに喉に人工呼吸用の管を通すためにその名のとおり喉頭を見るための道具です。さらに、鉗子まで出てきました。

「おえ」とはなりましたが、 さすがに喉頭鏡で覗くと魚骨を見ることができて、さらに鉗子でつまんで除去することもできました。友人に感謝です。なかなか立派な骨でした。

笑い事ではありません。

小腸まで到達した魚骨が小腸壁に突き刺さって穿孔性腹膜炎をきたすこともあります。外科医なら1回か2回はそのような症例を経験しているでしょう。

また、食道に刺さった魚骨をしばらく放置していたために周囲に膿瘍を形成し、大動脈に穿破して出血死という症例も聞いたことがあります。

最初は小さな穴ですが、時間とともに周囲の組織に炎症が波及していきます。

今日は朝から魚骨にたたられ、仕事に行く前から消耗してしまいました。でもやはり早く抜いてもらえてラッキーだったと思います。

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1月 31 2010

勉強し続けるということ

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今日、小松秀樹氏の「医療崩壊-「立ち去り型サボタージュ」とは何か」を読んでいて、自分の不勉強を思い知りました。

小松氏は、慈恵医大青戸病院事件(腹腔鏡下前立腺全摘除術の際に輸血の遅れによると思われるショックで患者が死亡した)に関して、緊急時にはO型の赤血球濃厚液を交差試験なしに輸血できる(この患者はAB型だった)ことを病院が周知徹底していなかったことを問題視していました。担当の麻酔科医も思いつかなかったのはおかしい、とも。

私も昔習ったのですが、とっさの事態に思い出して実行できるほどの知識として身に付いてはいないと感じました。

研修医時代に麻酔科をまわっていたとき、AB型の患者の手術で大出血をしてAB型の追加の輸血がなかなか届かなくて大変な思いをしたことを思い出しました。幸いその患者さんは死亡には至りませんでしたが、かなりぎりぎりのところだったと思います。そのときもO型輸血は思いつきませんでした。たぶんその場にいたほかの医師も思いつかなかったと思います。後日のカンファランスで他の医師からO型輸血のことを指摘されましたが、あとになって冷静な状況ではなんとでも言えます。

知り合いの麻酔科医に聞いてみました。さすがに、O型輸血のことは知ってはいるけどできればやりたくない(そんな修羅場手術にはなってほしくない)という返事でした。

修羅場はくぐりたくないけれど、修羅場でどう対処するかということは常に勉強しておかなければなりません。そして、それがとっさの場面で生かされるのかどうか・・・現場は厳しいです。パニックになった頭から知識を引き出せるのかどうか・・・自信を持ってYESと答えられないのがつらいところです。そういう修羅場には近づかないようにしよう、という消極的な判断が働くのが現実かもしれません。

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10月 03 2009

救急外来

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家人の昨日からの高熱が遷延しているので付き添って救急外来に行ってきました。今まで自分が救急外来で診る立場であることが多かったわけですが、いざ受診するほうになると全く視点が異なります。

自分が救急外来をしていると、

「何故、この時間にあえてやってくるのか?」

と思うような場面がしばしばあります。

2か月前から腰が痛い・・・これはちょっと論外か。

2日前から水虫がかゆい・・・これも救急とは言い難い。

夜中に子どもがインスタントラーメンをこぼしてやけどした・・・なぜこんな時間に子どもが起きている?

今朝からお腹が痛くて、夕方になっても治らない、心配になったので受診した・・・腹痛の程度によっては救急かな。

夕方になると心配になる

これは確かにそうです。結局今回私どもも夕方になって受診するという申し訳ないこと(事情を知っているものとして)をしてしまいました。

検査や処置、ときによっては手術が必要になるような場合、やはりマンパワーの問題で夕方よりは朝か昼のほうがスムーズに事を運びやすいからです。

すみません、すみません。それなのに夕方に救急外来を受診してしまいました。昨日の朝からの発熱ですから、受診は昨日の日中、今日の日中、あるいは明日の朝まで様子を見て、という3つのタイミングが考えられるわけです。

(インフルエンザだと発熱後少なくとも12時間は経たないと検査をしてもわからないので昨日受診していたとしてもあまり意味がなかったかもしれませんが)

結局インフルエンザではありませんでした。

医者でも自分や家族のことになると判断が鈍るものです。私もまだまだ修行が足りません。誰か私を叱ってください。

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3月 23 2009

健康とスポーツ

昨日の東京マラソンでタレントの松村邦洋氏がレース中に倒れて一時心肺停止状態になったとニュースになっています。

急性心筋梗塞による心室細動が原因であると発表されました。すぐに処置を受けることができたこともあり、一命は取り留めたということです。回復を祈念いたします。

しかし、身長164センチで体重は128キロという体型でフルマラソンを走るというのはかなり危険なチャレンジと言わざるを得ないのではないでしょうか。

私より背が低いのに私の体重の倍以上とは・・・私が私をもう一人担いで走るようなものです。考えただけで恐ろしいです。それを一つの心臓でまかなうんですから、心臓が悲鳴をあげても不思議ではありません。

やはり、ウォーキング程度の負荷で減量し(それも水中など膝に負担のかからない形のほうがよいのではないかと思います) てからチャレンジしたほうがよかったと思います。

番組収録のためということで無理をされたのでしょうが、企画段階で危険な内容だったと思います。ドクターの診察はあったのかなど気になるところです。

いずれにせよ、私はスポーツは健康増進につながる範囲で行うべきだと考えています。一部のトップ選手を除いては、ほどほどに行うのがよいでしょう。 普通の人はフルマラソンなんて走らなくてもよろしいのではないでしょうか。

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3月 13 2009

救急車

Published by under 救急

先日先輩のドクターが怒りながら登場しました。

ランチを食べながら2階の窓から下を眺めていたら、救急車が走っていくのを見かけたのだけれど、周囲の車は全然よけようともしなかった!けしからん!

ということだったようです。あまり急ぎではなかったことを願う(変な願いですが)ばかりですが、周囲の車の無配慮はいただけません。実際にはあまりないと思いますが、時には一分一秒を争う患者さんもいます。

もちろん、救急車で病院を受診する人の中には、腰が痛くて歩けないというだけで別に救急でもなんでもない患者さんもいます。足をドアにぶつけて爪がはがれただけで救急車を呼ぶ人もいます。

でも、ほんとうにアップアップで数分の差で命が助かったり助からなかったり、後遺症が残ったり軽くて済んだりすることもあります。

最近救急車を軽々しく考えている人が多いのではないでしょうか?だから軽々しく救急車を要請する人も多いし、走っている救急車をよけようともしないのではないでしょうか。

昨日私も同じような光景を見ました。赤信号で止まっている交差点で後ろから来た救急車を先に行かせようと四苦八苦している(大きいからなかなかよけるのが大変)市バスを邪魔するように 交差点に進入する乗用車!

実際に目撃すると腹が立つものです。

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2月 18 2009

お酒と頭部打撲の思い出

Published by under 外傷,救急

夜間当直をしていると、お酒がらみの頭部打撲の患者さんを診ることがあります。
酔っぱらってふらふら歩いていて転んだ。酔っぱらってご機嫌でろれつが回らない。

・・・・・出血は大したことはないけれど、内服薬を確認したら抗凝固剤(血が固まりにくくなる薬)を飲んでいるということなので早速CTをとると、 案の定頭蓋骨の内側に少量の血腫を発見。脳外科に連絡し入院してもらいました。

体の外側の出血より、見えないところの出血が怖いという研修医時代のチューベン(オーベンとチューベンの中間医、つまり指導医と研修医の中間くらいの医者)の教えが身にしみついております。

酔っぱらって路面電車に飛び移ろうとして失敗して線路に後頭部を打撲し、裂傷からかなりの出血を認める。

・・・・・あ~それはまたチャレンジングなことで。CTで一応頭蓋内に出血がないことを確認して縫合処置。首から上は血流が豊富なので外傷も派手に出血してびっくりしますが、逆に治りも早いものです。

酔っぱらって「先生美人だね~」などとセクハラ発言を連発するのに適当に返事しつつ縫合。数十針の大手術(?)となりましたがご本人は美人医師の処置にご満悦でした。

仕事帰りに車を運転中、逆走してきた高級外車と正面衝突。相手の運転手は飲酒運転で、反対車線を走っていたパトカーに飲酒運転がばれるのが怖くて逆走してきたという恐ろしい話。小型の国産車で外車と正面衝突して負けてしまった(相手はほとんど怪我がない)そうです。

・・・・・全身の打撲で足や腰や胸骨や顎などの骨折に加えて腹部の打撲による腹腔内出血が見つかり、整形外科を経て外科に。頭部打撲の影響かまた別の原因か翌々日脳梗塞が発覚し、踏んだり蹴ったりの気の毒な患者さんでした。

よくよく考えると、夜間の救急は酔っぱらいがらみの外傷が多かったような気がします(3例目の患者さんは被害者ですけど相手が飲酒運転)。印象に残っているだけなのかもしれませんが・・・ただ、酔っている患者さんは受け答えがおかしくても、酔っぱらっておかしいのか、頭を打っておかしいのかなかなか判断しにくいので要注意です。

日本は酒のみに寛容なのでしょう。私もお酒は好きですが機会飲酒ですから飲まなくても別にストレスはありません。

先日外国で酔態をさらした大臣がおられましたが、本人も気をつけるべきですが(自分が酔った時どんな状態なのかは知っておいたほうが良い)、わざわざ酔っぱらっている時に記者会見をさせなくても・・・記者さんたちも周りの人たちも不親切だなあとふと思いました。

アルコール摂取も適量であれば健康に良いと言われますから、へべれけにならない程度に正しく美しくたしなむのが良いと思います。

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1月 17 2009

阪神大震災の記憶

Published by under 救急

阪神大震災から今日で14年になります。

当時私も弟も大学生で、家族そろって大阪府内の自宅におりました。かなり揺れましたが自宅や家財道具に被害はなく、思いのほか甚大な被害をテレビの画像で知りました。

弟は当日大学の英語の試験日だったのですが、電車が動かなくなってしまったので大学に行くことができませんでした。京都では被害が軽微で大学周辺に下宿している学生が多かったためか、のんきに(?)試験が行われたらしいです。もちろんそんな非常事態ですからその日に受験できなくても問題なかったようです。

数日後私と弟は新聞のボランティア募集の広告を見て震災地域のとある小学校の後片付けの手伝いに行きました。あまりよく覚えていませんが、香櫨園の辺りではなかったかと思います。

道路には大きなひび割れがあり、小学校の校庭には自衛隊のテントがたくさん設営されているなどものものしい感じでした。そんな中、自衛隊の人たちがきびきびと働いているのが 印象的でした。やはり「訓練された」人たちは違うのだと思いました。

私も医者になって10年になろうとしていますが、災害時にどんな働きができるのかと考えるとはなはだ心もとないです。

京都でも大きな震災を想定してどの病院のどれだけの医師を動かせばけが人を収容したり処置をしたりできるかという訓練をしてみたらよいと思います。

たとえば、大学病院には普段は診療業務をしていない大学院生のような「医師資格」をもった医者がうじゃうじゃいますが、そういう人たちを適正に配備する ことで医者の数を通常状態より増やすことができます。

地下鉄サリン事件の時のように聖路加病院が通常の外来業務をすべてストップして救急患者を受け入れたように、緊急事態に通常業務との兼ね合いをどうするかなどあらかじめ想定しておいたほうが混乱が少ないのではないでしょうか。

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1月 05 2009

京大生と自転車

Published by under 京都大学,救急

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東一条の交差点のところでこんな看板を見つけました。

京大生の自転車マナーは最悪ですからね。

歩道を歩いていると、そこのけそこのけと言わんばかりにベルを鳴らしながらぎりぎりのところをすり抜けようとするし、無灯火だったり、二人乗りをしたり、危険運転もけっこう多いです。

私の右腕なんぞ怪我させた日にはたっぷり休業補償を請求してやる、と手ぐすね引いて待っております。。

一応外科医なので右腕に障害が残るようなことになればそこそこの賠償額になるのではないかと思います。学生諸君、私のそばを通る時は心して通るように。

それは半分冗談としても、持っている荷物をひっかけられたことはあります。歩道を自転車が通る、というのはかなり危険であり、自転車がわが気を使うべきなのです。

とはいえ、車道の左側というのもあまり快適なところではなく、停車中の車は邪魔だし、左折の車に巻き込まれる可能性もあるし、自転車の居場所がないというのが実際のところでしょう。

やはり、進級に必要な単位として自転車教習所で自転車のマナーを学び免許制にするというのを私としては提案したいと思います。

そういえば私が小学校の時、低学年の間は自転車が禁止されていて、乗ってもよい学年になった時に近所の自動車教習所で自転車のマナーの講習を受けた記憶があります。

それも悪くないと思います。自動車教習所も若い人の人口が減って困っていると思うので、自転車教習所として 学校と契約して生徒・学生を迎えるのです。経営にも若干プラスになり、宣伝にもなり(もしかすると中には自動車の免許を取りに来てくれる人もいるかもしれない)、地域社会にも貢献できる一石二鳥の案だと思うのですがいかがでしょうか。

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10月 12 2008

京都の自転車考 その2

Published by under 救急

京都の自転車乗りは学生が多いせいかマナーが悪すぎます。

前回と重複しますが、

(1)車道の右側を逆送する

・・・基本的に自転車も軽「車両」なので車道の左側端を走ることになっています。

【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金/2万円以下の罰金又は科料

(2)歩道を我が物顔にベルを鳴らしながらすり抜けていこうとする

・・・そもそも自転車は原則的に車道を走るべきで、歩道を走らざるを得ないやむをえない事情がある場合のみ走ってもかまわないことになっているのです。歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければなりません。ベルで歩行者を威嚇するなどもってのほかではないでしょうか。それから、歩行者をよけるときは車道側を走ることになっています。知らない人が多すぎますね。

【罰則】2万円以下の罰金又は科料

(3)傘をさしたまま自転車に乗る

・・・片手運転は危ないし、傘で他の人の視界をさえぎることにもなり、たいへん迷惑です。

(4)ノーブレーキピストバイクを乗っている

・・・ブレーキのついていない自転車。見た目がスマートでかっこいいせいか、最近ちょくちょく見かけます。日本の公道ではブレーキのついていない自転車は禁じられているのでこれは明らかに法律違反です。乗っている本人が勝手に事故にあうのはかまいませんが、巻き込まれたら目も当てられませんね。

(5)二人乗り

・・・子どもを乗せて走る場合はまあ許されているようですが、実際はたいへん危険なのでお勧めできません。外科外来をしていると、後ろの荷台(シートを装着していても起こりえます)に乗っておいた子どもが落ちたとか足をスポークに巻き込まれたなどという外傷が多いからです。

頭を打ったのでCTをとって下さいとよく頼まれます。止めていた自転車から落ちることもよくあります。大人の自転車の座席の高さはかなり高いので後部座席から落ちて頭部を打撲したとすればそこそこのダメージを受けたと考えられます。

また、後輪のスポークに巻き込まれた傷は踵部分に生じ、アキレス腱や骨が露出するなどかなり重症であることが多いです。治癒するにも時間がかかります。「スポーク外傷」とわざわざ名前があるほどです。

(湿潤療法だと比較的治りが早いと思います・・・それでもひと月くらいか?夏井先生のHPで紹介されています

最近目撃した中ですごいと思ったのは赤ちゃんをおんぶして自転車に乗っていたお母さん。首がすわるかすわらないかといった月齢で、少なくとも座席に座らせられないからおぶっていたのだと思います・・・さらにすごいのは明らかに首がすわる前の乳児をスリングで抱っこして左手で抱えながら片手運転していたお母さん。移動手段が自転車しかないのか・・・それにしてもきわめて危険なので怖くて見ていられませんでした。赤ちゃんが大事ならやめていただきたいです。

もちろん成人が二人乗りしているなんていうのは言語道断です。

6歳未満の子供を乗せるなどの場合を除いて、原則として禁止されています。
【罰則】2万円以下の罰金又は科料

(6)子どもをヘルメットなしで乗せている親

・・・頭部を保護することは重要です。私でさえかぶっています。また、ヘルメットはサイズが合わないと効果が減ってしまいます。子どもは頭が成長するのでサイズを合わせるのはたいへんだと思いますが、そこは必要経費です。また、せっかくかぶらせるならあごひもをきちんと締めてきちんと固定させておきましょう。

(6)無灯火

昔、ライトをつけても明るくないから意味がないなどと言っていた人がいましたが、ライトをつけるのは自分の視野を確保するためではなく、対向車(あるいは人)から見えやすくするためと考えるべきです。なお、後部にも尾灯または反射器をつけることになっています。

【罰則】5万円以下の罰金

(7)飲酒運転

・・・私としてはありえないと思うのですが、結構いますね。飲みに行くときは自転車を置いていくか、押して歩いて帰るべきです。

【罰則】5年以下の懲役又は100万円以下の罰金(酒に酔った状態で運転した場合)となっております。

大学生には入学時に自転車講習会を義務付けて必須単位にしたらよいと思います。

しかし、そもそも、なぜこんなことが「医師」の会と関係あるのか?

平成19年に自転車が(第1・第2)当事者となった事故のうち、自転車側に法令違反があった割合は68.0%であり、死亡事故では、77.5%と更に高くなっています。

つまり、交通規則を守らない人は外科系の救急外来で我々と遭遇する可能性が高くなるということです。また、ルール違反の本人が事故にあうのはともかく、そういう人のせいで事故に巻き込まれる人が気の毒でなりません。

(参考)

平成20年6月1日までの道路交通法では、自転車は道路標識等により通行することができるとされている歩道を通行することができるとされていました。
この場合、道路標識等により通行すべき部分が指定されているときはその指定された部分を、指定されていない場合は、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しながら通行しなければなりません。
また、歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければなりません。

(道路交通法第63条の4)
 

平成20年6月1日より道路交通法及び同施行令の一部が改正され、施行されました。

新たに次のような場合にも歩道を自転車で通行することができるようになりました。                                   

○ 児童(6歳以上13歳未満)や幼児(6歳未満)が運転する場合                                             ○ 70歳以上の者が運転する場合                                                                        ○ 安全に車道を通行することに支障を生じる程度の身体の障害を持つ者が運転する場合
○ 車道等の状況に照らして自転車の通行の安全を確保するため、歩道を通行することがやむを得ないと認められる場合。
ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するために必要があると認めて歩道を通行してはならない旨を指示したときは歩道を通行することはできません。

(道路交通法第63条の4第1項第2号に並びに道路交通法施行令第26号)

車道内で道路標識等により自転車の通行すべき部分が指定されているときの通行方法について一部変更がなされました。
歩道内は徐行しながら通行しなければなりませんが、歩行者がいないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で通行することができます。

(道路交通法第63条の4第2項)

歩道内に自転車の通行すべき部分が指定されている場合、歩行者はこの部分をできるだけ避けて通行するように努めなければなりません。

(道路交通法第10条第3項)

児童(6歳以上13歳未満)や幼児(6歳未満)が運転する場合、その保護者は乗車用ヘルメットをかぶらせるように努めなければなりません

(道路交通法第63条の10)

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