11月 18 2009
乳癌検診学会雑誌
乳癌検診学会雑誌に論文がアクセプトされました。
ライフスタイル中立的な乳癌検診を目指して~ライフスタイルの多様性に応じた乳癌検診をいかに提供するか~
と題した論文で、現在の乳癌検診は内容や精度管理が不均一であり、それが受診者の背景(ライフスタイル)によってその差が生じていることが問題であることを述べ、その対策を考察し提言を行うことを目的にしています。
ライフスタイル中立的という表現は、ジェンダー政策などでよく使われます。社会が多様化する中、どのようなライフスタイルを選択しても一人の個人として安心して生きていけるような税制、年金などの整備が求められています。配偶者の有無や、配偶者の職種、本人の勤務形態などによって税制や年金などに差が出ないようにするべきだという時などに「ライフスタイル中立的」という表現を使います。
我々は、乳癌検診受診対象者である女性がどのような社会背景であったとしても等しく乳癌検診を受診する機会を与えるべきであると主張しています。まさしく「ライフスタイルに中立的な」乳癌検診制度を求めているのです。
専業主婦であったとしても、パートタイマーでも派遣でも正社員でも40歳になったらマンモグラフィによる乳癌検診を少なくとも2年に1回は受診する機会が与えられるべきです。
専業主婦は住民検診を受診、仕事を持っている人は職場の健(検)診を受診することになるのだと思いますが、職場の健(検)診はしばしばパート、派遣、正職員などでその内容に差があることもあり、住民検診ほど精度管理が厳密でないことがあります。
特に女性は男性以上に仕事を持ったりやめたりという流動性が高いですし、正社員率が低いのでよほど問題意識を持っていないと健(検)診を受け損ねることが多いと思います。
そもそも、住民検診対象者数の算出法は
[(30歳以上の京都市の女性人口)-(就業者数)+(農林水産業従事者)-(要介護4・5の認定者) ]÷2
ですから、仕事をしている人のうち、農家や林業や漁業に従事している人は健康保険が国保になっているだろうから住民検診を受けざるを得ないが、それ以外の事業所などに勤務している人は基本的に事業所で検診を受けてくださいねということなんですね。
職域で受ける乳癌検診が住民検診と同レベルの内容でなければならないという根拠はここにあります。住民検診にはある程度公費が投入されるわけですから、職域の検診にも同程度の公費を投入して整備しなければ不公平です。

