Archive for the '教育' Category

5月 21 2011

薬草園フィールドワーク

Published by under 会の活動,教育,漢方

今日は第7回かもがわ漢方研究会がありました。

最初に口腔心身症に関して京丹後市立久美浜病院 診療部長・歯科口腔外科部長で、京都大学医学部で非常勤講師もされている堀信介先生にご講演いただきました。

舌痛症や味覚異常などの歯科口腔外科領域の心身症が増えているのだそうです。特に、明らかな器質的異常所見がないのに舌が痛いという舌痛症の対応には苦慮することも多く、精神科や心療内科と歯科口腔外科の協力体制が必要なのだそうです。
0412.jpg

全く知らない話で興味深く拝聴しました。柴朴湯、半夏瀉心湯、加味逍遥散などが用いられ、抗鬱剤などとも併用して急性症状を取り除き、抗鬱剤の方を中止して漢方だけで維持していくのが理想だそうです。

私たち消化器外科医が大腸癌治療などの際に患者さんの副作用対策にはステロイドなどいろいろ手を尽くしますが、特に抗癌剤使用時の口腔内違和感や口内炎などについては、十全大補湯や補中益気湯などの補剤、消化器症状などを伴うときは六君子湯や半夏瀉心湯などがおすすめだとうかがいました。

次に、京大薬学部の伊藤先生の案内で、薬学部の薬草園の見学に行きました。何しろ蚊が多いということで蚊取り線香をたくさん持ち歩きました。幸い私はスーツを着ていましたのでひとつも刺されずに済みましたが、若い学生さんで足をむき出しの方がおられてその方が蚊の標的になってくださったようです。

0642.jpg

みんなでぞろぞろと薬草園に入り、先生の解説で葉っぱをちぎって匂いを噛んだり味見をしたりしました。ビンクリスチンの材料というツルニチニチソウはやめときましょうと言われました。苦いのや甘いのやいい匂いのや、いろいろな薬草がありました。

0582.jpg

おなじみの麻黄をみて私も思わず携帯電話で写真をとってみました。栽培は難しくないのですが、国内で栽培するとコストがかかりすぎて、薬価で定められている額ではペイしないだろうということです。

ハウスのベトナム産桂皮もとてもいい匂いがしました。ベトナム産の桂皮は京大の薬草園にしかない(他のところは中国産ばかりだそうです)ので自慢の逸品のようです。

学生さんから、結構大先輩と思われる開業医の先生方(もはやリピーターになってくださっています。ありがとうございます。)まで、総勢20名以上でぞろぞろとやや時間を延長して熱心に見学しました。 ただぼうっと眺めるだけでなく、伊藤先生の緩急つけた解説がポイントです。植物に関しても、その薬効成分についてもたいへんお詳しいので、ポンポンと解説が飛び出してきます。

0652.jpg

薬草園ツアーは季節的な制限もあるのですが(真冬は枯れ草だらけで面白くないそうです)、とても好評のようだったのでいずれ折を見てまたやりたいと思います。

さらに、一般向けにどうアレンジするかも考えていきたいです。

No responses yet

7月 30 2010

日本医学教育学会:発表

Published by under 学会活動,教育

本日、日本医学教育学会に参加してきました。

0062.jpg

もちろん、発表してきました。タイトルは「勤務継続のための女性医師支援から戦略的女性医師支援へ」です。

女性医師が仕事を続けられないなんてことは今の時代にはありません。 外来業務だけとか、パートタイマーとか、いろんな形で仕事を続けていくことはできます。

これからはいかに評価を受けていくかが重要です。他の演者が研修医のアンケートで男性より女性の方が自分自身の技術習得を低く評価しているという報告をしていました。私が3月に実施した京大病院全医師対象のアンケートで、男性医師の方が自分の労働量や技術に見合った報酬をもらっていないと報酬に対する執着が強い傾向が見られました。4月の外科学会でも、女性医師はたいてい夫が医師なので仕事が出来れば給料はなくても良いかもしれないなどととんでもない発言をしたフロアの発言者がいました。(夫の職業と自分の労働は全く独立したものであり、夫がいくら給料をもらっていようとも妻の報酬には関係ないはずです。自分の労働や技術料を安く買い叩かれて平気なのであろうか、プライドはないのであろうかと感じました。はっきりいっておこがましい話です。)
女性医師が自分を低く評価してしまうのは何か卑屈になってしまう原因があるに違いないのです。

女性医師が誇りを持って仕事を続けていくためにはそれなりの待遇が必要です。
もちろんそれは男性医師にも同様で、さらにいえばすべての労働者に共通することだと思います。

すべての発表が終わった後、演者どうし名刺交換したり写真をとったりしました。東京医科大学の先生が、私の視点は正しいと同意してくれたのがうれしかったです。先生は3年くらい前から同様のことを主張されていたそうなのですがだれもうけいれてくれなかったのに、今日の私の発表はフロアにも比較的受けが良かったのが感慨深いとおっしゃっていました。

何か協力して動けるといいのですが・・・

2 responses so far

5月 26 2010

府立医大図書館と学会誌

Published by under 学会活動,教育

本日府立医大図書館に行ってきました。

もちろん京大にも医学図書館はあるのですが、府立医大図書館ほど充実していません。最近改装工事をしてきれいにはなったのですが、大きさはそのままで書庫は狭いし机もそんなにたくさんありません。そもそも蔵書が少ない(特に国内学会誌)ので、 蔵書検索をして京大になくて府立医大にある場合が結構多いのです。

久々に府立医大図書館に行き、お目当ての雑誌を複写してきました。複写の手続きも京大だと面倒ですが、府立医大では簡単でした。

府立医大図書館はきれいで広くて本も多くて快適です。せっかくなので利用者証も作成してもらうことにしました。

これからはインターネットでPDFファイル化された雑誌をダウンロード出来るようになっていくと思います。そもそも毎月送られてくる学会誌は全部読む暇もないし、置いておくところもないし、できれば必要なときに必要な分だけダウンロードできるシステムに移行して欲しいです。例えば救急医学会雑誌は雑誌そのものの送付はなく、インターネットで閲覧可能にしています。

紙代や印刷代、送料を考えると学会誌というものは全くエコでありませんね。

No responses yet

5月 23 2010

ネガティブなことを教育する

Published by under 教育

教育とは明るい未来を期待させるものでなければならないと思っていました。

例えば子どもが将来に対して前向きに明るい希望を持てるように。

より好条件の職につくための教育(あるいは訓練?)もあるでしょう。

しかし、最近はネガティブなことを教える必要もあるかもしれない、と考えています。私は教育の専門家ではないので詳しい人がいれば教えて欲しいのですが、どこかの段階で世の中はなかなか厳しく、時として理不尽なことが沢山あるということ、自分が努力してもどうしようもないことが多々あるということを伝えなければならないと思うのです。もちろんその際にはかなり気を使わなければならないでしょうから、その方法論があれば知りたいと考えています。

例えば件の「女性医師問題」をはじめとする男女共同参画の在り方についてですが、私たちが受けてきた教育があまりに男女同じすぎたことが大きな問題ではないかと考えています。女性が男性並みに高等教育を受ける機会を得たことは喜ばしいことですが、就職して社会人になったあとの社会はあまりに性別分業が固定化しており、その時点で男女の差をいきなり感じることになります。

巣立っていく社会は男女共同参画などまったくお題目にしかなっていない世界であることを教えないのは「不親切ではないか」と感じます。女性も努力をすれば良い成績を上げることができ、資格も取れるかもしれないけれど、それらを社会で活用することが本当にできるのか、 その困難さを誰も教えてはくれません。

ネガティブなことをいかに教育するか、深い問題だと思いませんか。

ネガティブなことを伝えたあと、さらにそれをどう克服するかの戦略を一緒に考えていく、そういう教育が必要なのだと思います。正面から突破するのか、搦手から攻めるのか・・・生きていくための知恵を教えることは重要だと思います。

No responses yet