3月
31
2011
国際学会に参加するために、パスポートの申請をしました。ずっと旧姓のままでおいていた前のパスポートの期限が切れてしまい、とうとう戸籍名というものと向き合わなければならなくなりました。
外務省としてあまり宣伝はしていませんが、旧姓併記のパスポートというものを作成してもらうことが可能です。ただし、結婚前から結婚後にわたり、Kae Okoshiの名前で国際的な業績があることを示さなければなりません。もちろん私にそんなたいそうな業績があるわけではなく、英文論文が幾つかあるという程度です。
それでも、自分の名前の入った英文論文の表紙(結婚前の日付のものと結婚後の日付のものを2,3ずつ)と、現在勤務先でも旧姓で仕事をしているということを示すために旧姓で氏名が記載されている職員証のコピーを提出しました。
外務省で審査されるということで通常の申請よりは1週間余分に時間がかかりましたが、事前に京都の旅券事務所の問い合わせて必要なものを揃えていったのでトラブル無くスムーズに行きました。
Surname: ABC (OKOSHI)
Given name: KAE
と記載され(ABC部分は私の戸籍名上の姓)、所持人自署の欄は「大越香江」と漢字でサインすることが可能でした(もちろん戸籍名でも可)。
埋めこまれているICチップを読み込んでも旧姓は反映されないのですが、少なくとも見えるところには旧姓が併記されました。
夫婦別姓法案も通りそうにありませんので、しばらくこのパスポートで満足しなければなりません。健康保険証はすでに戸籍名になっていますし、運転免許証も今年更新なので、更新したら戸籍名に変わってしまいます。
少なくとも外務省は、キャリアの途中で姓が変わることの不利益を認識しているわけです。 健康保険証や運転免許証も同じように旧姓併記してもらいたいものです。
1月
22
2011
28日のシンポジウム参加のお申し込みが着々と届いています。私が主宰するシンポジウムはこれで3回目なのですが、今までで一番反響が大きいです。
オーガナイザーにして司会も担当するので、当日はコマネズミのように走り回っていると思います。また、当日は病院長が東京出張から戻って来ての講演になることもあり、新幹線が無事に走ってくれるか胃の痛いところです。
不手際は多々あると思いますが、皆様よろしくお願い致します。
10月
03
2010
京都大学女性研究者支援センターが主宰する高校生車座フォーラムの詳細が女性研究者支援センターのHPに掲載されています。
今の私を研究者といえるのかどうか難しいところですが、お声がかかりましたので参加することにしました。グループAのところに私が載っています。そうそうたる研究者の先生方の中で全く冴えません。
ただ、参加する高校生の中には医学部を志望する人が多く、医学系の講師の参加が必要なのだということでした。あまりポジティブなお話をしてあげられないかもしれないなあ、とちょっと気弱になっています。私が高校生だったことといえば20年くらい前の話ですが、自分が頑張ればなんとかなると思っていましたし・・・若い人達も同じように思っているでしょうしね。
11月は超多忙です。若手医師の会関係のイベントもメディカルカフェ(20日)、かもがわ漢方研究会(27日)と続きます。
9月
19
2010
何気なく7月の医学教育学会で出したスライドを見ていたら、やっぱりこれは面白いんじゃないかと思ってここでも公表することにしました。今年3月に京大病院全医師を対象にした調査研究のごくごく一部です(画像をクリックすると拡大します)。

家のことをほとんど引き受けてくれる奥さんがいるのといないのとでは、外で働ける時間に差が出るのは仕方が無いように思いますがいかがでしょうか。
ちなみにすべてのデータは近いうちに公表予定で準備をしています。ご利用になりたい方はご自由に使っていただいてかまいませんが、出典を明らかにするという意味でご連絡をお願い致します。
8月
25
2010
労働政策研究報告書を読んでいると、くるみん(次世代認定マーク)なるものが出てきたので何かと思って調べてみました。
次世代育成支援対策推進法により、事業主が従業員の子育て支援のための行動計画を策定・実施し、その結果が一定の要件を満たす場合に、厚生労働大臣の認定を受けることができます。認定を受けると、認定マークを商品等につけることができるのだそうです。そのマークの愛称がくるみんなのだそうです。
はじめて知りました。見たことのないマークです。平成19年に決定したので3年以上前からあるマークなんですね。
厚生労働大臣が認定するんだったら、病院も取得を義務付けたらいいのにと思いました。くるみん取得病院は診療報酬がアップするとか。病院は次々に認定を受けようと画策し、様々な育児支援を打ち出し、くるみん取得病院に若手医師が殺到して医師過剰になり病院が嬉しい悲鳴を上げる・・・そういう効果があればいいのですが、今のところ残念ながら私の妄想です。
マークとか認証とか、どれくらいの費用対効果があるんでしょうか?何らかのインセンティブがないとわざわざ取得しようとは思いませんよね。
8月
17
2010
2008年度というともう昔のことのようですが、京大病院で女性医師に関する実態調査等をした報告書がGCOE親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点のHPで公開されています。
http://www.gcoe-intimacy.jp/staticpages/index.php/WorkingPaper_ja
2009年度もまとめて担当教官に送付済みです。加筆修正の上、同じようにHPにアップしてもらう予定です。
6月
15
2010
京都大学における男女共同参画に資する調査研究(2010)研究ユニットが決定し、女性研究者支援センターのHPで公表されています。
グローバルCOE親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点のHPにも出ています。
3年目の採択なのでさらなる向上を目指して今回は医師の勤務体系と医学教育という二本立ての研究テーマになっています。
5月
12
2010
本日、法人として口座開設をしてきました。
ゆうちょ銀行
記号:14420 番号:37191981
トクヒ)キョウトノイリョウヲカンガエルワカテイシノカイ
特定非営利活動法人京都の医療を考える若手医師の会
です。他の銀行などからの振り込みの場合は
店名:四四八(読み ヨンヨンハチ) 店番:448
預金種目:普通 口座番号:3719198
となります。年会費5000円で入会金は無料です。入会希望の方はご連絡をお待ちしております。もちろん会の趣旨にご賛同いただける方のご寄付もお待ちしております。info@kyoto-wakateishi.com
実は三菱東京UFJ銀行でも口座開設をしてきたのですが、 法人の代表である私の名前をしつこく記載しなければならないのでうっとうしくなって途中で手続きを辞めようかと思ったくらいです。あまりにうっとうしいので銀行員に書いてもらいました。署名が必要なところは可能な限り小さくよくわからない字で書きました。
通帳にも私の名前が記載されたので使う気になれず、当面使わずに凍結させておきます。
法人の登記の際はやむを得ず戸籍名を使用しているので口座の開設にも戸籍名が必要になります。可能な限り大越姓で生活している私にとって、戸籍姓(大越ではない)を自分で記載することはかなりストレスフルな作業になります。
その点ゆうちょ銀行での口座開設は気楽でした。もちろん身分証明書の提示は必要なのですが、自分で戸籍名を書くことも要求されず、通帳にも記載されず、心は晴れやかです。
戸籍姓を自分の手で記載することについてなぜそこまでストレスを感じるのか自分でもよくわかりません。京大病院採用の際に必要な書類にわざわざ「戸籍名で」記載せよという一文を見た瞬間にもアドレナリンが分泌されるのを感じました。
カウンセリングを受けて自分を納得させなければなりませんでした。
そのときのメンターのアドバイスは単純明快。
「戸籍名で記載せよ」という指示のある書類のみ戸籍名で記載してそれ以外の書類は自分の思うように記載すればよい、というものでした。事務方でどのように処理されたかはわかりませんが、何も言われませんでした。もちろん同時に旧姓使用届も出したわけですが。
ちなみに戸籍名で呼ばれてもほとんど人ごとのような感じなので、意識レベルが低下しているときは戸籍名で呼ばれても多分反応できないと思います。健康保険証には戸籍名で記載されているので病院に運ばれたら多分誰も私のことを「大越」とは呼んでくれません。逝きかけた私はそのまま逝ってしまうと思います。
2月
18
2010
去年NHK教育で、ペネロペというアニメ番組をやっていました(平日朝7時40~45分)。
3歳のコアラの女の子のお話なのですが、私は最初女の子だとはわかりませんでした。よくよく考えるとセリフでは「わたし」と言っており、声優も女の子が担当しているので普通に考えると女の子なのですが・・・
ペネロペは体が水色なのです。
どうも、赤系が女、青系が男という固定概念があるようです。日本ではトイレの色分けもそうなっていますね。
海外旅行に行くとトイレの男女のマークが赤青に色分けされていないので慣れるまで面食らいます。つまり、日本では青は男、赤は女と何となくイメージづけられているわけです。
ペネロペの原作者はフランス人なので女の子は赤、という固定概念がないのでしょうか。
私は小学生の頃、どうして男の子はランドセルの色が黒で、女の子は赤なのだろうと考えていました。また、壁に貼られたクラスメートの氏名一覧をみると、やはり男子が黒で女子が赤で書かれており、順番も男子が先でした。今はどうなっているのでしょうか。
そういえば、紅白歌合戦では男性が白で女性が赤ですね。どこまでも女性を赤色にしたいようです。
実は私はこのペネロペがお気に入りでDVDまで買ってしまったのですが、内容もさることながらこの自由な色彩感覚に惹かれているのかもしれません。
水色の3歳のコアラの女の子、優等生でもなく、いたずらを考えたり失敗したりなかなかキュートです。
(ちなみに同じ時間帯で今放送されているマノンというアニメはまったく面白くありません。)
2月
17
2010
最近の日経メディカルオンラインに男性の4割超が「女性増は医療崩壊の一因」という記事があります。
女性医師の増加が、いわゆる「医療崩壊」の一因になっていると思いますか?という質問に対して男性医師の4割超がYesと回答しているということを意味しているようなのですが、、
男性の4割超が「女性増は医療崩壊の一因」
こんな表現許されますか?
この設問自体ナンセンスだと思います。女性が増えたために医療が崩壊したと4割以上の男性が考えている?
誘導的であるに加えて、こんな結果を得たところで何かプラスになるのでしょうか。職場に女性が増えると困る、そういう世の男性が多いということを明らかにしたところでどうにもならないし、こんな時代錯誤的な(男女共同参画の流れに逆行するような)男性が医師には多いという調査でしかありません。
女性医師が勤務継続できないような世の中について論じることについては価値があると思いますが、
女性が増えたら医療が崩壊した→女性の医療界への進出はよろしくない
とネガティブにもとれるような質問設定、およびこの見出しの表現は不適切だと考えます。