Archive for the '研究活動' Category

7月 15 2010

医師のワークライフバランスに関する調査結果

本日、今年3月に実施した京大病院医師のワークライフバランスに関する調査研究の集計について経済研究科の共同研究者たちとディスカッションをしてきました。

京大病院医師の全体的な傾向としては、診療環境や診療の質については概ね満足しており、個人的には向上心が強いが、労働時間が長すぎて過労傾向にあること、報酬については大いに不満を持っていること、また研修医は十分トレーニングを積む機会がないと感じていることなどが挙げられます。

概ねプロフェッショナルとしての誇りを持って働いている集団であると言えそうです。ただ、そのプロフェッショナルに対して十分な待遇が与えられていない可能性が示唆されます。

プロフェッショナルの語源は、“profess(宣誓する)”という言葉からきており、神に対して告白、宣誓した人や神の託宣を受けた人を指していました。つまり、最初は聖職者のみを指し、それが裁判官や医師に広がったそうです。「神に誓いを立てなければならないほど厳しい職業である」という意味で、高い倫理観と社会的規範を持たなければならない職種と言えそうです(最近ではアマチュアに対するプロ、という安易な言葉になってしまっていますが)。

医師が高い倫理観と社会的規範を維持するためには、継続的な教育とある程度の待遇(貧すれば鈍す)が必要なのではないかと感じています。

教育、というのは診療技術や最新の医学知識ももちろんですが、社会や経済、疫学、世の中の動向なども含めて知る必要があると思います。そうしなければ社会的規範の構築がかなり偏ったものになってしまいます。そもそも医師は忙しすぎて診療現場以外で社会とつながることが少ないです。

また、長時間勤務の制限による睡眠時間の確保、ある程度の報酬保証によるアルバイト減も必要です。アルバイトに行けばその分労働時間が増えますし、留守中の研修医の指導がおろそかになります。医療安全上も大いに問題だと思います。
(私の大学病院での手取り報酬が月額12-15万円くらいです。週4日勤務で当直や時間外をつけていないことと、部分休業により勤務時間を1日あたり1時間15分短縮していることもありますが、それにしても生活できる金額ではありません・・・そもそも子どもふたりの保育料が月額11万円ですから)

大学病院は特殊な世界なので、一般的な話をするために今後このような調査研究を広く行おうと思っています。私は京都府医師会勤務医部会幹事をおおせつかったので、そういう場でも展開してみようかな、と考えています。

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6月 29 2010

申請書作成

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最近、研究やこの若手医師の会の活動に関する申請書の作成に追われていました。実は明日締切りの共同研究の申請書もあります。。。。京都大学学術情報メディアセンターコンテンツ作成共同研究に応募する予定です。

申請書作成はとても面倒な作業なのですが、もちろん助成金や研究費をもらうことを期待している以上、研究や活動内容に関する価値を認めてもらわなければなりません。

また、申請書を作成している過程で見えてくるものもあります。漠然としていたアイディアを具体化させる作業でもあります。
申請しても結構落ちます(笑)。それでも出さなければ通らないので、落ちてもめげないメンタリティが必要です。

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6月 13 2010

はやぶさ最後の日

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はやぶさが予定通り日本時間6月13日22時50分過ぎに大気圏突入を果たしました。リアルタイムで今か今かと見ていたら、はやぶさの最後の光を見ることができました。
予定より3年長引いた旅の総距離は、約60億キロ(月への往復約8000回に相当)に達しました。長旅も長旅です。

テレビを付けていても全くはやぶさの実況中継などをやっていないので腹を立て、JAXAのホームページをいろいろ見ようとしましたがアクセスが集中しているためかなかなか繋がらない・・・さらにネットで探していたら和歌山大学が実況中継をやっていました。実はリアルタイムでは映像と音声がとぎれとぎれであまりはっきりと見ることが出来なかったのですが、録画された動画をもう一度見るとはやぶさの最後の光の軌道をはっきりと見ることが出来ました。(2分59秒から佳境)
何だか涙が出そうでした。7年間も宇宙を旅をしてきて地球の大気圏まで帰ってきたけれど地上にはたどりつけないというのは何だかけなげで・・・

それにしても、ツイッターでどんどんチャットと言うかメッセージが入っていますが、私と同じようにこの瞬間をテレビでは流していないことに怒っているものがいくつかありました。テレビなんて役立たず!申し訳ないけれどサッカーよりこっちのほうがよっぽど面白いのに。また、JAXAが事業仕分けに引っかからないように願うとも。

実は、「はやぶさ2」は重要な局面を迎えています。来年度予算に「はやぶさ2」予算が入るかどうか、という問題です。
宇宙開発は国際的な競争です。決して2番煎じになってはならないのです。

たとえば、「はやぶさ」のイオンエンジンを作ったのはNECなのですが、今回のはやぶさ地球帰還成功によりその技術の確かさが証明されたことになります。世界に誇る技術をもって世界市場に打って出ることができます。

後はカプセルの回収と中の分析ですね。サンプルは採取できていないのではないかと私は思っていますが、それはそれで次のチャンスに生かせれば良いと思います。

はやぶさが大気圏突入直前に撮影した写真はなかなか示唆的です。

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私はパソコンのデスクトップに貼りつけました。

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6月 09 2010

はやぶさ探査機の地球帰還

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はやぶさ探査機の地球帰還予定は6月13日で、あと4日になりました。
はやぶさ本体は大気圏突入により燃え尽きてしまうのですが、小惑星イトカワの試料が含まれている可能性があるカプセルは13日深夜(日本時間)、オーストラリア南部・ウーメラ砂漠内の目標地域(百数十キロ×数十キロ)に落下する予定です。なんだかわくわくします。

こういう夢のある研究は少々お金がかかっても国をあげて取り組んでもらっても構わないように思います。
色々なトラブルを乗り越えて、任務を果たしてきたはやぶさと、スタッフの方々には敬意を評したいと思います。はやりの動画をここでも紹介しておきます。完全に正確な内容、というわけではありませんが、面白く作ってあると思います。

大気圏突入の際に燃え尽きるはやぶさの軌道も、地球に衝突する可能性のある小惑星の軌道予測システムの開発に役立てられるのだそうです。

研究者としては、やはり人々に夢を与えられるような仕事をするべきですね。
満身創痍のはやぶさは無事にカプセルを地球に送り届けられるのか、カプセルは無事に回収できるのか、そしてまたカプセルの中にイトカワの試料が入っているのか、、、

科学技術はやはりナンバーワンを目指さなければオンリーワンにはなれないと思います。

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4月 06 2010

厚生労働科研費

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厚生労働科研費というのは厚生労働省が出してくれる研究助成金のことです。

「女性医師のキャリア継続に必要な医師の勤務環境とそれをとりまく医療体制・医学教育・医療文化に関する研究」

というテーマで申請していたのですが、このたび採択が決定しました。倍率は3倍ちょっとです。若手枠なので額はあまり多くありませんが、自分である程度自由に使えるお金ということでたいへんありがたいと思っています。

(自由に使えるとはいっても私のふところに入るお金は一銭もありません。)

国の財政難の中、研究費も削減される傾向の中で得られたものですから大事に使わせていただきたく思います。

医師一人を養成するのに数千万円の費用がかかっているといわれています。女性医師が勤務を継続できないということはそれだけの初期投資を回収できないということにほかなりません。私の研究が多少なりとも実を結び、少しでも多くの医師が勤務を継続できる政策に結び付けば、私の研究費などおそらく「お安い」ものになるでしょう。

さらに、医師の勤務環境の向上により、医療の質や医療安全の向上に寄与できる可能性についてきちんと評価できるようになりたいとも考えています。 現状では漠然としたままなので、その辺の論理を詰められるように勉強したいと思います。

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3月 13 2010

京大病院医師のワークライフバランスに関する調査研究

京大病院医師対象のワークライフバランスに関する調査研究について倫理委員会の審査が終了し、医学研究科長と病院長決裁にまわっていましたが、昨日付けで決裁が下りました。

来週中に調査票を配布し、実施しようと思います。しかし、640名余の医師がなんと50以上の部署に分かれて所属しており、どうやって全員に配布すればよいのやら ・・・

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1月 16 2010

医療社会学概論

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医療社会学についてのお勉強を始めました。

医療社会学は、第2次世界大戦後のアメリカにおいてmedical sociologyとして成立し、1950年代に急速に発展した社会学の一分野です。1959年にアメリカ社会学会に医療社会学部会が創設されるに至っております。

1960年代までにヨーロッパ諸国でもやや遅れて同様の発展を遂げていますが、基本的にはアメリカが世界の医療社会学をリードしています。特に、アメリカの著名な社会学者パーソンズが1951年に『社会体系論』において病気と医療を社会と関連付ける理論を明らかにしたことがその後の医療社会学の発展に大きな影響を与えています。

医療社会学にも二つの潮流があります。

医療における社会学(sociology in medicine)
医学・医療の側からの健康・病気の心理社会学的要因や保健・医療の制度や政策への関心に対し、社会学の理論や方法を役立てる傾向にあります。

医療を対象とする社会学(sociology of medicine)
社会学の側の関心やモデルに基づいて健康と医療の世界に入るため、医師・患者関係などの人間・社会関係や、価値・組織・制度・政策などのシステムを対象にする傾向があります。

「医療」+「社会」学なので、どちらの領域からアプローチするかの違いだと思います。私は医者なので医療における社会学のほうの立場になるのでしょう。

医療社会学が扱うテーマとしては、
疫学、精神、身体、社会の相互作用、代替療法、保健医療の提供と社会政策、疾患の独特な社会的分布、病気を生む社会的物的環境、医療従事者の社会組織、医療産業、医療財政、個人の責任と健康、予防医学
など多岐にわたります。

日本では欧米諸国と比較して研究者の層も薄く、研究も少ない状況にあるので、この領域で頑張ればいろいろな業績を生み出すことができるかもしれません。

日本の医学・医療界は閉鎖的で他分野からの参入に拒否的(と思われている)であることや、日本の大学の社会学コースにおいてこのテーマの講義はほとんどないことから社会学の研究者でも医療社会学を目指す人はあまりいないようです。医学・医療のほうからも社会学的な思考・研究手法を学ぶ機会はほとんどありませんので医学・医療界から社会学に手を広げようという人も少なそうです。

私がグローバルCOE「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点」や女性研究者支援センターの方々と京大病院の医師に関する調査研究を始めた際にも、「病院の実情は外からは全くわからないし、手をつけることができなかった」とどなたかに言われたことがあります。閉鎖的に見られているというのは本当かもしれません。

疾患を細かく遺伝子や分子レベルで見るのも必要ですが、社会との関連性という大きな枠組みで疾患をとらえる視点も重要ではないかと考えています。

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12月 16 2009

厚労科研費

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厚生労働研究費補助金の申請締め切りが明日の17:30になっています。学内の締め切りは昨日だったので一昨日の夜中に黙々とオンラインで申請を済ませました。結構面倒でした。

今朝、学内の担当者から電話連絡があって修正個所を数点修正してほしいと言われました。仕事をしていると、まったくそのような暇がなく、夕方催促の電話があったのでぎりぎりなんとか修正してアップロードしておきました。

テーマは女性医師支援を中心に医師のワークライフバランスや地域連携、医学教育などをからめて医師の勤務体制整備やライフスタイルに関する提言を行う、といった感じです。

事業仕分けの対象にもなっている科研費のことですから、採択は狭き門になるのでしょう。それでも機会あるごとに研究費の申請をしていかなければ研究費がとれません。

いつも、誰が審査するのだろう?と思いつつ申請書類を作成しています。今回、急性胃腸炎に苦しみつつも頑張って作成したので何とか通ってほしいものです…

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