Archive for the '研究活動' Category

1月 08 2012

咳の季節

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今年に入って気温が低いせいか、本格的な咳シーズンに入ったような気がします。特に寝入りばなの咳には消耗させられます。

手術前には気管支拡張剤を予防的に吸入して用心します。手術の時の電気メスの煙が咳を誘発することがあるからです。体調が悪い時は止まらなくなります。仕事にも支障をきたすので、早めに対応しなければなりません。

咳の発作にまいってしまい、しばらくご無沙汰していた呼吸器内科を受診してきました。もちろん指示通りに毎日吸入ステロイドを吸入していたのですが、風邪もひかないのに年明けごろから急に乾燥した咳が出るようになってきたのです。いつもは風邪をひいた後に咳が止まらなくなるのに、今回は風邪もひかないのにいきなりの咳なので、もしや喘息が急に悪くなったのではないかと心配になったからです。

勤務時間中に受診するのはどうかとも思いますが、幸いお昼ごろに呼んでもらえました。特別喘息が悪くなっているということではなく、波がある病気なのでこんなものだということでした。ただ、この咳を止めるためにはステロイドを飲むように言われました。プレドニンを1日20mgです。咳が止まるまで最低2日は飲むように言われました。前にも1度飲んだことがありますが劇的に効いて驚いたことがあります。でもステロイドというのはあまり飲みたくない薬です。今回も何とか早く治したいものです。

診察のあと、臨床試験に入っていただけませんかと打診されました。いつもは自分が患者さんに臨床試験に入っていただけませんかとお願いする側ですし、まさに今新しい臨床試験の計画を作成している最中の私なのですが、今回はお願いされる立場になったのです。お断りする理由もないので、了承いたしました。

別室で呼吸器内科の大学院生が親切にいろいろと説明をしてくれました。手渡された説明書には「重症喘息患者におけるステロイド低感受性の機序についての研究」と書いてありました。私は「重症」喘息患者だったのか?と小さな驚きを感じつつ説明を聞きました。患者の側になるとささいなことが気になるものです。

追加の採血などは必要なく、初診時に採取した血液と喀痰のサンプルを利用するので、今回は呼吸機能検査を再検するだけでした。初診時よりも○○と●●の値が改善しているので、ステロイドの効果があるのではないかと説明されました。

ただ、私にとってはステロイド吸入が咳を止める、あるいは予防する効果があるかどこのうかが重要なのであって、呼吸機能の数値の改善にはあまり意味がないように思いました。数値がよくなってもピンときません。咳を何とかしてほしいというのが私の希望です。ステロイド以外によい薬はできないものでしょうか。

ステロイドを飲み始め、咳はかなりましになりました。早くおさまってほしいです。

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12月 18 2011

女性医師インタビュー:教授版

女性医師インタビューも佳境に入ってきました。厚生科研費も今年度で終了、女性医師に関する質的研究もそろそろ終盤です。

今まで、中堅どころのドクター、すなわち私の同年代のインタビューが続いていましたが、今回は東京の大学で教授をされている先生にわざわざ京都までおこしいただくことができました。臨床における専門は病理、現在は医学教育に携わっておられます。

せっかく遠方からお越しいただいたので、昼食をご一緒しました。とても面白い話をたくさんおうかがいしてたいへん盛り上がったところでインタビューに突入です。

さすがに教授として管理する立場にある方だけあって、私たちの悩んでいるところを突き抜けてしまっているところがさすがだと思いました。強烈なメッセージは「現在の評価基準が上司からの視点しかないが、同僚やco-workerなどからの評価も基準に加えるべきで、特に教育を評価に加える際には学生からの視点も重要である。現在は教育に対する評価が正当に行われていない。」「評価はその人の能力に対してなされるべきであって、長時間働けるということに対して評価されるのは間違っている。」「女性医師は家事をするべきではない。そんな暇があれば仕事をするか子どもと関わる時間にあてるべき。」「医者になって最初の数年は雑用であれ何であれ文句を言わずがむしゃらに働くべき。伸びる時期は医者になって最初の数年しかない。」「自分を鍛えてくれる師匠を選びなさい。」ということです。

明確でもっともな指摘です。

私も若いころ一生懸命働いたつもりだったけれど、もっとできることがあったのではないかと反省しています。もっとも、私もこの質的研究を行う過程でずいぶん認識が変わりましたし、環境整備も自分で進めてきました。とにかく決められた時間に職場に到達するだけでやれやれどっこいしょ、みたいな時期から比べると少しましになりました。自分で買い物に行って夕食の準備をして、子どもたちの送り迎えも自分で行って、と何もかも自分でやろうとすることはやめました。家事はかなりの割合を外注していますし、子どもたちの保育園への送迎をベビーシッターさんなどにお願いすることも多くなりました。

何よりも大事なのは、自分で自分の仕事をある程度コントロールできるポジションにつくための努力を怠らないことかな、と感じました。今回インタビューさせていただいた先生も男性社会でいろいろ苦労しておられるようですが、教授という立場だからできること、言えることもあるのではないかと思ったからです。そして、特に女性の場合、ぼた餅的にそういうポジションがふってくるとは思えませんので、導いてくれる師の存在と背中をポンと押すきっかけ、何らかの戦略が必要なのだと思います。

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4月 16 2011

女性医師インタビュー撮影

新年度も始まりました。何とか今年度の厚生科研費も確定しました。震災や原発など気になることは多々ありますが、自分たちにできることをひとつひとつやっていくしかありません。

先日、女性医師のインタビュー撮影を行いました。これは「女性医師VOICE」として私の研究用ホームページにいずれは公開する予定ですが、主として育児を経験しながら医師としての勤務を継続している女性医師のインタビュー動画です。

これには紆余曲折あって、私と共同研究者とでホームビデオで撮影するなどの試みを続けた結果、なかなか素人では視覚的に訴える動画を作成するということは難しいということになりました。現在は京都大学学術情報メディアセンターのコンテンツ作成室に依頼してプロの手で撮影と編集をしてもらっています。出来が全然違います。

私の研究用ホームページは京都大学が提供するホームページサービスを利用したものですが、さらにストリーミング用のサーバーも利用出来るようにして動画を配信します。

動画ということになると自分の声と顔が(氏名などは公開しない)広く公開されますし、個人的なことも話すことになるので、かなりハードルが高いかもしれません。個人的にお願いしてもOKをいただけないことが多いのですが(インタビューそのものはOKでも、動画を撮影して公開するという点がやはり厳しいようです)、今回は次世代の女性医師のために自分たちが頑張らねばという強い意志を持って協力してくださいました。

インタビューに際してはもちろん念入りに準備をします。質問事項を事前に送付してあらかじめ記入しておいていただきます。インタビューのときに言い忘れや言い過ぎがないようにするためです。当日それを参考に、話し合いながらインタビューを進めていきます。

これからもぼちぼちと撮りためていけたらなあと思います。協力いただける女性医師がおられましたら自薦他薦問わずご連絡ください。

自分と共同研究者のバージョンはすでに作成済みでHPに近日アップする予定です(撮影が去年の12月だったので今とは若干内容が異なるところもありますが・・・)。

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3月 31 2011

旧姓併記のパスポート

国際学会に参加するために、パスポートの申請をしました。ずっと旧姓のままでおいていた前のパスポートの期限が切れてしまい、とうとう戸籍名というものと向き合わなければならなくなりました。

外務省としてあまり宣伝はしていませんが、旧姓併記のパスポートというものを作成してもらうことが可能です。ただし、結婚前から結婚後にわたり、Kae Okoshiの名前で国際的な業績があることを示さなければなりません。もちろん私にそんなたいそうな業績があるわけではなく、英文論文が幾つかあるという程度です。
それでも、自分の名前の入った英文論文の表紙(結婚前の日付のものと結婚後の日付のものを2,3ずつ)と、現在勤務先でも旧姓で仕事をしているということを示すために旧姓で氏名が記載されている職員証のコピーを提出しました。

外務省で審査されるということで通常の申請よりは1週間余分に時間がかかりましたが、事前に京都の旅券事務所の問い合わせて必要なものを揃えていったのでトラブル無くスムーズに行きました。

Surname: ABC (OKOSHI)
Given name: KAE

と記載され(ABC部分は私の戸籍名上の姓)、所持人自署の欄は「大越香江」と漢字でサインすることが可能でした(もちろん戸籍名でも可)。

埋めこまれているICチップを読み込んでも旧姓は反映されないのですが、少なくとも見えるところには旧姓が併記されました。

夫婦別姓法案も通りそうにありませんので、しばらくこのパスポートで満足しなければなりません。健康保険証はすでに戸籍名になっていますし、運転免許証も今年更新なので、更新したら戸籍名に変わってしまいます。

少なくとも外務省は、キャリアの途中で姓が変わることの不利益を認識しているわけです。 健康保険証や運転免許証も同じように旧姓併記してもらいたいものです。

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2月 01 2011

28日シンポジウムのご報告

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28日の朝はまだ関ヶ原の雪のため東海道新幹線が遅れており、やきもきさせられましたが夕方には定刻通りに運行するようになっていました。

東京出張の病院長は無事に時間内に戻ってくるのか、正直言って不安でした。せっかく病院長のスケジュールを最優先にして決めた日程なので、どうしても新幹線には確実に乗って帰ってきていただかなければなりません。

17時過ぎには病院長以外の演者が揃い、ほぼ定刻通りに開会しました。臨床第一講堂はVOD(何の略かは不明)というシステムが導入されており、会場の様子や接続したパソコンの画面がそのまま録画できるようになっています。 便利なシステムなので利用させていただくことにしました。

まず、医学研究科長の湊長博先生より開会のごあいさつをいただきました。

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次に私の共同研究者である京都大学大学院経済学研究科教授の久本憲夫先生よりワーク・ライフ・バランスをどう捉えるかというお話をいただきました。ワーク・ライフ・バランスのディスカッションをするに当たって、言葉の定義は重要です。また、私は以前先生が「一般的に現在ワーク・ライフ・バランスと言っているのはワーク・ワーク・バランスのことだ」と話しておられたときに目からウロコだったので、これは是非話をしてもらわなければならないと短い時間でしたが是非にとお願いしたのです。

ワーク・ワーク・バランスとは何か? 一般的にワーク・ライフ・バランスというと、仕事と家庭・育児などとのバランスのことを言うことが多いのですが、例えば女性医師が早めに仕事を終えて帰宅したとしても、家で別に自分の好きなことをして遊んでいるわけではなく、家事や育児という別の仕事=ワークをしていることになります。単にどんな仕事をどんな割合でするかという問題だからワーク・ワーク・バランスだという話です。

仕事の途中で抜けて帰ってくることに後ろめたさを感じ、なんとなく疎外感を感じていた私がどんなに慰められたことでしょうか。「途中で家に帰ったからって別に遊んでいるわけではないでしょう?」と。「別の仕事をしているわけだから」 。

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理想論を言えばワーク・ライフ・バランスの「ライフ」は趣味やレジャーなど楽しみのための時間であるべきだというお話で締めくくられました。

次に、京都府医師会勤務医部会幹事長で京都市立病院院長の内藤和世先生より勤務医問題の概要についてご講演をいただきました。明治時代は勤務医の待遇はもっとよく、戦後医師会が開業医の利益を代表するようになっていった結果、勤務医は蚊帳の外となってどんどん環境が悪化して言ったという歴史を教えていただきました。現在の医療制度では医師数を充足させようとすると病院の経営は破綻してしまうのが現状だそうです。

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次に、京大病院の黒沼美恵子副看護部長より、看護職のワーク・ワーク・バランスについて講演してもらいました。看護師の離職については頭を悩ましているところであるということ、育児中の看護師はほとんどが外来勤務であり、育児部分休業を取得し9時16時勤務になっているという現状を紹介されました。病棟業務につき夜勤をこなしている女性看護師はほとんどいないそうです。また、離職については着任後数年以内がほとんどであり、最も理由として多いのは「結婚」です。

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つい意地の悪い質問をしてしまいました。離職の理由として結婚が一番多いという点についてどう思いますかと。 仕事に色々と不満があり、ほかにも理由があるかもしれないが表に出しやすい理由として結婚を挙げているのではないかというお答えでした。実にもっともだと思いましたが、多分女性医師では結婚を理由に離職する人は殆どいないと思うと述べておきました。確かに子どもができると夜の仕事がしにくくなるというのは女性看護師も女性医師も同じだと思いますが。。。配偶者は大人なのですから夜ほうっておいても大丈夫だと思います。

さて、次に京都府立医科大学男女共同参画推進センター副センター長で京都府立医科大学大学院視覚機能再生外科学講師の外園千恵先生より、府立医大に昨年誕生した男女共同参画推進センターの紹介をしていただきました。病児保育を今年立ちあげ、いずれは地域に開放する予定であるという計画を紹介されたので、京大の病児保育の責任者である足立壮一先生からいくつかのsuggestionがありました。私もキャパシティの問題もあると感じましたし、女性医師・女性研究者の利用枠をどう確保するか、どう優先するかについて問題になる可能性があると思いました。京大の病児保育も定員をめぐって熾烈な闘いがあるものですから。私自身昨週月曜日は下の子を、木曜日は上の子を病児保育に送り込んだので、そのやりくりというか駆け引きは身を持って知っています。
しかし、病院関係者ではなくても病児保育を必要としている人はいると思うので、府立医大で病児保育を提供されるということは京都府民として決して悪いことではありません。私も多分利用出来るのでしょう。

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次に真打ち登場です。病院長の講演は30年前に医師の子どもは保育所で預かってもらえないという理不尽な目にあい、共同保育所を立ち上げ、場所がないので自宅まで提供して二人のお子さんを育てながら夫婦ともに医師としてキャリアを継続してこられた経緯をお話いただきました。病院長の夫人は京都市立病院麻酔科部長をされています。お嬢さんは産婦人科医で子育てに奮闘中です。

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京大の病児保育室は、ほかの患者さんとあまり接触せずに(感染症を院内に持ち込まないよう極力動線を離して)すむように外来棟の5階、病院長室の隣にあります。病院長は時間のあるときに病児保育室に自分のお孫さんの様子を見に行ったことがあるのですが、病児保育室のスタッフに「おじいちゃんも京大の職員なんですか?」と聞かれたというお話をされたところ、フロアでは大受けでした。特に看護師さんたちにウケていました。

私は昨年3月に実施した京大病院医師アンケートの結果と12月8日に実施したランチタイムカンファランス「女性医師のキャリアプランを考える」 の報告をしました。プレゼンを始めた時点で20時を過ぎていたので、頭の中は結構時間のことでいっぱいになっていました。もう少し時間があったほうが良かったかもしれません。

アンケート結果についてはHPに単純集計をすべてアップしているのでそれを参照してもらうことにして、簡単に流しました。

ランチタイムカンファランスについては、ディスカッションの中で示唆的なところをいくつかピックアップして紹介しました。例えば、女性医師が当直に入れないのは、朝から働いて夕方から当直に入り、翌朝も普通にそのまま働いてまた夕方まで拘束される長時間連続労働であるからだということを挙げました。もし、夕方来て翌朝帰れるのなら、いろいろやりくりは必要だし回数は少ないかもしれないが女性医師も当直可能になる場合も多いのではないかと。

この話は私にとっても実に示唆的であり、水曜日の18時からの術前カンファランスに全く出席していなかった私も、水曜日を研究日として勤務せず、夕食の準備などをしておいて夫やベビーシッターに子どもたちを見てもらって自分は18時から1~2時間のカンファランスにピンポイントで出席して終わればそのまま帰ってくるという方式を取ることにしました。そして、毎週参加しようとすると無理が出るので現時点では2週に1回程度の参加としています。

こうして考えると、女性医師の知恵や工夫を集積することにはとても意味があるのではないかと言えます。

そこで、我々は様々な女性医師にインタビューをして撮影し、動画を集めて公開していこうと考えており、そのプロジェクトについて紹介しました。

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自分の報告が終わると20時30分近くになっており、もう頭の中は閉会モードになっていました。大変失礼なことに閉会のごあいさつをお願いしていた京都大学女性研究者支援センター女性研究者支援推進室長・京都大学グローバルCOE「親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点」事務局長の伊藤公雄先生のことをすっかり忘れて閉会しそうになってしまいました。 伊藤先生が自主的に出てきてご挨拶をしてくださったので助かりました。

3時間の長丁場、とても疲れました。でも80人くらいの参加があり、看護師さんもたくさん来てくれたのでとても良かったです。

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11月 15 2010

厚生科研費によるHP公開のお知らせ

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私の厚生労働科研費による研究ホームページが完成しました。
http://www.kumwa.kuhp.kyoto-u.ac.jp/index.html

これから調査研究の結果などもアップしてどんどん進化していく予定です。
この若手医師の会のHPともどもよろしくお願いいたします。

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9月 10 2010

厚生労働科研費に採択されている研究課題

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私が今年度の厚生労働科研費をもらっていることは以前にも書いたと思うのですが、他にどんなテーマが採択されているのか調べてみました。「傾向と対策」を調べることは重要です。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkyuujigyou/hojokin-koubo16/21.html

地域医療基盤開発推進研究事業に採択された研究課題の一覧表が出ています。私の研究課題は下から2番目です。私は若手枠のはずなのですが、こうして全体を見ると若手枠と思われる研究代表者は他にはほとんどおらず、教授などそうそうたる方々ばかりです。

若手研究者は最初から当たらないと思ってあまり申請しなかったのかもしれません。私も種々の申請書を書いて出してきましたので、打率は必ずしも高くはありませんが、出さなければ当たらないということです。

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7月 15 2010

医師のワークライフバランスに関する調査結果

本日、今年3月に実施した京大病院医師のワークライフバランスに関する調査研究の集計について経済研究科の共同研究者たちとディスカッションをしてきました。

京大病院医師の全体的な傾向としては、診療環境や診療の質については概ね満足しており、個人的には向上心が強いが、労働時間が長すぎて過労傾向にあること、報酬については大いに不満を持っていること、また研修医は十分トレーニングを積む機会がないと感じていることなどが挙げられます。

概ねプロフェッショナルとしての誇りを持って働いている集団であると言えそうです。ただ、そのプロフェッショナルに対して十分な待遇が与えられていない可能性が示唆されます。

プロフェッショナルの語源は、“profess(宣誓する)”という言葉からきており、神に対して告白、宣誓した人や神の託宣を受けた人を指していました。つまり、最初は聖職者のみを指し、それが裁判官や医師に広がったそうです。「神に誓いを立てなければならないほど厳しい職業である」という意味で、高い倫理観と社会的規範を持たなければならない職種と言えそうです(最近ではアマチュアに対するプロ、という安易な言葉になってしまっていますが)。

医師が高い倫理観と社会的規範を維持するためには、継続的な教育とある程度の待遇(貧すれば鈍す)が必要なのではないかと感じています。

教育、というのは診療技術や最新の医学知識ももちろんですが、社会や経済、疫学、世の中の動向なども含めて知る必要があると思います。そうしなければ社会的規範の構築がかなり偏ったものになってしまいます。そもそも医師は忙しすぎて診療現場以外で社会とつながることが少ないです。

また、長時間勤務の制限による睡眠時間の確保、ある程度の報酬保証によるアルバイト減も必要です。アルバイトに行けばその分労働時間が増えますし、留守中の研修医の指導がおろそかになります。医療安全上も大いに問題だと思います。
(私の大学病院での手取り報酬が月額12-15万円くらいです。週4日勤務で当直や時間外をつけていないことと、部分休業により勤務時間を1日あたり1時間15分短縮していることもありますが、それにしても生活できる金額ではありません・・・そもそも子どもふたりの保育料が月額11万円ですから)

大学病院は特殊な世界なので、一般的な話をするために今後このような調査研究を広く行おうと思っています。私は京都府医師会勤務医部会幹事をおおせつかったので、そういう場でも展開してみようかな、と考えています。

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6月 29 2010

申請書作成

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最近、研究やこの若手医師の会の活動に関する申請書の作成に追われていました。実は明日締切りの共同研究の申請書もあります。。。。京都大学学術情報メディアセンターコンテンツ作成共同研究に応募する予定です。

申請書作成はとても面倒な作業なのですが、もちろん助成金や研究費をもらうことを期待している以上、研究や活動内容に関する価値を認めてもらわなければなりません。

また、申請書を作成している過程で見えてくるものもあります。漠然としていたアイディアを具体化させる作業でもあります。
申請しても結構落ちます(笑)。それでも出さなければ通らないので、落ちてもめげないメンタリティが必要です。

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6月 13 2010

はやぶさ最後の日

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はやぶさが予定通り日本時間6月13日22時50分過ぎに大気圏突入を果たしました。リアルタイムで今か今かと見ていたら、はやぶさの最後の光を見ることができました。
予定より3年長引いた旅の総距離は、約60億キロ(月への往復約8000回に相当)に達しました。長旅も長旅です。

テレビを付けていても全くはやぶさの実況中継などをやっていないので腹を立て、JAXAのホームページをいろいろ見ようとしましたがアクセスが集中しているためかなかなか繋がらない・・・さらにネットで探していたら和歌山大学が実況中継をやっていました。実はリアルタイムでは映像と音声がとぎれとぎれであまりはっきりと見ることが出来なかったのですが、録画された動画をもう一度見るとはやぶさの最後の光の軌道をはっきりと見ることが出来ました。(2分59秒から佳境)
何だか涙が出そうでした。7年間も宇宙を旅をしてきて地球の大気圏まで帰ってきたけれど地上にはたどりつけないというのは何だかけなげで・・・

それにしても、ツイッターでどんどんチャットと言うかメッセージが入っていますが、私と同じようにこの瞬間をテレビでは流していないことに怒っているものがいくつかありました。テレビなんて役立たず!申し訳ないけれどサッカーよりこっちのほうがよっぽど面白いのに。また、JAXAが事業仕分けに引っかからないように願うとも。

実は、「はやぶさ2」は重要な局面を迎えています。来年度予算に「はやぶさ2」予算が入るかどうか、という問題です。
宇宙開発は国際的な競争です。決して2番煎じになってはならないのです。

たとえば、「はやぶさ」のイオンエンジンを作ったのはNECなのですが、今回のはやぶさ地球帰還成功によりその技術の確かさが証明されたことになります。世界に誇る技術をもって世界市場に打って出ることができます。

後はカプセルの回収と中の分析ですね。サンプルは採取できていないのではないかと私は思っていますが、それはそれで次のチャンスに生かせれば良いと思います。

はやぶさが大気圏突入直前に撮影した写真はなかなか示唆的です。

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私はパソコンのデスクトップに貼りつけました。

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