8月 17 2010
2008年度の調査報告まとめ
2008年度というともう昔のことのようですが、京大病院で女性医師に関する実態調査等をした報告書がGCOE親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点のHPで公開されています。
http://www.gcoe-intimacy.jp/staticpages/index.php/WorkingPaper_ja
2009年度もまとめて担当教官に送付済みです。加筆修正の上、同じようにHPにアップしてもらう予定です。
8月 17 2010
2008年度というともう昔のことのようですが、京大病院で女性医師に関する実態調査等をした報告書がGCOE親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点のHPで公開されています。
http://www.gcoe-intimacy.jp/staticpages/index.php/WorkingPaper_ja
2009年度もまとめて担当教官に送付済みです。加筆修正の上、同じようにHPにアップしてもらう予定です。
6月 15 2010
京都大学における男女共同参画に資する調査研究(2010)研究ユニットが決定し、女性研究者支援センターのHPで公表されています。
グローバルCOE親密圏と公共圏の再編成をめざすアジア拠点のHPにも出ています。
3年目の採択なのでさらなる向上を目指して今回は医師の勤務体系と医学教育という二本立ての研究テーマになっています。
4月 23 2010
兵庫県でも「女性医師バンク」というものがあるのだそうです。しかし・・・
出産や育児などで離職した女性医師の再就職を支援する「女性医師バンク」の登録者が創設から2年間でわずか5人なのだそうです。どれだけの費用と人員を要しているかは知りませんが、お粗末な結果と言わざるをえません。
なぜかというと目的が不純だからだと私は思います。
その目的というのは、医師不足に悩む県内11の県立病院への就職の仲介なのだそうです。そもそも医師が行きたがらないから医師不足になっているのであって、そういうところにわざわざ女性医師を送り込もうとする意図というのがよくわかりません。
バンクに登録すると、希望病院の受け入れ態勢を確認後、臨床研修をしながら復職する仕組みです。とはいえ、今までバンクの募集情報は県のホームページの掲載のみだったということですからそれはまああまり発信力がなさそうです。それは集まらないでしょう、どう考えても。県や府のホームページを細かくチェックする医師がそうそういるとは思えないですよね。
ちなみに京都府でも女性医師再就業支援事業なる事業を行っています。
臨床現場に復帰される女性医師の御意向を踏まえ、研修実施医療機関が、再就業に至る個別支援プログラムを作成し、再就業の促進を図ります。
支援プログラムを作成、実施いただいた医療機関の経費を助成します。
だそうです。月額:150千円の助成金が多いか少ないかは微妙なところですね。
支援プログラムって内容をどうにか吟味するのでしょうか・・・う~ん、ちゃんと評価できる人はいそうにないですね・・・
3月 15 2010
「女性外科医の勤務継続とキャリアアップのために何が必要か?」
というシンポジウムがあります。4月10日13:00~15:00です。
演題が通ったので当日京都~名古屋を往復してくるつもりだったのですが、当日朝7時から事前打ち合わせをするといってきました。
朝7時に名古屋国際会議場に行くためには、前日名古屋に宿泊している必要があります。京都から朝一番の新幹線に乗っても間に合いません。
他のテーマならそういうこともあるのか、と仕方がないと思うのですが、しつこいようですがテーマは「女性外科医の勤務継続とキャリアアップのために何が必要か?」です。女性医師支援として育児支援だの勤務時間短縮だのオンコール・当直免除だの時間外のカンファランス廃止だの言いながら、朝7時です。
第一、学会会場の託児室だって7時30分からしか開設されません。
臨床外科学会でも同様でしたが、こういう無頓着さが女性医師の勤務継続を困難にするのだと思います。
3月 07 2010
昨日、京都府医師会勤務医部会総会がありました。後半は女子医学生・研修医をサポートする会ということで私はそのパネリストとして参加しておりました。
まず名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科部長の加藤久美子先生がご講演をされました。女性の腹圧性尿失禁の第一人者で中学生の男の子の子育て中のお母さんでもあります。たいへん歯切れのよい興味深いご講演でした。 後の質問やディスカッションでは、女性向きのサブスペシャリティをめざすことはよいが、研修の初めから狭い領域を目指すのではなく、泌尿器科なら泌尿器科全般を見ることができるようになった上でさらにサブスペシャリティを極めるべきではないかという話になりました。
次に京都府医師会の桑原仁美理事より女声医師の勤務環境に関するアンケートの集計結果の報告がありました。桑原先生には以前私が主催したシンポジウムでもご講演いただきました。
次に、京都大学医学部の学生さんが医学部生としての気持ちを率直に語りました。なかなかしっかりと発言していました。
後のディスカッションで、最近の女子医学生は昔と違って簡単に仕事をやめたり、夫探しに医学部に入っている人もいたりと自覚に欠ける人もいるのが問題であるという指摘もありましたが、彼女に次いでは全くそのようなことはないと確信しました。少なくとも私の同級生にそんな無自覚な女子医学生はいませんでした…また、子育てなどで仕事を縮小はしていてもやめている人はいません。
その次が私の番でした。自分の仕事史や現在問題に思っていることなどを話してほしいという要望だったので、自分が消化器外科医としてどのような働き方をしていくべきか悩んでいるということと、これまでやってきた調査報告について軽く紹介しました。
最後に洛和会音羽病院の近藤摂子皮膚科部長よりプレゼンがありました。勤務を続けておられる女性医師の紹介などをされました。
懇親会ではいろいろな先生から声をかけていただきました。
小児科の女性の先生(おそらく50代と思われます)は、子どもの話をちゃんと日常的に親が聞いてやらないと(これは祖父母では代替できないそうです)思春期になってしっぺ返しにあうということもあると話しておられました。仕事は数年縮小しても必ず取り返せるとも。
男性の先生方は頑張れば大丈夫というご意見が多かったです。
また、私のことを強気な部分とものすごく小心な部分があるのが興味深いとおっしゃっておられた先生もいました。
理事の先生からは、数年腰をすえて調査研究をやって英文誌に投稿するのがよいのではと助言をいただきました。
私はこの調査研究は一学問領域としてとらえていますので、先生のおっしゃるように淡々と科学的(社会学的・経済的)に調査研究を進めていくことを考えています。
本日の話では、女性医師問題は勤務医全体の問題であるというお話でしたが、実は医療全体、社会全体の問題であると思っております。医師の側の体制づくりもさることながら、医療サービスを受ける側の問題も考えていく必要があると考えており、今後は患者や患者予備軍である国民全体の医療に対する期待感や健康観・疾病観・死生観などにつき調査したり場合によっては介入したりすることも検討してもよいと思っています。
ところで、私自身が旧来の外科医としての勤務の在り方にこだわりがあることにふと気付きました。昔自分がフルタイムで外科医として働いていた時どおりの仕事の仕方ができないことに焦りを感じているということです。
いろいろな先生方と交流もできましたし、私にとってはとても有意義な会でした。ただ、女子医学生・研修医をサポートする会なのですがその対象である女子医学生や研修医の参加が少なかったように見えたのが残念です。
3月 01 2010
4月8~10日に、名古屋で第110回日本外科学会総会が開催されます。
10日に、「女性外科医の勤務継続とキャリアアップのために何が必要か?」というシンポジウムが開催されます。
演題を出したところ、一般口演ではなくシンポジウムのほうに採択されたので、ちょっと頑張らなければなりません。
最初に
消費者・食品安全・男女共同参画・少子化対策担当大臣 (長い!!!)
福島みずほ氏がビデオレターを寄せてくれるそうです。
最後に
厚生労働省医政局医事課の人が女性医師支援について語ってくれるそうです。
その他、筑波大心臓血管外科、 東京女子医大心臓血管外科の女性医師と育児休暇を取得した男性医師による演題があります。
実は、シンポジウムでしゃべろうと思っていた調査研究は、事前の倫理委員会の審査が思いのほか長くなり、まだ実施できていません。現在審査自体は終了し、医学研究科長と病院長の決裁待ちなのですが、これが結構時間がかかるという噂です。
間に合わないんじゃないでしょうか!!!(もう3月ですし)
ぎりぎりまで頑張ってみようと思います。
2月 28 2010
3月6日(土)に京都府医師会勤務医部会総会があります。医師会って開業医の集まりかと思いきや、実は勤務医部会というものもあるのです。
この総会の後、 平成21年度女子医学生・研修医をサポートする会が開催されます。
私はその会にパネリストとして呼ばれているのですが、仕事史・子育て史を語ってほしいというご要望です。私の経験などまったく参考にならないと思うので、どうしたものか悩み中です。
今回の会合から、会場に保育ルームが開設されることになりました。人の顔の区別がつかない時期か、ある程度大きくなって知らない人ともある程度の関係を築ける年齢ならよいのですが、子どもは知らない人、知らない場所にかなりストレスを受けるようです。特に人見知りの時期は大絶叫です。最近学会などでも託児室が開設されるようになってきましたが、そもそも会場に連れていくこと自体の負担や、慣れない環境にひとり置いてくること、食事を持参しなければならないことを考えるとそれはそれでたいへんです。
それでも育児中の女性医師が子どもの預け先がないばかりに種々の会合や研究会、学会に参加できないということがなくなっていくのはよいことなのでしょう。子どももたくましく育つかもしれません。
2月 17 2010
最近の日経メディカルオンラインに男性の4割超が「女性増は医療崩壊の一因」という記事があります。
女性医師の増加が、いわゆる「医療崩壊」の一因になっていると思いますか?という質問に対して男性医師の4割超がYesと回答しているということを意味しているようなのですが、、
男性の4割超が「女性増は医療崩壊の一因」
こんな表現許されますか?
この設問自体ナンセンスだと思います。女性が増えたために医療が崩壊したと4割以上の男性が考えている?
誘導的であるに加えて、こんな結果を得たところで何かプラスになるのでしょうか。職場に女性が増えると困る、そういう世の男性が多いということを明らかにしたところでどうにもならないし、こんな時代錯誤的な(男女共同参画の流れに逆行するような)男性が医師には多いという調査でしかありません。
女性医師が勤務継続できないような世の中について論じることについては価値があると思いますが、
女性が増えたら医療が崩壊した→女性の医療界への進出はよろしくない
とネガティブにもとれるような質問設定、およびこの見出しの表現は不適切だと考えます。
1月 23 2010
医療ガバナンス学会が発行しているMRICというメルマガがあります。いろいろな医療問題について様々な立場(そのほとんどは医師ですが)から投稿された内容になっています。
前回と今回は横浜市大学附属病院神経内科の鈴木ゆめ教授の投稿でした。
前回は女性医師をはじめ、フルタイムで働く女性にとって最大の課題は、「家事」「育児」であり、これらの業務を得意とする人たちに代行してもらうことは社会全体の分業であり、雇用も内需も拡大する可能性があるという主張でした。
しかし、この主張はとある大手新聞社に掲載予定の原稿だったにもかかわらず、結局没になってしまったというのが今回の話題でした。
内容が問題なのではなく、医学部教授という社会的な成功者が「お手伝いさん」に関して云々すると読者から強烈な反発がくるという理由だそうです。
担当の記者は頑張って抵抗してくれたそうなのですが、最終的には没にされてしまったということです。この原稿を没にしたその新聞社の上層部は様々なプロフェッショナルの仕事の中でも家事や育児をプロとする職種を心のどこかで軽く見ている可能性があります。効率を考えて様々なサービスをその分野のプロにアウトソーシングするのは企業であれ個人であれ当然の判断だと思うのですが。
この新聞社だっていろいろな業務をアウトソーシングしていると思います。会社の掃除など、清掃会社に委託していないのでしょうか?
一部でも家事や育児をアウトソーシングすることで我々女性医師が勤務を継続できるのであれば、家事代行であれベビーシッターであれ保育所であれ託児所であれ、感謝しつつその道のプロを利用させていただきながら粛々と勤務を続けていくだけのことです。女性医師が仕事をやめてしまう(もちろん心から望んでそうするのなら構わないのですが)よりは人材の活用、雇用や内需の拡大につながるというのも論理的に何の問題もないと思います。
件の新聞社はもしかすると 「家事や育児といったunpaid workそのものを軽視している」のかもしれません。少なくとも読者の反発を招くのを不必要に恐れて現実を直視することから逃げているように思われます。
教授(あるいはそこに至る過程の女性医師)がお手伝いさんを雇うのは社会的に反感を買うことなのでしょうか?教授に至るまでの過程ではかなりの業績を上げてきたと推察しますが、その激務のなか、家事や育児を一部外部委託することに何の問題があるのか私には全く理解ができません。 仮に一部の読者に反感を買ったとしても、
「そこまでしなければ医師としての勤務を継続しがたい」
「そこまでしても勤務し続けたいと考えている女性医師がいる」
「いまだに女性が家事や育児の多くの部分を負担せざるを得ず、それは女性医師の家庭においても同様である」
という事実を伝えることは必要だと思います。
実際のところ、保育料や家事代行・ベビーシッターの費用を考えると一般の勤務医の給料ではワーキングプアに陥る可能性があります。働いてもお金は手元に残らず、家事や育児を手伝ってもらうための費用をかせぐために働いているようなものだと話す女性医師をたくさん知っています。
医者の給料が高いと思っている人は世の中にたくさんいるようですが、少なくとも勤務医でそんなに多く稼げるものではありません。給与明細をよく見ると、基本給はさほど高いものではなく、時間外手当等でかさ上げされており、時間的に制約のある女性医師はそんなに高給取りではありません。
私自身、家事や育児といったunpaid workに時間と労力をとられ、その一部はアウトソーシングしながら(1日2時間30分、ベビーシッター兼家事のお手伝いをしてくれる方をお願いしています)も同僚の医師と同じようには働けないのです。そうして得た給料はそのまま家事・育児のアウトソーシング費用に消えていきます。
それでも医師として勤務し続けることに誇りを持って何とかやっています。第一線の現場の片隅に何とか踏みとどまろうと頑張っているところにこういう新聞社があると聞くと気持ちが萎えてしまいます。
家事、育児も自分でしかできないところと外注できるところを上手にわけて、割り切ることを後輩の女性医師には勧めたいと思います。自分が2人に分裂できない以上、誰かに仕事を分担してもらうのは仕方のないことではないでしょうか。
11月 20 2009
本日、日本臨床外科学会総会に参加し、「女性外科医を増やすには」というテーマのパネルディスカッションに参加してきました。
朝早くからのセッションで疲れました。
そもそも外科医は長時間勤務が当然という風潮です。女性外科医は出産や育児の時期にこの長時間勤務ができなくなってやめていってしまうことが多いのです。
女性医師支援として時短(1日の勤務時間を短くする)、週3日勤務、当直、オンコールの免除など様々な支援策がうたわれていますが、結局そのしわ寄せは男性外科医や子どものいない女性医師にきます。
女性外科医を増やすのは結構ですが、そういう困難を乗り越える覚悟が外科にあるのか、と問題提起をしてきました。
勤務時間を短くすれば女性外科医が勤務継続することは確かに可能ですが、それは現状のシステムのままでは男性外科医との勤務時間の格差を広げ、補助的な役割しか与えられず、女性外科医自身の評価の機会を失わせる可能性があります。
まあ、あまり伝わらなかったようでそれは私のプレゼンの力不足ですが・・・
偉い先生は、外科が好きならどんな困難も乗り越えらるはず、とおっしゃいますが、もっと頑張れ頑張れと言われても・・・そんなに頑張り続けなければならない外科医って何なんでしょう。もっとフツーに続けられるようにならないものなんでしょうか。
ちょっと先輩の女性外科医の先生は、妊娠した時に、露骨に「堕ろせ」といわれたと話しておられました。 医者として、というか人としてひどい発言です。もちろん、管理職として思いがけない時期に女性の部下が妊娠して第一線を退くというのは痛いと感じるのは当然ですが・・・そういう人だって自分には子どもがいるのでしょうから身勝手な話です。
研修期間中に出産しても研修の時間を短くしてもらったり当直を免除してもらったりして研修期間を乗り切ったというような発表をしていた研修医もいました。先程の話と矛盾しますが、修羅場をくぐったことのない外科医ってどうかな、と思ってしまいました。1日当たりの研修時間が短いならトータルの研修期間を長くしなければ中途半端な医者が出来上がる可能性があります。研修医に関しては必要な研修は必要として、単位制などにして時間がかかっても単位を取れれば研修を修了した、というような形にしていけばよいと思いますが。
私の意見としては「女性」外科医を増やす必要は全くないし、現状では後輩たちに外科は全くお勧めできないということです。
とりあえず今いる外科医が勤務をもっと楽に継続できるようにシステムを改善すれば勝手に増えてくるでしょう。 男が、女がと言っている場合ではないと思います。
一方で、女性にとって不利な現状はすぐには変わらないので女性ならではの戦略も必要かと思っています。あえて男性の土俵に乗らなくても…という考え方もあります。 男性医師の下働きに甘んじるのも嫌ですし。難しいところです。
演者のおひとりで佐賀大学の先生がこの「京都の医療を考える若手医師の会」のHPを見ていてくれたことが判明しました。大変嬉しかったです。立ち話しかできませんでしたが、 同じような悩みを共有していることが分かり、「女性」外科医にこだわりすぎるのもよくないという私の考えに近い考えをお持ちということも判明し、心強く感じました。
このパネルディスカッションの後、日本女性外科医会の発足会に参加してきました。世話人の愛知医大の萬谷京子先生にどこかでお会いしたことがあるなあと思っていたら、以前褥創学会でお会いして話をしたことがあったのです。ものすごいパッションの持ち主で圧倒されそうになりました。
この会に対するちょっとした不満は正会員の資格が日本外科学会女性会員ということです。男性が正会員になってもいいと思います(準会員にはなれるのですが)。
実際、私が主宰する京都大学女性医師の会メーリングリストも参加資格を女性医師に限ってはおりません。女性医師を応援する男性医師の参加もあっていいと思うからです。
男性も女性も好きな進路を選んで継続できる世の中になってほしいと思います。そのための一助になればと研究・情報発信を続けていくつもりです。