Archive for the '漢方' Category

10月 25 2012

第12回かもがわ漢方研究会 

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皆様、ご無沙汰しておりました。多忙を言い訳にしてはなりませんが、日々バタバタと走り回っております。

さて、第12回かもがわ漢方研究会のご案内です。

共催NPO法人京都の医療を考える若手医師の会・株式会社ツムラ

平成24年12月15日(土)14:00-16:00
京都大学薬学部本館1Fマルチメディア講義室

講演:がん医療における漢方治療(仮)
大阪府 済生会中津病院外科 副部長 中江史朗先生

特別講義:~屠蘇散を作ってみましょう~
京都大学大学院薬学研究科 薬品資源学分野 准教授 伊藤美千穂先生

会場等準備の都合上申し訳ありませんが、定員40名とさせて頂きます。
参加ご希望の方は、下記までお申し込み下さい。

申し込み方法:
TEL075-344-5061
FAX075-344-5018
E-Mail takamura_katsuya@mail.tsumura.co.jp
株式会社ツムラ京都支店 高村、佐伯迄

屠蘇散の作成に必要な生薬の準備、会場の広さなどを考えると心苦しいのですが人数制限もやむなしかと。
抗癌剤治療中のさまざまな副作用に漢方が援護射撃のように使えるのであれば、より快適により安全に抗癌剤治療を継続できますね。
私もいろいろと処方してみますが、手探りです。
大変興味深いテーマだと思います。

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7月 20 2012

第11回かもがわ漢方研究会

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第11回かもがわ漢方研究会のご案内です。今回は先着50名限定です。参加していただける方が増えて嬉しい悲鳴で贅沢なことですが、スペースと準備の問題もあり、研究会のクオリティを維持するためにも少数精鋭で開催させていただきたいと思います。このHPでの告知が最も早いので、このHPの読者の方が最優先でご参加いただけることになります。

平成24年9月8日(土)14:00-16:00
京都大学薬学部本館1Fマルチメディア講義室

講演:女性の疾患における漢方の役割(仮)
富山県 谷川醫院 院長 谷川聖明先生

特別講義:世界の中の生薬~人参~
京都大学大学院薬学研究科 薬品資源学分野 准教授 伊藤美千穂先生

会場等準備の都合上申し訳ありませんが、定員50名とさせて頂きます。
参加ご希望の方は、下記までお申し込み下さい。
申し込み方法:
TEL075-344-5061
FAX075-344-5018
E-Mail takamura_katsuya@mail.tsumura.co.jp
株式会社ツムラ京都支店 高村、佐伯迄

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5月 13 2012

第10回かもがわ漢方研究会

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昨日、京都大学薬学部本館1Fマルチメディア講義室で第10回かもがわ漢方研究会を開催いたしました。第10回にして、過去最高の70人超の参加となりました。いきなり前回の倍?いつもの部屋が手狭に感じられました。

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前半のご講演は医療法人佐々木皮膚科 院長・理事長の佐々木豪先生で、種々の皮膚疾患の治療経過などから多数の内臓疾患を診断しうるというデルマトロームという概念のお話でした。

皮膚表面の変化は体内の状況の敏感なマーカーになりうる場合があり、その変化から内臓疾患を推しはかることが可能なのだそうです。たとえば糖尿病においては皮膚における微小循環障害が糖尿病の先行兆候として血液データの変化よりも先に現れることがあるため、日常の診療でもそのような兆候を見逃さず、基礎疾患である糖尿病を見つけることができるというお話でした。

そのほか、悪性腫瘍や膠原病、肝機能障害なども皮膚の変化や皮膚疾患の治療反応の遅さなどから発見できることもあるという興味深い症例をいくつも提示されました。

私は外科医なので、たいていすでに内科などで診断のついた患者さんを診ることが多く、このような謎解きの過程をあまり日常経験しません。それでも、普通の経過と何か違うときは、「背景に何かあるのでは」という視点を忘れないようにしようと思いました。

ただ、漢方のお話が少なかったので漢方のお話を特に聞きたかった参加者の皆さんにはちょっと欲求不満であったかもしれません。いかがでしたでしょうか。

後半は恒例の薬草園見学でした。人数があまりにも多くなったので、3グループに分かれての見学になりました。

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軽妙な語り口の伊藤先生のお話も絶好調です。芍薬と牡丹の違いとか、ミントの葉の香りが表と裏で違うとか、ややマニアック(?)かつ知っていると楽しいお話を今回もたくさん聞くことができました。

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山椒の記念植樹です。京大病院は今年の3月初めて漢方薬が院内採用になりました。大建中湯と芍薬甘草湯と抑肝散の3処方だけですが。外科医としては大建中湯は重要です。今年の2月までは、漢方を処方するのにいちいち、漢方でなければならない理由とか、自分の印鑑のみならず診療科長の印鑑とか必須で、漢方を処方するのがたいへん面倒でした。しかも在庫が少ないとかで、同時に3人の患者さんに大建中湯を処方しようとしたら、在庫が足りないといわれたことがあります。たった3人ですよ。

面倒な手続きがなく、必要な患者さんに必要な時に処方できるようになったことを大変ありがたく思っております(当たり前のことなんですが)。外科医であれば大建中湯のおかげて頑固な腸閉塞患者の手術を回避できた経験をお持ちの方は多く、「なぜ効くか」はともかく「とりあえず効けば試してみる」ことに抵抗の少ないのが外科医ではないかと思います。エビデンスがない、ということで京大病院では今まで採用されていなかったわけですが、まあそんなに高い薬でもないし、有害事象もほとんどないし(そもそも内容が山椒と人参と乾姜と膠飴ですから)、病院によっては開腹術後にほとんどルーチンに処方しているところもありますし、京大病院が今まで採用に抵抗していた理由もよくわかりません。

まあ漢方が嫌いなドクターないし基礎系の先生方はある一定の割合で存在するものと思います。私もすべての漢方が効くとは思っておりませんが、効くものもあるので選択肢として持っておいたほうが有利だと合理的判断をしています。

そういう意味の記念植樹でした。

それにしても大盛況となった研究会。これからどこに向かうのでしょうか。この規模になると今まで楽しくやっていた屠蘇散の作成などの実習ものが難しくなります。先着30名様限定?抽選?はたまた有料化?嬉しい誤算であります。ともあれみなさまご参加ありがとうございました。

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3月 22 2012

第10回かもがわ漢方研究会

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第10回かもがわ漢方研究会のご案内です。

平成24年5月12日(土)14:00~16:00
京都大学薬学部本館1Fマルチメディア講義室

講演:五臓六腑の鑑となる皮膚疾患
~患者さんの思い込みから皮膚科医は何を読み取るのか~
~漢方の有用な症例を交えて~

医療法人佐々木皮膚科 院長・理事長
岩手医科大学皮膚科学講座 非常勤講師 佐々木豪先生

特別講義:薬草園見学 ~薬用植物に触れてみよう!!~
京都大学大学院薬学研究科 薬品資源学分野 准教授 伊藤美千穂先生

特別講義では実際に薬草園を見学して漢方薬について理解を深めます。
当日は歩きやすい服装・シューズで参加をお願い致します。又各自虫除け対策をお願い致します。

※薬学部の駐車場が使用できなくなりました。

共催:NPO法人京都の医療を考える若手医師の会/株式会社ツムラ

薬草園見学は昨年大盛況でした。伊藤先生の詳しい解説が絶妙です!

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12月 03 2011

かもがわ漢方研究会のご報告

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先週のかもがわ漢方研究会のご報告です。なんと、もう第9回になるんですね。11月27日(土)は、京都が一年で一番混雑するタイミングで、会場に車で来られた方にはご迷惑をおかけしました。

参加者の方々もちょっと遅れつつ、30人以上の参加がありました。 講師の久永先生は筑波大の先生で、今年3月の第6回研究会に来て頂く予定だったのですが、大震災のために来られなくなってしまいました。今回お迎えできてとてもうれしかったのですが、震災の爪痕は今なお深く、研究室の復旧工事もなかなか進んでおられないとか。壁が落ちて床が抜けて研究室がまともに使えないのだそうです。そんな中、京都までお越しいただいてたいへん恐縮です。

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精神疾患に対する漢方の適応についてお話いただきました。西洋薬ですでに標準治療が確立しているもの(統合失調症、感情障害など)に関してはやはり西洋薬で標準治療をするべきで、漢方はあくまでも補助的につかうべきであるというたいへんクリアカットなお話でした。また、西洋薬でまだ標準治療が確立していない場合(全般性不安障害、身体表現性障害など)には 漢方を取材として使用してもよいであろう、ということです。

漢方医学では、傷寒論の時代(約2000年前) には、精神症状が脳に起因するという発想がなかったため、心因性の胸部症状があっても、単に胸部症状として診断治療をするというスタンスになります。

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それから、向精神薬投与時の麻痺性イレウスにはしばしば承気湯が効果的だそうです。精神科の患者さんのイレウスに関してはしばしばコンサルトをいただきますが、私もこれでひどい目にあったことがあります。精神科の先生方がこの種の薬の腸管運動の影響についてよくご認識いただくことは、重篤なイレウスを引き起こさないために重要ではないかと思いました。

向精神薬による巨大結腸症においては、病理学的にアウエルバッハ神経叢の萎縮・神経細胞の減少や空胞変性が認められるのだそうです。 一度そのような器質的変化をきたせば、なかなか元には戻らないことが推測できます。

後半は高齢になった屠蘇散の調合実習でした。まず、薬学部の伊藤先生が生薬の説明をしてくださって、作り方の解説を聞いたあとに、思い思いの調合をはじめます。屠蘇散はあまり、細かく決まった処方があるわけではなく、だいたいこんな感じといういくつかの生薬を好みで配合していきます。

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前もって作っておいていただいた2種類の市販のお屠蘇の試飲もあり、 なかなか「気分の良い」実習でした。ツムラの屠蘇散を作成する機械が壊れてしまい、もうツムラでは屠蘇散を作るのを嵌めてしまったそうです。お屠蘇を正月に飲む風習もなくなりつつあり、商業的にも厳しいのでしょうか。。。

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同じ「屠蘇散」として売られていても、味は何だか全然違いました。しかもこの屠蘇散は食品扱いなので薬ではありません。薬にしか使えない生薬は入れられないのだそうです。

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9月 17 2011

次回かもがわのご案内

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第9回 かもがわ漢方研究会のご案内です。

今年3月の震災で前々回の研究会の際にお越しいただけなくなってしまった久永先生ですが、今回あらためてご講演をいただくことになりました。みなさま奮ってご参加ください。
また、恒例行事になりつつある(?)年末の屠蘇散作成も致します。昨年も大好評を博しました。お正月の楽しみがひとつ増えますね。よろしくお願いいたします。

講演 「漢方基本方剤によるこころの病の治療」
筑波大学大学院人間総合科学研究科 精神病態医学 講師 久永明人先生

特別講義「生薬から読み解く漢方6~屠蘇散を作ってみましょう~」
京都大学大学院薬学研究科 薬品資源学分野 准教授 伊藤美千穂先生

平成23年11月26日(土)14:00~16:00
京都大学薬学部本館1Fマルチメディア講義室

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9月 03 2011

第8回かもがわ漢方研究会

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ご報告が遅れましたが、先週、第8回かもがわ漢方研究会を開催致しました。多忙に紛れてうっかりこのHPで告知するのを失念しておりました。申し訳ありません。

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昭和薬科大学病態科学研究室 教授の田代眞一先生が、ご自分の研究などを踏まえてわかりやすいご講演をしてくださいました。もともと漢方に詳しかったわけではなかったけれども、富山医科薬科大学ご出身であったために漢方について詳しいと思われてしまったと謙遜気味に話をされました。その結果、いろいろと質問を受ける機会が多くなり、特別興味があったわけではなかったけれども勉強する必然性が生じたとも。

漢方の生薬の一成分を取り出して薬理効果を云々するのは本質的ではないというご指摘は鋭いと思いました。生薬の成分を飲んだ後、血清成分を調べても、全ての成分が増えているわけではないし、消化吸収の過程でかなり選択されてしまいます。

また、生薬を煎じて細胞にふりかける実験をしようとしても、無菌にするためにろ過フィルターを通すとかなりの成分がトラップされてしまい、有効成分の効果を見ることができない、など漢方の研究の難しさを紹介されました。

人間も、病気も、多因子によるものが多いので、薬も別にターゲットがひとつである必要はない、純粋な単一の化学物質である必要はなく、多成分系である漢方のほうがむしろ有利なのではないかとおっしゃっていました。例えば、男性不妊ひとつをとっても、様々な治療ターゲットがあるわけで(精子の生成から輸送、性行為の成立、精子の運動能、受精能獲得など)、漢方により、種々のターゲットを同時に治療できる可能性があります。

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後半は恒例の伊藤先生の講義でした。前半、田代先生の講義が盛り上がり、後半の時間が少々短くなってしまいましたが、いつものように珍しい生薬を実際に見たり、触ったり、かじったり、試飲したりするという体験型の研究会となりました。

次回は震災の時に中止になってしまった筑波の久永先生がお越しになります。また、後半は屠蘇散の作成をします。 今度は忘れずに告知致しますので皆様是非ご参加ください。

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5月 21 2011

薬草園フィールドワーク

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今日は第7回かもがわ漢方研究会がありました。

最初に口腔心身症に関して京丹後市立久美浜病院 診療部長・歯科口腔外科部長で、京都大学医学部で非常勤講師もされている堀信介先生にご講演いただきました。

舌痛症や味覚異常などの歯科口腔外科領域の心身症が増えているのだそうです。特に、明らかな器質的異常所見がないのに舌が痛いという舌痛症の対応には苦慮することも多く、精神科や心療内科と歯科口腔外科の協力体制が必要なのだそうです。
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全く知らない話で興味深く拝聴しました。柴朴湯、半夏瀉心湯、加味逍遥散などが用いられ、抗鬱剤などとも併用して急性症状を取り除き、抗鬱剤の方を中止して漢方だけで維持していくのが理想だそうです。

私たち消化器外科医が大腸癌治療などの際に患者さんの副作用対策にはステロイドなどいろいろ手を尽くしますが、特に抗癌剤使用時の口腔内違和感や口内炎などについては、十全大補湯や補中益気湯などの補剤、消化器症状などを伴うときは六君子湯や半夏瀉心湯などがおすすめだとうかがいました。

次に、京大薬学部の伊藤先生の案内で、薬学部の薬草園の見学に行きました。何しろ蚊が多いということで蚊取り線香をたくさん持ち歩きました。幸い私はスーツを着ていましたのでひとつも刺されずに済みましたが、若い学生さんで足をむき出しの方がおられてその方が蚊の標的になってくださったようです。

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みんなでぞろぞろと薬草園に入り、先生の解説で葉っぱをちぎって匂いを噛んだり味見をしたりしました。ビンクリスチンの材料というツルニチニチソウはやめときましょうと言われました。苦いのや甘いのやいい匂いのや、いろいろな薬草がありました。

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おなじみの麻黄をみて私も思わず携帯電話で写真をとってみました。栽培は難しくないのですが、国内で栽培するとコストがかかりすぎて、薬価で定められている額ではペイしないだろうということです。

ハウスのベトナム産桂皮もとてもいい匂いがしました。ベトナム産の桂皮は京大の薬草園にしかない(他のところは中国産ばかりだそうです)ので自慢の逸品のようです。

学生さんから、結構大先輩と思われる開業医の先生方(もはやリピーターになってくださっています。ありがとうございます。)まで、総勢20名以上でぞろぞろとやや時間を延長して熱心に見学しました。 ただぼうっと眺めるだけでなく、伊藤先生の緩急つけた解説がポイントです。植物に関しても、その薬効成分についてもたいへんお詳しいので、ポンポンと解説が飛び出してきます。

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薬草園ツアーは季節的な制限もあるのですが(真冬は枯れ草だらけで面白くないそうです)、とても好評のようだったのでいずれ折を見てまたやりたいと思います。

さらに、一般向けにどうアレンジするかも考えていきたいです。

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4月 21 2011

第7回かもがわ漢方研究会

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第7回かもがわ漢方研究会のご案内です。

平成23年5月21日(土)14:00~16:00
京都大学薬学部本館1Fマルチメディア講義室

講演:口腔外科領域に効く漢方薬とは??
~舌痛症・口内炎・顎関節症・口腔心身症~

京丹後市立久美浜病院 診療部長・歯科口腔外科部長
京都大学医学部 非常勤講師 堀信介先生

特別講義:生薬から読み解く漢方4
~薬用植物に触れてみよう!!~
京都大学大学院薬学研究科 薬品資源学分野
准教授 伊藤美千穂先生

特別講義では実際に薬草園を見学して漢方薬について理解を深めます。
当日は歩きやすい服装・シューズで参加をお願い致します。又各自虫除け対策をお願い致します。

共催:NPO法人京都の医療を考える若手医師の会/株式会社ツムラ

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3月 27 2011

第6回かもがわ漢方研究会のご報告

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昨日、第6回かもがわ漢方研究会を開催いたしました。

震災の影響で筑波大学の久永先生が来られなくなってしまったにもかかわらず、いつもとかわらないくらいの参加者数で、私はとても嬉しかったです。リピーターの先生方もたくさんおられました。

共催のツムラさんより、工場の被害状況について説明がありました。我々の研究会ではツムラ側から薬の宣伝をすることはないのでツムラからの挨拶というのもいつもはありません。今回は大建中湯など主力の薬剤を作っている茨城工場で生産に支障が出るほどの被害があったということで、長期処方を控えることでなんとかこの危機的状態を乗り切りたいという支店長からのお話でした。

薬学部の伊藤先生は、いつもは最初に講師の先生がご講演された処方について生薬の話をしてくださる立場なのですが、今回はラボでの研究内容やフィールドワークの内容などについてお話くださることで今回の研究会をもり立ててくださいました。

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伊藤先生はベトナムへ桂皮の現地調査になんども行かれていて、ハノイとホーチミンの桂皮の種類の違いなどちょっとマニアックな話も聞かせてくださいました。また、上等な桂皮は韓国と台湾のお金持ちのところに行ってしまうということも興味深い話でした。日本の場合は保険で薬価ががんじがらめになっているので、高級な材料を使うと漢方製剤の採算が合わないのだと思います。

また、桂皮の甘味と辛味の成分はcinnamaldehyde(ケイヒアルデヒド)だという実験結果、マウスの胃潰瘍モデルに対する抗潰瘍作用についての実験結果をご紹介いただきました。マウスの胃潰瘍モデルは水浸拘束、HCL経口投与、エタノール経口投与、インドメタシン皮下注で作成し、桂皮を混ぜた餌を食べさせたり、ケイヒアルデヒドそのものを与えたりしてその抗潰瘍作用をみておられました。

インドメタシン以外の潰瘍モデルで桂皮の抗潰瘍作用が示されました。NSAIDs潰瘍のみその成立機序が違うのかもしれません。また、ケイヒアルデヒドという化合物単体よりも、桂皮末混合の餌のほうが抗潰瘍差用が強いという結果でした。

その後、抑肝散と小青竜湯の試飲をしました。伊藤先生のところで保管されている生薬から煎じたものです。

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また、ディスカッションでは釣藤鈎(チョウトウコウ)は植物のトゲの部分だけを使用するが、葉や茎とはその成分が違うのかという質問がありました。伊藤先生のお話では、以前生薬学会でそういう発表があり、葉は成分が違うが茎はほぼトゲの部分と成分が同じだということがわかったというのです。それでも、その植物の「トゲ」の部分は一目瞭然釣藤鈎(チョウトウコウ)であるということがわかるので、そういう部分を用いるのが取扱い上便利で間違いがないからトゲの部分を使うのではないかという結論であったということでした。

一見、マニアックな話ではありますが、漢方の品質管理とかトレーサビリティーというのは重要な部分だと思います。とてもおもしろかったです。

またいつか震災が落ち着いたあかつきには久永先生にお越しいただいてご講演していただきたいと思います。それまで我々も頑張っていくつもりですので、皆様よろしくお願い致します。

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