6月
08
2010
京都では手足口病が流行しています。もともと夏に多い感染症で、乳幼児によくみられるありきたりの病気です。
手のひら、足の裏、口内に水疱が発生することから手足口病というのですが、英語でもHand-Foot-Mouth diseaseといいます。口蹄疫と同じような病名ですが、ウィルスは別のものです(家畜感染症の口蹄疫はヒトには感染しません)。
原因となるウイルスに、コクサッキーウイルスA16やエンテロウイルス71などがあります。京都でも、他のウィルスよりも急性脳炎など中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高いといわれるエンテロウイルス71が分離されています。まあ、夏風邪のようにありふれた病気ではあるものの、場合によっては重症化するので子どもが手足口病になった場合は神経質にならない程度に観察しておく必要があるということですね。
発症初期に38度前後の発熱を伴うことが1/2 ~1/3 程度にみられますが、殆どの場合経過観察するのみで十分です。
夏には夏の、冬には冬の感染症が流行します。子どもたちはいろいろな感染症にかかりながら免疫力が鍛えられていくのでしょう。基本的にウィルス疾患に劇的に効く薬はないので、安静と対症療法で乗り切るしかありません。
5月
20
2010
口蹄疫が大きな問題になっています。
口蹄疫は英語でFoot-and Mouth Diseaseというのですね。舌や口内、蹄(ひづめ)の付け根などに水泡ができてそれが破裂する病気なので、読んで字のごとくの病気です。関係者の方々のご心痛とご苦労・経済的損失はいかばかりかと察するにあまりあります。殺処分される動物たちも全部が全部感染しているわけではないでしょうに、かわいそうな気がします。早く沈静化して欲しいと祈っています(祈る以外できることがないのが辛いですね)。
新型インフルエンザの時もそうでしたが、ウィルスのような目にも見えないし、どんどん変異をしていくようなものに対して、人間がどこまで太刀打ちできるものでしょうか。人間の限界を感じざるを得ません。我々医者だってウィルス感染症である風邪に対する根本的治療法をもっていないのですから・・・
口蹄疫は基本的にヒトに対しては病原性がないようなので、新型インフルエンザのときより「他人事」の人も多いかもしれません。しかし、私は国の一大事だと思っています。
人智を超えた存在であるウィルスとどう向かい合うか、考えなければなりません。また、このようなウィルスが意図的に悪人に利用されないような対策も必要です。
・・・・それにしても、NHKのTVニュースで口蹄疫が「口てい疫」と表示されているのを見て、ぶっ飛びそうになりました。 確かに蹄という字は難しいですが、「口てい疫」 と平仮名になってしまうと意味がわからなくなるではないですか!
日本人はどんどん漢字が読めなくなっていくのでしょうか・・・
4月
04
2010
4月になりました。ポリオワクチンの季節です。
全国的に同じなのかどうかは知りませんが、京都では4月と10月に保健所でポリオワクチンの接種が行われています。
日本では弱毒生ワクチンが使用されています。したがって、ポリオワクチンを飲んだ子どもがポリオを発症することもまれですがおこりえます。また、先日体調不良で定期接種の時にポリオワクチンを接種できなかった子どもが、周囲の子どもたちの便由来と思われるポリオに感染して発症したという報道がありました。
海外では野生株を不活化したワクチンが用いられますので、ワクチンによってポリオにかかることはありません。
現在、三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンを合わせた混合ワクチンの開発中だそうです。数種類のワクチンが混合になると、それだけ接種回数が減りますので提供する側も、接種される側も負担が減ります。そもそも生ワクチンだと4週間次のワクチンを接種することができません(不活化ワクチンだと1週間で次のワクチンを受けられる)。
子どもが生まれると、母親はどういうスケジュールでワクチンを接種していくかカレンダーとにらめっこになります。BCG、3種混合、ポリオ、、、ヒブ、、、
風邪をひいて熱を出せば再調整が必要です。保健所で接種するBCGやポリオは日程が少ないのでうまく体調を整えられるか気を使います。
(在住する区の保健所の日程で受けられなかった場合、京都市内の別の区の保健所の日程でも受けることが可能だそうです。)
海外では三種混合+不活化ポリオワクチンにヒブワクチンを加えた混合ワクチンが開発されています。ヒブワクチンと三種混合ワクチンは接種タイミングが同じで、日本でも現在同日接種が可能とされていますが、混ぜて打つことができないので左右の腕に別々に打たなければなりません。
子どもやその親たちの利便性も考え、科学的に安全で効果のあるワクチンを提供するように戦略を練ってほしいと思います。
1月
29
2010
銀翹散は咽頭痛に有効で、咽頭の症状はなくなり、鼻閉のみが残っています。
鼻の症状だけならなんとかなりそうです。
それにしても、RSウィルスが巷ではやっているようです。小児、特に乳幼児に多く見られるもので、乳幼児では急性細気管支炎、肺炎などの重い呼吸器症状をおこしやすいウィルスです。
・・・・
特別有効な治療はなく、あくまでも対症療法になります。
結局風邪って寝て治すしかないんですね。
11月
23
2009
風邪をひいてしましました。何となく急に空気が乾燥してきたような気がしませんか?
私の場合、鼻水で始まるか、咽頭痛で始まるか半々くらいなのですが、咽頭痛で始まるとひどい時は熱が出ることがあるので要注意です。
今日の漢方は小柴胡湯加桔梗石膏です。2回飲んだら咽頭痛はほぼなくなり、のどの軽い違和感程度におさまりつつあります。
私の咽頭痛は起床時がいちばんひどいので(たぶん口を開けて寝て乾燥した空気でのどをやられるのでしょう)明日の朝はまたのどの痛みを自覚する可能性はありますが。
それでも日中咽頭痛を自覚せずに済んだということはありがたいことです。早く治すためにもう1回飲んで早めに寝ます。
・・・風邪の根本的治療は休息です。
11月
13
2009
新型インフルエンザが小児を中心として感染拡大し、低年齢化をしていること、重症症例が多数発生していることなどから厚労省より各自治体に小児に対するワクチン前倒し接種が強く要請されています(エラそうに要請はしていますが、実のところワクチンは全く足りておらず、自治体や現場が困惑するのみです)。
京都府でも小児に対するワクチン接種前倒しが決定しました。
(対象) 幼児(1歳~就学前)及び小学校1年生~3年生
(接種) 11月30日(月)以降の日で 各医療機関が決めた日
供給されるワクチンの数が増加するのではなく、現在でも少ないワクチン供給予定内での前倒しなので、不足するのは目に見えています。
(ハイリスク疾患小児に対してのワクチン接種は現在最優先接種で行われています。今回は健康な小児を対象とする前倒しということです。健康とは言え、「小児」というだけでインフルエンザに対しては弱く、成人のハイリスク者に匹敵するのです)
医療機関へのワクチンの配付状況は極めて厳しく、11月30日になったからといって希望通り接種できるというわけではありません。
今は小児の感染者数、重症化数、入院数が際立っており、現場のドクターたちも今は子どもたちをなんとか救いたいというのが正直な気持ちのようです。インフルエンザに対する基礎的な免疫が不十分であることと集団生活をしていることなど、さまざまな要因が考えられるのですが、今はとにかく小児の罹患をなんとかしなければなりません。
もちろん今後高齢者にも罹患者が増えていけば重症例も増えていく可能性がありますが・・・その際は臨機応変に方針を転換していけばよいと思います。
11月
10
2009
11月8日、京都市北区の1歳8カ月の男児が死亡し、新型インフルエンザに感染していたと発表されました。京都府内の感染者の死亡は3人目で、国内では55人目になります。
7日夕に37度台の発熱があり、8日未明に一時ぐずるように泣いていましたが、その後母親が抱いたところ呼吸をしていないことに気づいたということです。救急車で市内の病院に搬送したものの、すでに心肺停止状態で、死亡が確認されました。
詳しくはわかりませんが、37度台の発熱とぐずぐず泣いたくらいでは「様子を見よう」という程度です。子どもはしょっちゅう熱を出しますし、そんなときは機嫌が悪くてぐずぐず言うものです。
大変お気の毒です。基礎疾患もなかったというのに、急速に呼吸状態が悪くなってしまったようです。
新型インフルエンザワクチンが不足しています。 針一体型のインスリン用注射器を用いると注射器のデッドボリュームがほとんどなくなるので、インフルエンザワクチンの液を節約できるのだそうです。現場の小児科の先生もそのような工夫をして頑張っておられます。
11月
05
2009
お医者さんは白衣を着ています。
なぜでしょう。
①清潔にするため
②医者です、という看板のようなもの
③私服が汚れないようにするため
私が思うに、②>③>>①のような気がします。
医師の通勤のスタイルはビジネスマンなどに比べると極めてカジュアルというか普段着のことが多く、白衣を着ると何となくお医者さん風に見えます。たまに学会などでスーツを着てもビジネスマン風には決して見えません。
白衣も私服の上から羽織っているだけのことが多いので、自分の服が汚れないようにする程度の感覚で、そう毎日洗濯するわけでもありません。たとえば病院から白衣を3枚支給(または貸与)されて着まわしますが、一度洗濯に出すとかえってくるのは2週間後くらいです(施設によるでしょうが)。毎日、というか1日おきに洗濯するのは難しいと思います。
従ってそう清潔なものではありません。もちろん手術など清潔操作が必要な時に着る術衣は毎回クリーニングに出しますし、さらにその上から使い捨ての術衣を着るのですが。
おしゃれのために自腹で白衣を買うこともあります。
ケーシーといって、外科医が着る(と思われている)丈の短いチュニックタイプの白衣を愛用する医師もいますし、どういうこだわりか、ブレザー型の白衣を愛用される医師もいます。これらの白衣はコート式の白衣のように病院から支給されるわけではないので自分で購入していると思われます。
実は私も昔、自腹でブランド白衣を購入したことがあります。確かに何となく見栄えがよろしいです。
たまに病院の白衣を着たまま病院の外のコンビニなどで買い物や立ち読みをしている医師がいます。私の感覚からすると「ばっちい」です。白衣ってあまりきれいではないし・・・いろいろなものを媒介する可能性があるので外に着て出るべきものではないと思います。
さて、そういう私も家で白衣を着ていることがあります。「白い割烹着」です。これだって結局自分の服が濡れたり汚れたりしないように着るものです。これは毎日洗濯するので外に着て出てもきれいですけどね。
11月
02
2009
私は先週新型インフルエンザのワクチンを接種しましたが、うちの家人はまだ新型インフルエンザワクチンを接種できないのでとりあえず季節性インフルエンザワクチンを接種することにして付き添ってきました。
診療所の待合室は込み合っていて、ワクチン接種に来ている人と、明らかに風邪症状を呈している人がごちゃごちゃになっていました。
ここで何かをもらいそうな気がして長居は無用とさっさと帰りましたが・・・私自身はまだ季節性インフルエンザワクチンを接種しておらず、新型インフルエンザに関してもまだ免疫はできつつある微妙な時期。
それにしても咳エチケットの守れていない人もいれば、マスクをしていてもガーゼのマスクだったり鼻を覆っていなかったり心もとないマスクの着用の人もいました。
理想を言えばワクチン接種と診療は本当は時間帯や場所を分けたほうがよいのでしょうが・・・
10月
30
2009
知り合いのドクターがインフルエンザにかかりました。 一昨日会って話をしたのでその時点で感染力があったとすれば私もかかる可能性があります。
インフルエンザワクチンの効果があらわれるまで約2週間くらいかかるそうですから、新型インフルエンザワクチンを26日(月)に接種したばかりの私もまだ免疫ができていないことになります。
インフルエンザの潜伏期間は1~2日、最長で7日くらいですから、私の場合来週中ごろまで発症しなければまず大丈夫だと思います。そのころにはぼちぼちワクチンの効果も出てくるでしょう。
それにしても、日本での新型インフルエンザのワクチン接種開始もせめて全体に2週間早ければよかったのに、と思います。いつもの年は1月とか2月にインフルエンザが流行するのでワクチンを10月末か11月中に接種するようになっています。本格的な流行の前に接種しておくのがよいのです。
新型インフルエンザはもはや大流行しており、そろそろピークに達するのではないかと見る向きもあります。先に流行した北海道で患者が減少しつつあります。
年齢別発生頻度をみると、20代以上から極端に発病率が低くなっているので、20代以上は何らかの免疫をH1N1ウイルスに対して持っているという仮説もあります。私も今までインフルエンザにかかったりワクチンを接種したりしてきましたので、インフルエンザにはある程度免疫を持っていると達観して日々淡々と過ごそうと思います。