8月
01
2010
昨日、京都府医師会勤務医部会幹事会に出席してきました。名簿を見ると40人以上もいるのに驚きました。もう少しこじんまりした会かと思っていたからです。実際の出席者は半分くらいでした。
それにしても、我が京都大学の幹事は私以外に2人おられておふたりとも教授なので、これにもびっくりしました。なにゆえ私のような若輩にご依頼いただいたのか。。。
幹事長、副幹事長、何人かの委員を決めましたがこれはあらかじめ根回しがすんでいたような印象でした。その場で私などが突然手をあげたらみんな困惑するだろうなあと思いながらおとなしくしていました。
今後の活動については勤務医の勤務環境改善や女性医師問題に関してどうアプローチしていくかというところでひとりずつ意見を述べました。
私も今までの調査研究などに触れながら、「勤務を継続していくことだけではなく、いかに評価をしていくか考えていかなければならないのではないか」と意見を述べました。
しかし、医師には奉仕の精神が重要で,労働基準法や36協定はなじまないというような意見も何人から出されました。うんざりして目が泳いでしまいました。
ご本人が奉仕の精神で私生活を投げ出すのはご自由ですが、それを周囲や後輩に強いるのはよろしくありません。患者の権利意識が肥大しすぎた今、医師が遠慮しすぎると状況はさらに悪化します。
少なくとも根性論でやっていけるほど今の医療の最前線は甘くありません。患者や社会の目も厳しくなり、昔なら許されたことも今は許されなくなっていることもあり、訴訟のリスクもあり、医療技術の進歩のスピードも昔の比ではありません。
高い倫理観と精神性、プロ意識、技術の研鑽などを維持するにはそれなりの勤務環境が必要だと思います。それは男性も女性もありません。そのために勤務医部会がどのような役割を果たせるのか、とても楽しみです。
3月
07
2010
昨日、京都府医師会勤務医部会総会がありました。後半は女子医学生・研修医をサポートする会ということで私はそのパネリストとして参加しておりました。
まず名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科部長の加藤久美子先生がご講演をされました。女性の腹圧性尿失禁の第一人者で中学生の男の子の子育て中のお母さんでもあります。たいへん歯切れのよい興味深いご講演でした。 後の質問やディスカッションでは、女性向きのサブスペシャリティをめざすことはよいが、研修の初めから狭い領域を目指すのではなく、泌尿器科なら泌尿器科全般を見ることができるようになった上でさらにサブスペシャリティを極めるべきではないかという話になりました。
次に京都府医師会の桑原仁美理事より女声医師の勤務環境に関するアンケートの集計結果の報告がありました。桑原先生には以前私が主催したシンポジウムでもご講演いただきました。
次に、京都大学医学部の学生さんが医学部生としての気持ちを率直に語りました。なかなかしっかりと発言していました。
後のディスカッションで、最近の女子医学生は昔と違って簡単に仕事をやめたり、夫探しに医学部に入っている人もいたりと自覚に欠ける人もいるのが問題であるという指摘もありましたが、彼女に次いでは全くそのようなことはないと確信しました。少なくとも私の同級生にそんな無自覚な女子医学生はいませんでした…また、子育てなどで仕事を縮小はしていてもやめている人はいません。
その次が私の番でした。自分の仕事史や現在問題に思っていることなどを話してほしいという要望だったので、自分が消化器外科医としてどのような働き方をしていくべきか悩んでいるということと、これまでやってきた調査報告について軽く紹介しました。
最後に洛和会音羽病院の近藤摂子皮膚科部長よりプレゼンがありました。勤務を続けておられる女性医師の紹介などをされました。
懇親会ではいろいろな先生から声をかけていただきました。
小児科の女性の先生(おそらく50代と思われます)は、子どもの話をちゃんと日常的に親が聞いてやらないと(これは祖父母では代替できないそうです)思春期になってしっぺ返しにあうということもあると話しておられました。仕事は数年縮小しても必ず取り返せるとも。
男性の先生方は頑張れば大丈夫というご意見が多かったです。
また、私のことを強気な部分とものすごく小心な部分があるのが興味深いとおっしゃっておられた先生もいました。
理事の先生からは、数年腰をすえて調査研究をやって英文誌に投稿するのがよいのではと助言をいただきました。
私はこの調査研究は一学問領域としてとらえていますので、先生のおっしゃるように淡々と科学的(社会学的・経済的)に調査研究を進めていくことを考えています。
本日の話では、女性医師問題は勤務医全体の問題であるというお話でしたが、実は医療全体、社会全体の問題であると思っております。医師の側の体制づくりもさることながら、医療サービスを受ける側の問題も考えていく必要があると考えており、今後は患者や患者予備軍である国民全体の医療に対する期待感や健康観・疾病観・死生観などにつき調査したり場合によっては介入したりすることも検討してもよいと思っています。
ところで、私自身が旧来の外科医としての勤務の在り方にこだわりがあることにふと気付きました。昔自分がフルタイムで外科医として働いていた時どおりの仕事の仕方ができないことに焦りを感じているということです。
いろいろな先生方と交流もできましたし、私にとってはとても有意義な会でした。ただ、女子医学生・研修医をサポートする会なのですがその対象である女子医学生や研修医の参加が少なかったように見えたのが残念です。
2月
21
2009
本日は京都小児科医会の学術講演会にお邪魔してきました。まったく小児科とは関係ありませんが、医師会の会報でも特に参加資格の指定がなかったのでホイホイ出かけていきました。
効果がある治療法として現在確立しているのは
(1)カルシニューリン抑制性外用薬(タクロリムス)
(2)ステロイド外用剤の長期間欠維持療法
おそらく効果があるであろうという治療法は
(1)保湿剤・・・当たり前すぎて(?)意外ときっちりした論文がないそうです
(2)プロバイオティクス(妊娠後期と生後早期)による発症予防・・・発症してからは効かないらしいです。乳酸菌を大量にとる、というものです。
効果がはっきりしないのは
アレルゲン回避・・・ダニ対策や食事制限など
・・・・もちろん食事によって悪化するものも中にはあるので、それはきちんと調べてから食事制限をするべきで、根拠なく制限するのはよくない。妊娠中・授乳中の食事制限もアトピー性皮膚炎の予防には意味がない・・・・
ということでした。
アトピー性皮膚炎はバリア機能が低下しているので保湿などのケアとステロイド外用によって湿疹をなくすようにしなければなりません。
湿疹のざらざらの部分に黄色ブドウ球菌がいますので、石鹸を使い揉むように洗います。
石鹸により皮膚が中性環境になるとよくないのでよく洗い流す必要があります。
保湿剤やステロイドの軟膏はすりこまずに、乗せるようにうす皮一枚覆うような感じで塗るのが重要なのだそうです。これは目から鱗の話でした。
アトピー性皮膚炎の部分はバリア機能が低下しているので薬を乗せてやるだけですぐに吸収されやすいのでわざわざ擦り込む必要がないのと、分厚くなっている部分の天井に塗るためにそっと塗るのが良いのです。
ステロイドは怖い、という人がたくさんいるので私たちも困る時があるのですが、ものは使いようです。もちろん内服で連用していればそれなりの副作用がありますので注意が必要ですが、正しく外用薬を使っている限りは副作用もそれほど気にする必要はなさそうです。
2~4週間連続塗布して皮疹をなくした後に週2~3日の間欠塗布をします。
皮膚がきれいになったように見えても炎症細胞が残っているのでステロイドを中断すると再発したように見えます。その辺がステロイドが怖がられる一因かもしれません。
ステロイドを怖がって皮疹がひどいままに長期に長引かせておくと皮膚が黒くなります。ステロイドで皮膚が黒くなるというのは嘘です。
大変面白かったので、これからも他科の疾患でも面白そうなのがあったら出かけて行こうと思います。しかも講演会が無料だったので大変お得感がありました。
11月
20
2008
平成20年11 月20 日
内閣総理大臣
麻生 太郎 殿
麻生総理の発言に対する抗議
社団法人 日本医師会
会長 唐澤 祥人
昨日開催された全国都道府県知事会議において、麻生総理は医師につ
いて「社会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言された。
この発言は、特定の職業を名指しして、根拠なしに差別するものであ
り、激しい憤りを禁じえない。
全国の医師会員を代表して、また国民の一人として断じてこれを認め
ることはできない。総理には、発言を撤回し、誠意をもって謝罪をして
いただきたい。
いま、医療現場は、常識では考えられないほどの過酷な労働環境にあ
る。国民は、医療を受けられなくなるとの不安に怯え、救急、産科、小
児科を中心に医療崩壊が現実化していることは、総理も認識されている
はずである。
日本の医療は、医療現場の献身的な努力と、厳しい現状の中でも国民
が医師をはじめとした医療関係者を信頼してくれることにより、ぎりぎ
りのところで持ちこたえられているのである。
こういう中にあって、総理の発言は、日本の医療を根底から否定する
ものであり、国民を失望させた。
先般の二階経済産業大臣の発言に続き、国政を代表する立場にある総
理のあまりにも認識を欠いた軽率な発言は、耐え難い環境で医療現場を
懸命に守る医師の真摯な努力を踏みにじるものであり、奈落の底に突き
落とされた思いである。
このままでは、日本の医療の再生はますます困難になる。
総理自身が熟考された上で、あやまちを認め、認識をあらためられる
ことを強く求める。
10月
22
2008
私事で恐縮ですが、9月30日付で日本医師会認定産業医に認定されました。
講習会にたくさん行きました。京都ばかりでなく、大阪、横浜、名古屋、奈良、大津などあちこちの講習会に顔を出しました。
面白い講義もあり、面白くない講義もありましたが、普通に医者の仕事をしているのとは全く違う視点を得ることができたように思います。
産業医は労働者の健康と安全を守る仕事をしつつ、企業側に雇われる立場でもあるという微妙な立場です。しかし、予防医学という観点から、これからさらに労働者側に立った仕事が増えていくのではないかと思われます。特に最近はメンタルヘルスの問題が重視されており、講習会でもしばしば話題になりました。
まだこの資格を生かすチャンスはありませんが、機会があったら是非産業医の仕事もしてみたいと考えています。
10月
07
2008
今年の4月にふと思いついて医師会に入会してみました。医師会というところがどういうものなのか以前から興味がありましたが、なかなか入会するきっかけがありませんでした。
本来医師会は開業医のドクターはほとんど入っているものですが、なぜか勤務医のドクターで入っている人はあまりいません(少なくとも私の周囲では)。しかし、日本医師会によると平成19年8月1日現在の勤務医の割合は46.7%ということですから、意外と多いように思います。一方、代議員に占める勤務医の割合は5.7%にすぎないので、日本医師会は主として開業医のドクターが運営しているというイメージはやはり正しいと思います。開業医と勤務医では若干利害が異なる状況もあるでしょうし、もう少し勤務医の視点を反映した医師会の運営をお願いしたいものです。
入会は、地区医師会→京都府医師会→日本医師会と三階建てになっています。京都府医師会のみ、あるいは日本医師会のみに入会することはできません。
私の場合は大学病院に所属しているということで地区医師会は大学医師会ということになりました。問い合わせたところ取り立てて活動していないとのことでした。会員も少ないようです。
実際に医師会に入会して今のところ特典も別になく、やはり開業医のドクター向けの会かなあと感じています。それでも医師会主催のセミナーや研究会などの通知がよく来るので、ちょこちょこ参加させていただいています。また、医師会雑誌などの会報は専門外の医学・医療の話題について勉強することができるので目を通しています。ただ、いくつも学会に入会しているとあちこちから学会雑誌が送られてきて整理が大変です。こういうご時勢ですから冊子を送付するのではなくオンラインでいつでも読めるようにしていただいた方がよい(少なくともそういう手段を選択できる)と思います。
医師会に入ってお得なことといえば、救急の講習会用に練習用の人形などを借りられるということなので、大学の11月祭の企画の際に、心肺蘇生のトレーニング用の人形とAEDトレーニングキットを京都府医師会から借りてくることにしました。