Archive for the '論文執筆' Category

6月 22 2011

学会活動と論文執筆

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今年は外科学会が震災の影響で中止になりました。誌上開催ということになっていますが、はっきり言えば通常の抄録集にすぎないので、何だか不完全燃焼です。

せっかくデータを出して色々検討してきたのでこのまま日の目を見ないのももったいないということで、論文化の準備をしています。

重回帰分析とオーダードロジッド分析の手法については経済学研究科修士の学生さんにお手伝いしてもらっています。本来このへんの手法も勉強しなければまずいのでしょうが、そこまで手が回らないというところが正直なところです。本日はその解析結果の検討のためミーティングに参加してきました。

重回帰解析とオーダードロジッド分析の結果が必ずしも一致しないところもあってこの種の調査の難しさを感じました。両方が一致すると異なる分析方法でも同じ結果が出たということになり、より強固なエビデンスになるのですが。

あと1ヶ月くらいを目処に論文化の目処をたてようと思います。
また、一方で大腸癌に関して7月は消化器外科学会、8月にはシンガポールでEndoscopic and Laparoscopic Surgeons of Asia (ELSA)で発表予定で、この夏はなかなか忙しいです。

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9月 08 2010

日本医師会雑誌の論文

私の「医師の勤務環境に関する考察-京大病院女性医師調査から」が最新(第139巻第6号)の日本医師会雑誌に掲載されました。

まだまだ未熟な内容ですが、協力してくれた方々の為にも結果を公表することは重要と考え、このような形で世に出すことにしました。

オンラインでは会員しかアクセスできませんが、もう少しすると別刷りが出来上がります。希望される方はinfo@kyoto-wakateishi.comまでご連絡ください。

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11月 18 2009

乳癌検診学会雑誌

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乳癌検診学会雑誌に論文がアクセプトされました。

ライフスタイル中立的な乳癌検診を目指して~ライフスタイルの多様性に応じた乳癌検診をいかに提供するか~

と題した論文で、現在の乳癌検診は内容や精度管理が不均一であり、それが受診者の背景(ライフスタイル)によってその差が生じていることが問題であることを述べ、その対策を考察し提言を行うことを目的にしています。

ライフスタイル中立的という表現は、ジェンダー政策などでよく使われます。社会が多様化する中、どのようなライフスタイルを選択しても一人の個人として安心して生きていけるような税制、年金などの整備が求められています。配偶者の有無や、配偶者の職種、本人の勤務形態などによって税制や年金などに差が出ないようにするべきだという時などに「ライフスタイル中立的」という表現を使います。

我々は、乳癌検診受診対象者である女性がどのような社会背景であったとしても等しく乳癌検診を受診する機会を与えるべきであると主張しています。まさしく「ライフスタイルに中立的な」乳癌検診制度を求めているのです。

専業主婦であったとしても、パートタイマーでも派遣でも正社員でも40歳になったらマンモグラフィによる乳癌検診を少なくとも2年に1回は受診する機会が与えられるべきです。

専業主婦は住民検診を受診、仕事を持っている人は職場の健(検)診を受診することになるのだと思いますが、職場の健(検)診はしばしばパート、派遣、正職員などでその内容に差があることもあり、住民検診ほど精度管理が厳密でないことがあります。

特に女性は男性以上に仕事を持ったりやめたりという流動性が高いですし、正社員率が低いのでよほど問題意識を持っていないと健(検)診を受け損ねることが多いと思います。

そもそも、住民検診対象者数の算出法は
[(30歳以上の京都市の女性人口)-(就業者数)+(農林水産業従事者)-(要介護4・5の認定者) ]÷2
ですから、仕事をしている人のうち、農家や林業や漁業に従事している人は健康保険が国保になっているだろうから住民検診を受けざるを得ないが、それ以外の事業所などに勤務している人は基本的に事業所で検診を受けてくださいねということなんですね。

職域で受ける乳癌検診が住民検診と同レベルの内容でなければならないという根拠はここにあります。住民検診にはある程度公費が投入されるわけですから、職域の検診にも同程度の公費を投入して整備しなければ不公平です。

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7月 22 2009

症例報告の論文

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去年6月13日に投稿した乳癌の症例に関する論文がようやくacceptされることになりました。1年以上かかってようやくです。

Natureだ、Cellだというような雑誌に投稿するようなものではなく、ささやかな症例報告だったのですが、

(1)学会発表(2007年6月)

(2)論文投稿(2008年6月)

(3)revise(査読者による査読後書き直し)

(4)再投稿(2008年10月)

(5)・・・9か月ほど音沙汰なく

(6)accept(2009年7月)

で、最初の学会発表からは2年、初投稿から1年以上経過しました。

昨日編集担当者から突如メールがあって、参考文献について48時間以内に確認して訂正があれば訂正せよと言ってきたのであわてました。しかも英語だったのでそういう解釈でよいのか?一抹の不安も感じました。

なぜか論文の最終チェックというのは「48時間以内に」と指定されることが多いのでそのたびに焦ります。

48時間メールを見ない可能性もありますし、外国からのメールだと時差の関係でこちらが夜寝ている間にメールが来ていて、朝見てみるとすでに半日近く経過しているなどということもあります。

ともかく昨夜のうちにそのメールを見つけた私はあわてて英文校正をいつもお願いするnativeの研究者に相談して今朝のうちに解決しました。

小さな症例報告ですが、英語が苦手な私には英文で書くというだけでかなりの労力を要しました。ようやく日の目を見そうでうれしいです。

一例報告の論文は科学的ではないという人もいますが、珍しい疾患やまれな経過を経た症例を拾い上げて報告していくことは必要なことだと思っています。一生医者をしていても出会うか出会わないかというような珍しい症例を診た時、やはり頼るのは過去の報告です。そして同様の症例が何例か蓄積されていくことで今後の医学が進歩していくのだと思います。

教科書やガイドラインには載っていないような処置・判断を迫られるとき、一人の医師やその周囲の同僚・指導医の知識や経験・技術では対応しきれないことがあるのはやむを得ないのではないでしょうか。

緊急事態ではなかなか難しいですが、時間的余裕があれば過去の症例報告を調べることで治療の参考になるかもしれません。情報の共有のためには情報を発信しなければならないと信じています。

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6月 12 2009

論文執筆

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昨年ちまちまと書いていた論文が今年に入って2本acceptされました。どちらも臨床ネタで、1本が日本語、もう1本が英語です。

日本語のほうは消化器外科学会雑誌の原著で、GIST (gastrointestinal stromal tumor)の症例を集めて検討したものです。最初に外科学会に出す準備を始めてから勘定すると2年半かけてようやく日の目を見たということになります。

英語のほうはJapanese  Journal of Clinical OncologyのCase Reportです。日本の雑誌なのですが、中身は英語です。

切除不能であった巨大な直腸癌がmFOLFOX6という化学療法のレジメンで病理学的に消失したという症例報告です。ここまで化学療法が効果があるのは珍しいので報告してみました。

これも書き始めてから1年半くらいかかっています。

今は何も論文を書いていないので、来年とか再来年の業績がゼロになる可能性があり、少々焦っています。細々とでも業績が絶えないようにしたいものです。

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3月 24 2009

論文投稿

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直腸癌の症例報告の論文を投稿中です。

最近はネット経由で投稿(submit)して、メールで採用不採用の返事がきます。編集局で編集者(editor)がチェックしただけで1、2週間で断られるときもあり、査読者(reviewer)に回されて採用不採用が決定することもあります。以前半年くらい待たされて不採用だった論文もあります・・・待たされた分余計悔しいです。

採用される前に、必ずeditorやreviewerより不具合を指摘されますので、これが加筆修正程度でOKなのか、根本的に実験や解析をやり直さなければならないかで、再投稿するか、別の雑誌に投稿しなおすか検討することになります。

さて、今回の論文は11月に投稿して約4ヶ月。ようやくreview(査読)が終わり、minor revise(少し書き直し)で返ってきました。

やれやれと言ったところです。本当は消化器外科学会専門医の申請に間に合うようにしたかったのですが、今年は間に合いそうもありません。

とりあえず、reviewerのコメントに従って加筆修正をしています。reviewに4か月もかかったのに、reviseは6週間で返すようにという厳しい注文です。しばらく英文を書いていなかったので七転八倒しながら絞り出すようにして書いています。

そもそも私の執筆スタイルというのは床に参考文献をまき散らし、転がったり奇声を上げたりしながら こたつのテーブルでパソコンに向かいながらなのでたいへん格好の悪いものです。最近家にいる時間が短いのでなかなか進みません。

何とか期限までに書き直して提出して日の目を見るようにしたいです。

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1月 28 2009

京都大学における旧姓使用

京都大学では「旧姓使用届」を提出すると、改姓前のいわゆる「旧姓」を使用することができます。

お金に関する書類は戸籍名でなければならないようで、給与明細や給与振り込みの銀行口座、健康保険証、源泉徴収票などは戸籍名で処理されます。

しかし、採用と同時に「旧姓使用届」を出しておくと最初から職員証やネームプレート、種々の事務連絡などが「旧姓」で可能です。もちろん採用後に申請しても申請が通れば「旧姓」使用可能です。

「旧姓」を使用している本人からすると「旧姓」はあくまでも「旧姓」ではなく、それが本来の自分の姓であり、いわゆる「戸籍名」はただの役所などの手続き上の記号のようなものだったりします。そのへんの認識は個人によって差があると思います。

論文などを見ていると、山田(鈴木)花子のような筆者名の記載を見かけることがありますが、はたしてどちらが戸籍名でどちらが旧姓なのかな、と考えることがあります。

本当は「山田」を使いたいんだけど「鈴木」の姓もくっつけておかないと公的な手続き上困る人なのか、手続き上「山田」でなければならないんだけど心情的に、あるいは昔の論文は鈴木姓で書いていたから「鈴木」をかっこでくっつけている人なのか・・・

他人事ながらくだらないことを考えながら論文を書いた人の心情を想像してしまうことがあります。

ちなみに私はすべて邦文は「大越香江」、英文は「Kae Okoshi」としております。本当は日本語と同じ順でOkoshi Kaeにしたいところですが・・・

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9月 21 2008

論文投稿

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会の概要のところで専門を「消化管外科学」としながら話題があまり消化管外科らしくないように思います。乳癌とか、中皮腫とか、アンチエイジングとかおよそ消化管とは関係ないことばかりやっているかのように見えます。

一応学位論文は放射線腸炎について書いております。「腸」だから消化管です。子宮癌などの治療においては放射線治療は有効な治療法なのですが、しばしば腸管が照射野に入っているために小腸が癒着したり線維性の肥厚をきたしたりしてひどい腸閉塞をおこすことがあります。これを予防または治療できないかという研究をしておりました。ATRAというビタミンAの一種がマウスの放射線腸炎線維化モデルで線維化を抑制できたというのが論文の趣旨です。

先週まではGIST(Gastrointestinal Stromal Tumor)の症例を集めて論文を書いたものの手直しをしておりました。GISTって日本語でなんと言うのか?といわれると日本語訳はなくて、みなGISTと呼んでおります。

大雑把な表現をすれば、胃癌は胃袋の内側の表面の細胞(上皮細胞)由来の悪性腫瘍で、GISTはカハール細胞という消化管が蠕動運動をするときのリズムを刻むペースメーカーの役割をしている細胞(2層の筋層の間に存在します)由来の悪性腫瘍ということで、由来が異なります。癌に比べるとGISTの頻度ははるかに少ないです。

まあこの論文を一度投稿したところ、こことここが不十分だから書き足せとか、この部分は不要だとか、わかりにくいとか指摘をされて返ってまいりました(これは論文投稿の際に多かれ少なかれあることです)。従ってその指摘にもとづいて加筆修正し、先週なんとか送り返すことができました。

さて、次は26日の日本乳癌学会総会での発表の準備です。乳癌検診について発表します・・・やっぱりあまり消化管外科医らしくないですね。

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