Archive for the '女性医師のキャリア' Category

4月 15 2012

外科学会リベンジ

12日、千葉の幕張メッセで開催された日本外科学会総会に出席してきました。諸般の都合により、日帰り弾丸ツアーとなりました。
昨年は震災の影響で紙上開催、すなわち総会中止になったわけですが、今年は通常通りの開催となりました。
特別企画2「女性外科医の労働環境の改善に向けて」というシンポジウムで「女性外科医の継続的なキャリアアップを目指して」というテーマでプレゼンしてきました。仕事のほうでもここしばらく時間外が多く、プライベートでも子どもたちの夜泣きや中耳炎や喘息のために時間を取られて準備不足の感は否めず、行きの新幹線の中でも東京に到着する寸前まで修正を試みました。そんなことではプレゼンそのものの練習をする余裕は全くなく、時間に追われた講演になってしまったのではないかと反省しております。

gekagakkai.JPG

それでも、女性医師VOICEの内容を少し公開し、宣伝できたのではないかと思います。
千葉大の社会医学系の先生がそれぞれの演者に質問をされていたのが印象的でした。お近づきになりたいと思いましたが、ディスカッションが終わったあとお見かけすることができませんでした。

そのほか、細径鉗子に関するランチョンセミナーに参加しました。細径鉗子とはconventionalな腹腔鏡手術に用いるより細い2mmとか3mmの鉗子のことです。より傷がちいさくなりますが、器具の耐久性や剛性に問題が生じます。

鉗子メーカーのブースで腸鉗子の片手での操作についてちょっとしたコツを教わってきました。これはこの学会における最大の収穫かもしれません。私は手が小さいので(特別小さいというわけではなく、平均的な日本人女性の手の大きさと思いますが、外科医としては小さい方でしょう。)、鉗子や各種デバイスの扱いにはやや困難を感じます。

帰りは学会会場で買った本を読みながら、牛タン弁当とビールで少しのんびりできました。子連れだとこうはいきません。最近、学会会場に託児所が設置されることが増えてきましたがそもそも子連れでの移動ってよけい大変だと思います。子連れではコンピューターの持ち運びもできませんし、スーツで移動もまず無理です。

帰宅は22時30分で、すでに子どもたちは就寝していました。

No responses yet

1月 25 2012

女性医師VOICEについて

私の研究用HPに女性医師VOICEというコンテンツがありますが、このたび6人目のインタビューをアップすることができました。まだ乳児のお子さんを抱えながら大学病院で教員として研究と臨床に携わっているそうです。私も自ら望んだことではありますが、産後9週目には復帰していたので夜中に何度も授乳で起こされて、くらくらの頭で仕事をしていたなあと思い出しました。しかし、彼女は研究もしっかりやって、大学院生の指導もしているというので、やっぱりものすごく頑張っているなあと感じました。ただ、体調を崩して大変だったときもあるそうで、家事などはもっと手を抜いたほうがよいのに、と思ってしまいました。私も偉そうなことを言える立場ではありませんが、頑張りすぎるとぽっきり心が折れてしまうことがあるように思います。

あと2人分収録してあるので、編集完了後に可及的速やかにアップする予定です。

問題は、科研費が今年度で終了するのでサーバーのお金を出すことができなくなることです。4月以降、うやって運営しようかなあと悩み中です。やっぱり自腹、でしょうか。動画用にストリーミングサーバーも使っているので、動画の管理もどうするかな、と考えています。あまりこういうことに詳しくないので、どうすればよいかよくわかりません。

私の同級生で医者の仕事を全くしていないという女性医師を知らないので、たぶん女性医師が仕事を辞めていくということは今後はあまりないのではないかと思います。細々と続けていくことはできるのだと思います。あとは質的な問題です。私の学年で大学入試でトップ合格したのは女性だったのですが、例えば彼女がどのように生きていくのかについては大変興味があります。もちろん仕事が人生のすべてではないので家庭が円満であれば幸福である、という考え方もあります。しかし、社会的な要因で彼女の優秀な頭脳が日本の医療に貢献できないとすればそれはもったいない話です。ぜひどんどん活躍していただきたいと期待しています。

私自身、2人の女の子の母親として、女性はどのように生きていくべきなのか、努力して勉強するだけではガラスの天井を突き破れないのか、、、、。娘たちにどのように教育しようか、努力すればなんとかなると教えるのか、世の中にはどうにもならないことがあると教えるのか、と自分がどう生きていくかも含めて悩んでいるところです。

2 responses so far

12月 18 2011

女性医師インタビュー:教授版

女性医師インタビューも佳境に入ってきました。厚生科研費も今年度で終了、女性医師に関する質的研究もそろそろ終盤です。

今まで、中堅どころのドクター、すなわち私の同年代のインタビューが続いていましたが、今回は東京の大学で教授をされている先生にわざわざ京都までおこしいただくことができました。臨床における専門は病理、現在は医学教育に携わっておられます。

せっかく遠方からお越しいただいたので、昼食をご一緒しました。とても面白い話をたくさんおうかがいしてたいへん盛り上がったところでインタビューに突入です。

さすがに教授として管理する立場にある方だけあって、私たちの悩んでいるところを突き抜けてしまっているところがさすがだと思いました。強烈なメッセージは「現在の評価基準が上司からの視点しかないが、同僚やco-workerなどからの評価も基準に加えるべきで、特に教育を評価に加える際には学生からの視点も重要である。現在は教育に対する評価が正当に行われていない。」「評価はその人の能力に対してなされるべきであって、長時間働けるということに対して評価されるのは間違っている。」「女性医師は家事をするべきではない。そんな暇があれば仕事をするか子どもと関わる時間にあてるべき。」「医者になって最初の数年は雑用であれ何であれ文句を言わずがむしゃらに働くべき。伸びる時期は医者になって最初の数年しかない。」「自分を鍛えてくれる師匠を選びなさい。」ということです。

明確でもっともな指摘です。

私も若いころ一生懸命働いたつもりだったけれど、もっとできることがあったのではないかと反省しています。もっとも、私もこの質的研究を行う過程でずいぶん認識が変わりましたし、環境整備も自分で進めてきました。とにかく決められた時間に職場に到達するだけでやれやれどっこいしょ、みたいな時期から比べると少しましになりました。自分で買い物に行って夕食の準備をして、子どもたちの送り迎えも自分で行って、と何もかも自分でやろうとすることはやめました。家事はかなりの割合を外注していますし、子どもたちの保育園への送迎をベビーシッターさんなどにお願いすることも多くなりました。

何よりも大事なのは、自分で自分の仕事をある程度コントロールできるポジションにつくための努力を怠らないことかな、と感じました。今回インタビューさせていただいた先生も男性社会でいろいろ苦労しておられるようですが、教授という立場だからできること、言えることもあるのではないかと思ったからです。そして、特に女性の場合、ぼた餅的にそういうポジションがふってくるとは思えませんので、導いてくれる師の存在と背中をポンと押すきっかけ、何らかの戦略が必要なのだと思います。

No responses yet

11月 23 2011

女性医師ランチタイムカンファランスのご報告

先週、女性医師ランチタイムカンファランスを開催しました。

なかなか盛況でした。学部学生が7人、研修医が6人、先輩ドクターが10人です。

dscf08172.jpg

学生さんも頑張って発表してくれました。中でも、自分は教授になる!と宣言していた学生さんが印象的です。彼女のまとめをここに記載しておきます。

(1)外科系は最初の5年間にどれだけスキルアップするか(内科系は3年)
(2)専門医は結婚する前にとってしまう。
(3)女性としての権利を追求していく
(4)職場に理解があればよいが、当直が問題になる
(5)同級生が多いところに行く(大越注;いろいろ頼みごとがしやすいということでしょうか)
(6)大学院→休学→出産(大越注;大学院生のときに出産する、ということです。よく言われることですが)
(7)subspecialityを分けられるので大学病院が良い(大越注;自分の専門分野を持ちやすいということでしょうか)
(8)金銭面では市中病院の常勤のほうが有利
(9)関連病院の良い部長先生につく
(10)研究職、教官になる
(11)研修2年目にまとめて1つの科をまわってある程度技術を身につける
(12)妊娠したらすぐに保育園に行ってwaiting listにのせてもらう
(13)保育園で手作りのものを持っていかなければならないことがあっても、自分でわざわざ作らなくても良い(大越注;手作りのものを作ってくれる人は探せばいくらでもいますし、ネットでも買えます)
(14)24時間保育のある病院に行く
(15)4歳くらいからは子どもを単に預けるだけではなくカリキュラムも重要
(16)引越ししないならゼロ歳児から保育園に入れて友だちを作っておく
(17)幼稚園よりも保育園のほうが親どうしの付き合いがラク(大越注;皆働いているので忙しくて話も合いやすいということでしょう)
(18)好きな診療科で自分のペースでやっていくことが大事
(19)初期研修でどれだけ頑張るか

これだけの気づきをもって帰ることができた彼女は収穫の多い一日だったと思います!

その他、法律を知って利用することが大事であるとか、女性であることを生かせる仕事をしたいとか、そういう発表をしてくれた人もいました。

私も大変勉強になりました。また、女性医師の横の繋がりも大事です。研修センターの方々にもお世話になりました。最近忙しすぎてこういうことを考える時間がなかったのですが、後輩のためにもがんばろうと思いました。

No responses yet

11月 15 2011

3人の育児と医師の仕事

新たに女性医師のインタビューを私の研究用HPにアップ致しました。3人の子どもたちの妊娠・出産を経ても離職することなく常勤で様々な育児支援制度を活用しながら小児科医として勤務を継続している彼女の姿は大変頼もしいと感じます。

私は2人でもうアップアップです。子どもをこれ以上持つことはないと思いますが、 1人より2人というのは大変さも増しますが、子どもたちふたりで力をあわせて乗り越えてくれることもあるかと思うので、頼もしく思っています。下の子の人見知りの時期も上の子の存在で新しい環境・新しい人にも対応できました。

私は先週・今週と帰りが20時すぎになることが多く、子どもたちと一緒にいる時間が少ないです。そんな中でも子どもたちが「ママに」とみかんを取っておいてくれるなど心やすらぐこともありますので、何とか頑張っています。ただ、帰りが20時すぎになると子どもたちにせいぜい本を1冊ずつ呼んでやるくらいしか接触がなくなりますので、あまりこんなことを続けるのは良くないと感じています。

そういう意味でも彼女が育児支援制度を利用して子どもたちとの時間を確保しているのは懸命だと思いました。皆さんも是非動画でご覧ください。

No responses yet

11月 08 2011

女性医師ランチタイムカンファランス

今年も京大病院ランチタイムカンファランスを開催します。京大関連の医師と医学部学生しかご参加いただけません(事前申込み要)が、わが法人も共催ということになっていますので、ここで告知させて頂きます。

lunch1.JPG

私も臨床業務が忙しくなってきたのでなかなかこういうイベントをするのも難しくなってきました。今回、企画はいろいろご提案させて頂きましたが実際に動いていただいているのは研修センターの方々であり、和進会の協力あっての開催になります。

自分自身が臨床医として向上することが一番の女性医師支援の具体化であり、後進のためになると考えています。そういう「気合」をお伝えできたらなあと思っています。

No responses yet

9月 04 2011

小児科女性医師インタビュー

8月31日、台風のため延期になっていた小児科女性医師のインタビューを行いました。彼女は3人の子どもを産み育てながら小児科常勤医師としてNICU勤務もこなしています。妊娠、出産のたびに休暇をとりつつ元の職場に復帰し、キャリアを積みあげています。3人の子どもがいる今は時短勤務ですが、2人目まではフルタイムで当直もこなしていたといいます。

詳しくは、インタビューの動画を見ていただきたいと思います。編集がすみしだい、研究用HPにアップロードしますのでよろしくお願いいたします。粗編集は終わっているのですが、なかなか私がチェックする時間が取れずに保留になっております。申し訳ありません。

また、今は11月に乳腺外科の先生、12月に病理の先生にインタビューをする予定です。

No responses yet

7月 27 2011

女性医師(外科)のインタビュー追加です

私の研究用HPに、女性消化器外科医のインタビューが追加になりました。
バリバリの執刀医のドクターなので、その苦悩も深いようです。

この先生の苦労された点は、妊娠中に一度勤めていた病院を退職されたことです。1年間育児に専念して、ふと仕事に復帰しようと思ってもなかなか新しい職場が見つからない、見つかってもなかなか仕事を任せてもらえない、そういうところで悩まれたそうです。
新しい職場だとなかなか信頼関係を築くのに時間がかかりますので、できれば産休ないし育休後にもとの職場に復帰するのがよいのではないかと話しておられます。私も全く同感で、前回追加した先生のインタビューでもそのようなお話がありました。

アメリカでは女性医師に対する「復職支援」というものがないそうです。出産後、やめずに元の職場に復帰するのが普通なのです。
日本では妊娠・出産したら退職するというのは女性医師のみならず様々な職種の女性に共通する行動パターンのようですが、女性のキャリア継続のためにはよろしくないと感じています。これからはそういう社会全体の風潮が変わっていけばよいですね。

No responses yet

7月 20 2011

女性医師VOICE更新

Published by under 女性医師のキャリア

本日、私の研究用サイトにおいて女性医師VOICEという動画の部分を更新致しました。

3人目の女性医師がインタビューに応えてくださったのですが、なかなか見ごたえある内容になっており、いろいろ重要なキーワードが散りばめられています。とくに、医局長としていろいろな改革を進めてきたというところにはやはりある程度のポジションに立つことの重要性を感じます。また、その立場で女性医師が産休明けに元の職場に復帰できうるようなサポートをしてきたというところも重要だと思います。

実はまだ編集段階ですが、インタビューに応えてくれた4人目の女性医師が退職後に仕事復帰しようとしたときに勤務先を確保するのが難しかったこと、勤務を再開してもなかなか信頼関係を築くのに時間がかかって苦労したことを語っているからです。

力強い先輩の話を聞いて、前向きに状況を切り開くことが大切だと感じました。この動画を見て誰かが何かを感じてくれたらなあと思います。

No responses yet

7月 16 2011

消化器外科学会に参加して(2日目)

消化器外科学会は最近ペーパーレス化しています。学会誌がオンラインのみになりました。

035_2.jpg

今回の学会はなんと抄録集までペーパーレスになってしまい、webで見るか、iPadなどのアプリで見るかということになってしまいました。

これが使いにくいアプリで非難轟々です。私もiPadを持っているので早速使おうと思いましたがまったく使えずにiPadをもつのをやめました。当日簡易版のプログラム集が置いてあったのでそれを持ち歩きました。これで、聞きに行こうと思う演題のページの角をちょっと折り返したりして持ち歩けば十分です。

2日目は自分も発表する予定だったのですが、行きの新幹線の中でプレゼンテーションのファイルを修正するという綱渡りになってしまいました。朝4時30分に起きたのですが、出張のために色々と準備が必要で、さらに思いのほか子どもたちも早く起きてしまったので自分の仕事が進まなかったのです。

新幹線の中でパソコンに向かっているビジネスマンの方は多いのでなんてことはないと思っていましたが、微妙に揺れる東海道新幹線の中で作業するのは目が疲れました。実に目に良くないです。

学会会場で、女性外科医の手の計測をしている方にリクルートされて計測場所に連れていかれました。様々な手術デバイスが外国人のおそらくは男性医師の手のサイズに合わせて作成されているので、私のような普通の日本人女性の手には余るのです。日本の女性外科医の手の測定をして新しいデバイスの開発のデータにしようという「外科医の手」プロジェクトです。

握力を測定したり、手の各部位の測定をしたりしました。握力測定は、握力計の握る幅を6種類に設定して測定しました。やはり、幅が広いと力が入りにくいです。

お昼のランチョンセミナーは、整理券が事前になくなってしまった(つまり、満席になってしまってお弁当が当たらない)のですが、「男気を出して」勉強のために「直腸を極める」というセッションに行ってきました。

午後からは高齢者大腸癌の諸問題、というパネルディスカッションで発表することになっていたのでそれに参加しました。私は、65~74歳、75~84歳、85歳以上で高齢者を分類して大腸癌手術でどの程度の合併症があったかなどを提示しました。高齢者だからといってそんなに合併症が極端に増えるとか術後在院日数が増えるということもなく、腹腔鏡手術も安全に実施可能であったという結論です。

高齢者の大腸癌を手術する機会はこれからもどんどん増えると思います。高齢だから、という理由だけでは手術を避ける理由にはならないでしょう。また、大腸癌の場合、放置すると腸閉塞をきたしたり、穿孔したり、大出血をきたしたり結局緊急手術になってしまうこともあり(どういうわけか本人や家族が手術をためらっていても、緊急事態になると手術をして欲しいと依頼されるものなのです)、リスクが高いからこそ予定手術できちんと手術をしたいものです。

夕方のイブニングセミナーでは、直腸の解剖のセッションに参加しました。人気の先生方のセッションということで一番大きな会場も盛況でした。 ここでも細かい膜の解剖や「結合組織間隙」などというマニアックな(すみません)話で盛り上がっていました。低位前方切除術の時にどの層で剥離を進めるか、側方靭帯の正体は何か、この部分はもう切るしかないのか、、、などなど。

この日はどっぷり直腸にひたってきました。やっぱり大腸じゃないか、と思われそうですね。消化器外科領域も取り扱う臓器が多く、もはや肝臓や膵臓のことはあまりわからなくなってきました。

帰りは上司と今日のセミナーのことや、手術のこと、これからどのように仕事をしていけばよいかなどを相談しながら帰ってきました。どのように手術を習得するかなど私にとってはなかなか難しい道のりだと感じました。

帰宅すると20時過ぎで、大急ぎで食事をして子どもたちと入浴してさっさと寝てしまいました。

No responses yet

Next »