Archive for the '少子高齢社会' Category

9月 25 2009

バリアフリー経路

以前四条河原町から烏丸の間の地下通路から地上につながるエレベーターがないと述べました。

先日阪急河原町駅で地上から駅のホームへバリアフリーで行くことのできる「バリアフリー経路」を発見しました。

地上からコンコースを経てホームに至る経路のうち、バリアフリーで行けるのは、

四条河原町の交差点の北東の角にあるコトクロスのエレベーター

出口3 コトクロス阪急河原町口

東改札口

エレベーター

ホーム

知らないとなかなか難しいと思います。
普通に歩ける人にとってはエスカレーターがあればいいと思いますが、やはりバリアフリーといえばエレベーターです。

河原町駅の改札からホームに至るエレベーターのドアには、京都市や京都府の援助を受けて設置されたという記載があります。一企業の施設ではありますが、公共性が高いということでしょう。

エレベーターやリフトがなくても駅員さんに頼めば昇降を手伝ってくれるでしょうが、できるだけ自分で何とかしたいという人がほとんどだと思います。

多少税金がかかってもできるだけ多くの施設をバリアフリー化するべきです。特に公共性が高いところから順に進めていただいて、今後建設する建物については基本的に最初からバリアフリー設計にしておくのが良いと思います。

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9月 14 2009

保育に欠ける

保育所に子どもを入れるためには「保育に欠ける」状況がなければなりません。

保育に欠けるって何でしょう?

①居宅外労働

②居宅内労働

③母親の出産(出産予定2か月前から出産後2か月)

④保護者の疾病など

⑤病院の介護など

⑥災害の復旧

⑦その他市長が①~⑥に類すると認める状態

児童の保護者いずれもが上記①から⑦のいずれかの事情に該当し、児童を保育できない場合だそうです。

今、「子ども手当」が話題になっています。中学卒業までの子どもに月額2万6000円を支給するというものです。結構まとまった額になりますね。

それでも、お金はばらまくのではなく、まとめて使ってこそ役に立つこともあると私は思っています。

そもそも、「保育に欠けない」子どもってどうして預けられないんでしょうか?どうして社会の仕組みが、母親が24時間365時間子どもをみることを前提としているのでしょうか?

もう少し気軽に子どもを預けられるような施設が増えても良いのではないかと思います。認可保育園のような厳しい条件を緩和して、子ども向けのデイサービスみたいな施設があれば良いと思います。

廃校になった小学校の建物や、シャッター通りになってしまった商店街の空き店舗など既存の建物を利用するようなお金のかからない保育・託児施設を検討してみてはいかがでしょうか。

育児は長丁場です。
「保育に欠ける」なんておどろおどろしい大げさな条件を満たさなくても子どもを預かってもらえるようになると、子育てももう少し楽しくて気楽にできるようになるのではないかと思います。

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9月 06 2009

紙オムツ考

世の中には様々な紙オムツがあります。

赤ちゃん用はもちろん、成人用、また最近ではペット用まで。

成人用のオムツのTVCMが増えてきたのは、社会の高齢化により介護用の需要が増えたからでしょう。対して、赤ちゃん用のCMは減ったような気がします。実際、薬局でも成人用のオムツは扱っていても、赤ちゃん用のオムツはおいていないことが多くなりました。

赤ちゃん用は新生児用からS、M、L、Bigとサイズもいろいろ、普通のオムツにはかせるパンツタイプなど種類も多くて品ぞろえが大変なのかもしれませんが、赤ちゃんの数自体も減っているからでしょうね。

少子化を語る時、合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子どもの数)を指標にしますが、ここ数年は1.3前後で推移しています。

団塊ジュニア世代(まさに私)が出産適齢期から外れつつあるので、出生数は減る可能性が高いと思われます。ベビー用品より介護用品、下手をするとペット用品のほうが市場が大きくなるかもしれません。

ところで、日本の紙オムツはとてもよくできていて布オムツよりもかぶれにくいという皮膚科の先生もおられるくらいです。どちらにしてもこまめに交換することが重要でしょうけど(濡れたらどっちも気持ちが悪いと思う)。

どちらも一長一短で、母親が好きなほうを選べばよいと思いますが、どうかなと思うのは、保育園で「布オムツ指定」のところが結構あることです。全国的にそうなのかは知りませんが、少なくとも京都ではそうなんです。

保育園から持って帰った汚れたオムツを捨てるだけ(紙オムツ)か洗濯して干してたたむ(布オムツ)か、結構な労力の差があるように思います。世の中紙オムツがほとんどという時代に、よりにもよって多忙な母親が布オムツというのは大変なのではないかと推察します(布オムツのレンタルもあり、その場合は業者が引き取りにきて洗濯して持ってきてくれるのだそうです)。母親自身の主義で布オムツにするならよいのですが・・・

外科医的な考察をすると、褥創にはガーゼより穴あきポリ袋をかぶせた紙オムツを貼付する(滲出液が多い時は紙オムツだけのことも)ほうがよいので、創がある時は布オムツより紙オムツのほうがよさそうです。

そこから推察するに、少なくともオムツかぶれなど上皮の欠損がある時は布オムツより紙オムツのほうがいいのかな、と思います。 皮膚が正常ならどっちでもいいでしょう。

楽なほうでいいんじゃないの、と私なら思ってしまいますが・・・(とても面倒くさがりなもので)

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8月 08 2009

和・洋式トイレ

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先日市内の百貨店で女性用のトイレに入ったところ、数人の行列になっていました。

よく見ると空きがないわけではないのです。よく見ると、和式トイレは全部あいており、洋式トイレがふさがっていたのです。行列に並んでいたのは年配の方々とおなかの大きい妊婦さんでした。

「和式はあいていますよ」と親切に声をかけられました。

和式トイレと洋式トイレの数は同数でした。つまり半々ということになります。病院などの医療機関ではほとんどが洋式なのであまり意識していませんでしたが施設によって様々なんですね。

面白いなと思ったのは、それぞれの個室のドアにカウンタがとりつけてあって、利用者数をカウントしているように見受けられたことです。洋式の利用者のほうが多いということになれば洋式トイレの割合を増やすなどの対策を取るのかもしれません。

自宅のトイレが洋式でも外出先では和式が良いというのはなかなか不特定多数の人が利用する洋式トイレに座るのが何となく清潔でないように感じられるからだと思われます。

しかし、一方でしゃがんだり立ったりするのが体にこたえる人たちにとっては外出先でも洋式トイレのほうが良いわけです。

ADL(日常生活動作:食事、排泄、着脱衣、入浴、移動、寝起きなど、日常の生活を送るために必要な基本動作すべて。高齢者の身体活動能力や障害の程度をはかるための重要な指標にもなる。)について考えると、老年者のADLは時間の経過とともに低下していきます。それは様々な疾患にともなうものもありますが、膝や腰などの関節の問題や筋力の低下などによることが多いと思います。

世の中に和式トイレしかなければ、足腰の弱った老年者は自力でトイレに行くことが困難になり、要介護状態になります。

和式トイレは無理でも洋式トイレなら可能、という人にとっては洋式トイレの普及により要介護状態から免れていると言えます。

これは床で生活する和式の生活と、ベッドやイスを利用する洋式の生活全般に言えることで、床に座った状態や布団から起き上がるのに比べるとイスに座った状態やベッドから起き上がるほうがかなり楽です。

つまり、ADLの低下をもたらさないためには、

(1)体の機能を回復させる、あるいは低下させない努力をする

(2)設備や環境の整備をする(例:和式→洋式)

という両面から考える必要があるでしょう。

以前に述べたエレベータがないという話は上記の(2)が不足しているという例になります。エレベータがあれば足の悪い人でも一人で上の階に上がれる可能性があるのに、エレベータがないために人の手を借りなければならない、つまりADLが一段階低い状態に置かれるということです。

和式・洋式トイレがどれくらいの割合で利用されているかをカウントして、双方の利用者が一番利用しやすい比率に設置しなおすのは大変良いことだと思います。

ただ、一方で、どんどん便利になると体がなまるという一面もあるので可能であれば体を鍛えるとか、リハビリをして機能を回復させるという努力も必要ですね。

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1月 04 2009

日本の人口減少

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厚生労働省が昨年12月31日に発表した平成20年の人口動態統計の年間推計によると、日本の人口は、出生数がわずかに増えた一方で、死亡数が昭和22年の統計開始以来最多を記録して大幅に増えたため、過去最大の5万1000人の自然減となりました。

出生数は前年より2000人増の109万2000人で、2年ぶりに増加に転じました。しかしそれも平成20年がうるう年だったからにすぎず、うるう年でなければ、横ばいまたは微減だったと厚生労働省は分析しています。

死亡数は高齢化により、前年比3万5000人増の114万3000人となっています。

出産適齢期の女性人口が減って出生数が伸び悩む中、高齢化で死亡数は増え続けており、今後も自然減は拡大し続けるものと予測されています。

日本の人口が減少するのはよいとしても、 高齢者の割合がどんどん増えていくと年金やら医療費やらで若い人たちの負担が増えます。

私は昭和48年という第2次ベビーブームの一番ピークの年の生まれです。出生数は209万人です。なんと昨年より100万人も多かったんですね。結構競争が厳しかったような気も…

我々の世代が本当はたくさん出産すれば第3次ベビーブームが起きたのかもしれませんが、もうそろそろ30代後半に入り、そんな可能性も低くなってきました。

人口減も高齢化も、対応できる程度のスピードに コントロールする必要があるように思います。私が受け取る年金は私が自分で支払ったものではなく、私が受給年齢になった時の若い人たちが支払ってくれる、ということになりますから、やはりあまり極端に子どもの数が少なくなるのもよろしくありません。

あるいは自分が支払った年金を自分が受け取る方式に変更するか、ですけどそれもなかなか難しいでしょうね。

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6月 27 2008

妊婦健康審査公費負担 in 京都

先日ご紹介しましたが、7月1日から妊婦健康審査公費負担が1回から5回に拡充されます。6月までに出産された方はちょっと残念に思っているかも知れませんね。

8週、20週、24週、30週、36週に使用できるように5回に分かれていて、それぞれの時期により無料になる検査内容が違うので助成される額も異なります。例えば、診察と指導、尿検査と貧血検査分は無料で、それ以上の検査が必要な場合は自己負担になる、という感じになります。

受診する医療機関によっても検査内容やもともとの診察料が微妙に異なるでしょうから人によって自己負担額が違うのはやむをえないとしても、5回助成されるようになるとちょっと受診しやすくなりますね。

また、すでに母子手帳を持っている人も、交付を受けた保健所に行けば出産までの期間に応じて追加交付を受けられます。母子手帳さえあれば代理の方でもOKだそうですから、出産が近い方も、もう1枚でも2枚でも受診票を交付してもらうとよいでしょう。

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6月 14 2008

国民健康保険

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今日、郵便受けをのぞいたら平成20年度の国民健康保険料の通知書が届いていました。恐る恐る中を見ると、なんと年額59万円でした。去年まで53万円だったので6万円もの増額です。

月に5万円近い出費です。私一人分でこの額なのでかなり大変です。何のために働いていたのやら・・・後期高齢者の方も大変かもしれないけれど、私たち現役世代も「働けど、働けど、我が暮らし楽にならざり、ぢっと手を見る」です。税金や健康保険料、年金を払うために働いているようなものです。

この制度はいずれ破綻するでしょう。これ以上保険料が高くなったら、病気や怪我をしてから実費で払ったほうが得だと考える人が増えていくに違いありません(今でもいると思います)。高齢者は増え、現役世代は減少の一途、子どもはどんどん少なくなるという今の状況では全く明るい未来はありません。

現在は、現役世代が支払うお金が今の高齢者を支える社会システムになっている以上、現役世代やこれから社会を担う子どもたちに対する支援がなければ早晩このシステムは崩壊します。高齢者に対する福祉も大事ですが、次の時代を担う者たちへの手当てが薄すぎます。バランスを欠いていると思います。

もちろん、将来いくらくらい年金がもらえて、まあまあの生活ができるという保証があればいいのですが、老後が心配で自分で貯金をしたり投資をしたりして老後の資金をためなければと思うと、支払うお金に渋くなってしまうのもやむを得ないのではないでしょうか。北欧の国などでもっと社会保障費のための税金が多い国はありますが、子育て支援があったり、老後もそれなりの生活ができるという安心感があるので高い税金を払っても満足できるのでしょう。

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6月 11 2008

医師不足は本当か?

何気なく日経メディカル6月号を眺めていたら、医師不足対策の特集をしていました。なるほど、最近テレビでもよくこういう特集が増えています。

私が医学部の学生のときは、これからは医師過剰の時代になるから、君たちはたいへんだ、といわれていました。たかだか10年くらいの間にえらい変わりようです。実際に医学部の定員を減らすとか、医師国家試験の合格者数を制限するとか、そんな話になっていました。平成9年6月の話です。

また、私が平成11年に医師として働き始めた頃に何気なく読んだ雑誌に、女性医師の割合が増加しつつあるので、女性医師は男性医師の8割の労働力とみなせば医学部の定員を減らさなくても相対的に医師の数は減少し、医師過剰解消にもなるというような記事を見つけ、大いに憤慨した記憶もあります。

しかし、それはある意味真実でした。

医師不足にはいろいろな要因があります。私が主に考えているのは以下の二つです。

(1)過酷な勤務や訴訟のリスクに耐えかねて第一線から退くドクターが後を絶たないこと。

(2)医師臨床研修制度の導入により医局による人事がまわらなくなってきたこと。

しかし、女性医師の増加と、それに対応策をとってこなかった旧態然とした体制も医師不足の原因のひとつであると思います。もちろん女性と男性が全く同じように生きていけるとは私も思っていません。ある程度の住み分けというか役割分担のようなものは必要でしょうが、女性が医師として働くことは社会のニーズでもあります。

女性医師の労働力を男性医師の8割とみなすというのは出産と育児の期間を休職せざるをえないという現実があるからでしょう。場合によってはそのままやめてしまう人もいます。実際に私は何人もの女性医師がそのような退き方をしているのを見てきました。その中には、今や減少に歯止めがかからないと問題になっている産婦人科の先生が何人もいました。

そもそも子どもを預けられるところがありません。保育所はだいたい18時か19時までしか預かってくれません。熱が出れば迎えにいかなければなりません。普通の病院勤務を男性医師と同等にフルタイムでこなしながらの育児はきわめて難しいといわざるを得ません。

難しいというより無理です。私の外科医5年間の生活を振り返ると、子持ちで同じように働くなんてはっきり言って無理です。自分ひとりが一日をやり過ごすだけで精一杯です。

大阪厚生年金病院のように子育て支援をきっちりしている病院もありますが、かなりまれです。たいていの病院には院内保育所もなく(看護師用の保育所だけは結構あるが、それ以外の職種は利用できないことが多い)、もちろん病児保育もありません。フレックス勤務や短縮勤務もなく、ただ男性医師と同等の勤務ができないなら来なくていいというようなところの方がはるかに多いのです。

そんな病院に医師が集まるはずがありません。

フレックス勤務や短縮勤務を可能にするために、男性医師に負担をかけるのではなく、病院全体でシステムを変更し、チーム医療をすすめ、ワークシェアリングできるようにすればみんながハッピーになれるはずです。賃金が減ってもかまわないが働きやすい職場を求めているドクターは男女を問わずにいるはずです。

実際に大阪厚生年金病院では女性医師の働く環境を整えたことで、男性医師の超過勤務時間も減少したそうです

一度そこそこの規模の病院には院内保育の設置と、医師の勤務実態をきっちり把握した上でフレックス制や短縮勤務も可能にするように義務化してみてはいかがでしょう。私は以前から首相官邸にメールを送るなどしてきましたが、「小泉総理大臣あてにメールをお送りいただきありがとうございました。いただいたご意見等は、今後の政策立案や執務上の参考とさせていただきます。」などと自動返信と思われるメールが返ってくるだけでした。

医師国家試験合格者の3人に1人は女性となったこの時代に、この人たちが出産や育児で現場を離れたらどうなるかということは前からわかっていたことではありませんか。不作為です、不作為。

日経メディカルの記事によると医学部の定員を増やすとか厚生労働大臣が言っているようですが、これから医師を育成するよりは既にある程度育ったドクターを確保するほうが時間もお金もかからないと思います。少子化対策にもなりますしね。

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5月 28 2008

京都市の子育て支援

何気なくポストに入っていたきょうと市民新聞をぱらぱらと見ていたら、妊婦健康診査公費負担の拡充(1回→5回)とありました。

「これは」と思い、いつからこの制度が始まるのか担当部署に問い合わせたところまだ本当に実施されると確定したわけではなく、6月5日の審議で決定すればなるべく早く実施したいとのことでした。今妊娠中の方にとっては気になるところですね。

京都市の妊婦健診の助成回数は、実は今まで全国の政令指定都市の中でも最低の1回だったのです。厚生労働省としては去年1月の時点で公費による助成回数は5回程度に増やすことが望ましいとという見解を通知しています。ところが、8月の時点では、全国平均で2.8回でした。公費助成は市町村単位で行われているため、その自治体の財政状態や熱意などによって格差があります。10回以上、すなわち全ての健診で助成が受けられるところもあります。1回の助成で5千円から6千円の助成金が出ることが多いようですが、「無料券」をもらえるところもあるそうです。生まれる前から格差社会です。ちなみに京都市は現時点では妊娠期間中に1回だけ6千円くらいの助成を受けられるという助成システムです。

07年度の国の予算編成では妊婦健診助成のための財源として、妊婦健診の助成を含む少子化対策に充てる地方交付税の配分額が700億円に倍増(06年は330億円)されました。このお金をきちんと少子化対策に使わずに他の事に使ってしまっている自治体もあるとか。まあどこも財政難なのでしょうが・・・

妊婦健診は、妊娠初期から妊娠23週までが4週間に1度、24週から35週までが2週間に1度、36週から分娩までは1週間に1度の健診を受けるのが基本です。だいたい妊娠期間中に13回から15回くらい受けることになるでしょうか。

1回の健診の支払いは5千円から1万円くらいで、感染症やら高い検査をうけると2万円を超えるときもあります。結構お高いと思います。健康保険が使えませんから助成がなければ全額自己負担です。

後期高齢者の保険料が問題になっていますが、妊婦健診のこの高額負担はあまり問題になりません。胎児は選挙権がないからでしょう。妊婦はしんどいのでデモをしたり陳情をしたりする気力も体力もありません。また、後期高齢者よりはるかに数も少ないのです。政治家が気をつかうような相手ではありません。

現在、そして今後しばらくの間社会福祉を支えていくのは団塊の世代ジュニアを中心とした現役世代です。30年くらいは何とかなるのかもしれません。そして、いよいよ団塊の世代ジュニアが引退したら今度は誰がいったい面倒を見てくれるんでしょうね。今の生活のことも大事ですが、30年後50年後を見据えて社会のシステムを構築していかなければならないと思います。

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5月 26 2008

歩いてきた褥創患者さん

Published by under 少子高齢社会,褥創

本日は海外出張中の後輩の代診で久々に褥創回診をしてきました。

新しく褥創ができてしまった方。

入院時にすでに褥創をお持ちの方。

せっかく治った褥創が再発してしまった方。

いろいろです。しかし、褥創ができるような状況に一度陥ってしまえば、そこから抜け出すのは困難で、褥創がなかなか治らなかったり、ひとりの患者さんに何ヶ所もできてしまったり、せっかく治ったところが急に再発したりすることもしょっちゅうです。

寝たきりになることが最大のリスクです。しかし歩いて外来にやってくる褥創患者さんを診たこともあります。歩けるのになぜ?と思って話を聞くと、アルコール依存症で栄養障害がある方でした。三度の食事よりもビールが好きだとか。栄養状態が悪く、ビタミン不足や肝機能低下によるタンパク合成障害、神経障害による感覚障害などがバックにあるのだと考えられます。

今までに何百人と褥創患者を診ていますが、歩いて外来にやってきた褥創患者さんはふたりだけで、そのふたりともアルコール依存症に伴う低栄養状態の方でした。定期的に通院していただきながら自分でもラップ療法ができるように指導しました。もちろん食事についても細かく指導しました。そうしないと、治るものも治りませんし、何回でも再発しますから。

それから、褥創にはラップ療法に加えて穴あきポリ袋+オムツを当てるという方法もあり、浸出液が多い場合に有効です。あまり医療品という感じがしませんね。ラップも穴あきポリ袋も医療品というより台所用品ですね。

褥創の処置も創部の評価とデブリドメン(壊死組織を外科的に切除する)以外は、介護の一環として処置をしていただくほうがきめ細かく処置ができると思います(特に仙骨部の処置はおむつ交換と同時に行うのが効率的ですよね)。もちろん医師の定期的な管理の下に行うべきですが。

これからも褥創患者さんは増えていくと思います。適切に、かつ効率よく対応していかなければいくらでも医療費を押し上げます。あまり一般には問題にされることのない「褥創」ですが、高齢社会の大きな問題としてもっと広く認識していただきたいと考えています。

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